赤い帽子、カツラ、社員寮暮らし……再上場のシャープ・戴社長がいろいろすごい

東証一部に再上場したシャープの戴正呉社長に、社員寮暮らしやカツラなど数々の逸話

記事まとめ

  • 東証一部に再上場をはたしたシャープの戴正呉社長は、会見で8Kテレビを印象づけた
  • 戴氏は鴻海精密工業の大番頭から新社長に就任し、シャープの構造改革に取り組んだ
  • 戴氏は役員報酬を貰わず、社員寮で暮らしたが、社員にはそれを知らない人もいたという

赤い帽子、カツラ、社員寮暮らし……再上場のシャープ・戴社長がいろいろすごい

赤い帽子、カツラ、社員寮暮らし……再上場のシャープ・戴社長がいろいろすごい

世界初の8Kテレビを発売 ©共同通信社

 12月7日、東証一部に再上場をはたしたシャープ。記者会見に戴正呉社長(66)以下、幹部たちは胸に赤いバラを挿し、頭には「SHARP 8K」と記された真っ赤な帽子といういでたちで現れた。

 再上場会見で、12月に日本で発売した8Kテレビを印象づける戴社長の姿は、洗練されたプレゼンを好む昨今の経営者とは対照的だった。

 シャープを買収した鴻海精密工業の大番頭だった戴氏が新社長として来日したのが昨年8月。産業革新機構を推す経産省と鋭く対立した末の買収に、シャープの将来を危ぶむ声が消えることはなかった。

 着任すると戴氏は、構造改革に取り組み、経費の削減にも大ナタを振るった。自らもシャープから役員報酬を受け取らず、社員寮で暮らした。若手社員の中には社長が社員寮にいることを知らない者もいたほどだったという。「ぜいたくには興味がない」と語る戴氏は着任早々から社員とワゴン車に相乗りして客回りに奔走した。

「まるで、高度経済成長期の日本の経営者。格好つけず駆けずりまわる。台湾では、髪は若さの象徴のため、戴氏は公の場ではカツラをつけていますが、取引先幹部が面談していた際には、外して出迎え、先方は驚いていました。社員の間では、『お金はあるのだから、もっといいカツラを買えばいいのに』とネタにされています」(シャープ関係者)

「中期経営計画は必ず達成する」と繰り返し強調してきた戴氏。目標は2019年度に売上高3兆2500億円、営業利益1500億円の達成だ。そのための戦略分野がAI&IoTと8K。真紅の帽子はその象徴だったのだ。

 社長を退任するつもりだったという戴氏だが、周囲の反対で2019年度まで経営陣にとどまることを表明した。

「日経新聞電子版が報じたように、V字回復したシャープのテレビの6割を鴻海が買っていた。親会社鴻海に対し防波堤になってくれる戴氏の存在は大きい」(同前)

 会見最後に会場で流れた歌に戴氏はこう言った。

「みなさん聴いてください。この歌は『You Raise Me Up』です」

 苦しい時、君が来て、一緒に座ってくれる。私を立ち上がらせてくれる。

 戴氏が覗かせた自負だった。

(森岡 英樹)

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