お家騒動後もプライベートは「一蓮托生」 大塚父娘は共に沈むのか

大塚家具と匠大塚、ともに不振 大塚久美子氏と父・勝久氏プライベートは「一蓮托生」

記事まとめ

  • 大塚久美子社長が率いる大塚家具の売り上げ減少が止まらず、昨年12月は前年比69%に
  • ヤマダ電機が大塚家具を子会社化したが、久美子社長の続投は保証されていないとも
  • 父親の勝久氏が設立した匠大塚の業績はなかなか向上せず借入金は60億円超えている模様

お家騒動後もプライベートは「一蓮托生」 大塚父娘は共に沈むのか

お家騒動後もプライベートは「一蓮托生」 大塚父娘は共に沈むのか

大塚家具・大塚久美子社長 ©AFLO

“かぐや姫”こと大塚久美子社長率いる大塚家具の売り上げ減少が止まらない。

 昨年12月は創業50周年を記念したファミリーセールを開催し、久美子社長自ら方々に案内メールを送って集客に努めたが、売上高(全店)は前年12月に比べて69%まで落ち込んだのだ。

 大塚家具は落ち込みに対し、<前年は秋に開催した在庫一掃セールにより(売り上げの)水準が高かったこと、また、消費増税後の反動からの回復も鈍く足踏み状態となりました>と発表した。

 前年12月は売り上げが良く、それに比べて数字が落ちたかのようなコメントだが、業界関係者は否定する。

「セールの効果は(18年の)10月と11月は出ましたが、それでも前の年に比べて売り上げは10月が108%、11月が104%と微増しただけです。そして18年12月はセールの効果は上がらず、売り上げは前の年に比べて85%。19年12月は、その18年12月からさらに7割まで落ち込んだのです。これは“足踏み状態”どころではありません」

 昨年末にヤマダ電機が約44億円を出資して大塚家具を子会社化し、大塚家具は資金繰りに一息つくことができた。しかし経営不振を原因とした明らかな買収であり、久美子社長の続投は保証されたものではない。

「山田昇会長は厳しい人だけに、久美子社長にチャンスを与えようと思っているにせよ、長く待てる人ではありません。早ければ半年、遅くても1年以内に結果を出さなければ、久美子社長は解任されるでしょう」(同)

■資産管理会社「ききょう企画」が抱える借金

 久美子社長を悩ますのは大塚家具の苦境だけではない。

 父親の勝久氏は、久美子社長をはじめとした子供達のために、大塚家具の株を保有する資産管理会社「ききょう企画」を設立し、子供達は長年にわたり配当収入を得てきた。しかし父と娘の紛争後、久美子社長側に付いたと見られる「ききょう企画」は、銀行に借金して株を提供していた父親への支払いをした。これまで「ききょう企画」は大塚家具の配当収入を借金返済にあててきたが、18年度はついに無配当。「ききょう企画」の借金は、昨年6月末時点で10億5000万円も残っているのだ。

 創業者の父親のやり方を「古い」と一蹴し、父親を追い出して5年。久美子社長の先行きは風前の灯火だが、しかし、父親の勝久氏もまた苦しんでいる。

■父の「匠大塚」は巨額の債務超過

 勝久氏は15年7月、経営幹部などを引き連れて「匠大塚」を設立し、大塚家具創業の地である埼玉・春日部市に、東京ドームのグラウンド2個分の売り場面積を誇る「匠大塚春日部本店」をオープンした。

「久美子社長は大衆化を掲げて迷走しましたが、勝久氏は、大塚家具が続けてきた、個別案内制により高級家具を販売するスタイルを貫く意向です。開業に当たり、勝久氏が個人資産を数十億円投じたと話題になりました」(同)

 その後2店目の匠大塚大宮タカシマヤ(埼玉・さいたま市)、昨年4月に3店目の匠大塚青山(東京・渋谷区)をオープンした。

 しかし、業績はなかなか向上しない。

売り上げは16年度以降、7億6000万円、14億円、18億円と伸び、出店効果が出ている形だが、

「16年度以降、赤字が19億円、15億円、12億円と続き、設立4年が過ぎても赤字を垂れ流し、昨年3月末時点で、49億円に上る巨額の債務超過。匠大塚は、勝久氏が個人資産を投じた上に、地元の地方銀行の融資も得て、借入金は60億円を超えている模様です」(信用調査機関担当者)

 地方銀行は春日部本店の土地・建物を担保に15億円の抵当権を設定していたが、昨年9月に、大塚家が所有する都内の2件の不動産を追加担保に取ったのだ。

「これ以上、銀行融資を当てにすることはできません。勝久氏の個人資産を投じ続けなければ経営できませんが、銀行融資を得たことを考えれば、その個人資産は無尽蔵ではないのでしょう」(同)

■お家騒動後の大塚家の「意外なプライベート」

 意外と知られていないが、ビジネスの上で分裂している大塚家は、プライベートでは一蓮托生である。久美子社長側についたと見られる前述の資産管理会社「ききょう企画」の所在地は、勝久氏の妻が所有する不動産。お家騒動の際に久美子社長側についた久美子社長の妹の住所となっている都心の高級タワーマンションの部屋も、実は勝久氏が所有しているものだ。

 しかし、昨年9月に父親の匠大塚が追加担保として差し入れた不動産2件は、まさにこの「ききょう企画」の所在地と、妹の住所となっているタワーマンションの部屋だった。これまで喧嘩しながらも陰ながら娘を支えてきたように見える父親の力に、限界が見え隠れする。

「父親の勝久氏が大塚家の全員を見捨てるとは思えません。その父親の匠大塚が苦しんでいることは、久美子社長の先行きよりも深刻に見えるのです」(前出・業界関係者)

(清水 俊一)

関連記事(外部サイト)