「自民党一、二を争う嫌われ者」棚橋泰文“ポチ”委員長の狙いとは

「自民党一、二を争う嫌われ者」棚橋泰文“ポチ”委員長の狙いとは

岐阜2区で1996年から連続8回当選

 本来なら目立たぬ行司役の“資質”に注目が集まっている。自民党の棚橋泰文衆院予算委員長(56)だ。

「内閣そーーーーり大臣、安倍っ、晋三君」などとゆっくり読み上げたかと思えば、「聞こえない、もう一度」と野党に同じ質問を繰り返させる。国民民主党の玉木雄一郎代表が「野党の質問では、なぜかスロー。時間が無駄」と批判すれば、立憲民主党の枝野幸男代表も「そろそろ再入閣したくて、総理に尻尾を振るポチだ。恥を知れ」とこき下ろした。政党合流の失敗でしこりが残る二人を意気投合させるほどの評判の悪さだ。

 だが当の棚橋氏は、どこ吹く風。「枝野さんは人を人として扱わない。残念だ」と記者団に逆ギレしてみせた。自民党は、ポチ発言の撤回を野党側に求めるが、本音では誰も棚橋氏を守ろうとせず、むしろ「ポチとは言い得て妙だ」(自民中堅議員)と納得の声が上がる。

 父は福田赳夫首相を秘書官として支え、大物通産次官といわれた棚橋祐治氏。長男の棚橋氏は、東大法学部在学中に司法試験と国家公務員一種試験に合格。父と同じ通産官僚を6年弱務めたのち、1996年に初当選。2004年には当選3回、41歳で科学技術政策担当相として初入閣。

「若手時代は将来を嘱望されたが、頭の良さ故に周囲を馬鹿にしてきたツケか、いつしか党内一、二を争う嫌われ者に」(政治部記者)

■「棚橋さんの深夜の電話が気持ち悪い」

 福田康夫首相の後継を決める08年の総裁選では出馬を目指すも推薦人を数人しか集められずに断念。14年秋から幹事長代理を務めた時代の悪評は枚挙に暇がない。谷垣禎一幹事長に面会を求める議員を“門番”よろしく次々とシャットアウト。幹事長室には谷垣グループの議員しか寄りつかなくなり、谷垣、棚橋両氏だけで、テレビで大相撲観戦にふける様子もしばしば見られた。

 記者との関係でも悪評噴出。知らない女性記者を見かけると周囲に「あのお綺麗な方はどちらの記者さん?」と尋ねたり、別の女性番記者に「ベッドインしないか」と軽口を叩いたり。「棚橋さんの深夜の電話が気持ち悪い。担当から外してください」と上司に直訴した女性番記者もいた。

 谷垣氏が自転車事故で幹事長職を外れると、所属する谷垣グループから距離を置く。麻生派と山東派が合流して志公会となった17年、どさくさに紛れるように入会。「何がやりたい?」と聞く麻生太郎副総理に「経済の重要閣僚をやらせて欲しい」と媚を売った。

 永田町では知られてきた悪評が、予算委員長として一気に露見。これほど露骨に尻尾を振られては、安倍首相も、扱いに困っているに違いない。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年2月13日号)

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