はあちゅうさんは今日も元気に世界の中心で自己愛を叫ぶ

はあちゅうさんは今日も元気に世界の中心で自己愛を叫ぶ

©iStock.com

 お呼ばれがあって京都に立ち寄ったのですが、中身はスマホだけど外見はガラケーという、いわゆる「ガラホ」を使っているお婆さんに着物を着た京都の人が「ガラケーどすか? スマホは信用なりませんなあ」と親しげに話しかけているのを見て、「こういう人を信用しちゃだめだぞ」と心から思ったわけです。

 で、みんなが大好きな作家の「はあちゅう」こと伊藤春香さんがネットで暴れていると聞いて、そろそろ春本番かと思い見物に行ってまいりました。

■自己愛による認知の歪みって素敵だなって心から思います

[引用]

#metoo の時の丁寧な取材で信頼していたので血液クレンジングについての取材依頼をノーギャラ、写真・原稿確認ナシの条件で受け子供なんとか預けて取材に行ったら

「取材を受けるのは炎上を利用した売名行為ではないですか?」?

と聞かれたのはびっくりした&悲しかった。依頼したのそっちなのに…と

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 はあちゅうさん、怒ってますね。図星だったんでしょうか。当のBuzzFeedで取材を担当された神庭亮介さんが「そのような発言は一切していません」という大技カウンターをかましてネット民を湧かせており、自己愛による認知の歪みって素敵だなって心から思います。

 もちろん本件は、はあちゅうさんに対して「BuzzFeedの取材を受けたこと」ではなく、「美容などの情報提供を騙って、効果がはっきりしていない血液クレンジングなどニセ医療関連のブログを書いていたこと」について、炎上を利用した売名目的だったのか、と神庭さんがインタビュー中はあちゅうさんに尋ねた、というのが実際のところです。

■今度は私にうんこを投げて来られました

「BuzzFeedは、さんざんはあちゅうさんを#metooなどの告発記事で利用してきた。なのに、ノーギャラの取材依頼に応じたはあちゅうさんをBuzzFeedは『この女はどうせ売名で取材を受けたんだろ』と思っている」とはあちゅうさんはずっと思い込んでいた、ということがこの内容で分かったのは大変な収穫です。それ、完全に勘違いですよね。

 と思ったら、今度は私に向かってはあちゅうさんがうんこを投げて来られました。

[引用]

ちなみに宋美玄先生とは面識がないのですが、以前、山本一郎さんと一緒になって、ツイッター上で私の二の腕が太い、などの容姿批判をしていたので、何年も前からブロックしています。容姿で殴ってくる人、好きじゃないので...。

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 私、そんなこと言ってねーよ。

■それ書いたの、はあちゅうさん自身ですよ

 検索で見返したら、6年半ほど前のはあちゅうさんの書き込みを私がリツイートし、それを女医の宋美玄さんが被せて言及しただけであることが分かりました。それ書いたの、私じゃありません。はあちゅうさん自身ですよ。酷い。酷すぎる。

[引用]

私の知名度なんてかなり限定的なものだけど、知名度がつくということは毎日毎日会ったこともないモテなそうなおっさんに、お前の言ってることはいいとか悪いとか老けたとか顔がでかいとか二の腕が太いとかバカだとかセックスさせろとかしたくないとかいろいろ言われるもんなんだなぁ。

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 ご覧の通りです。お前が自分で書いたんや。

 きっと太ましい二の腕に悩んでいるのは図星なんでしょうが、この流れでいくと、二の腕を揶揄したのが私になっている以上、はあちゅうさんのツイート内にある「会ったこともないモテなそうなおっさん」とは私を暗喩している可能性が俄然高まります。しかしながら、私がはあちゅうさんに「セックスさせろ」などと言うはずもありません。

 そうでなくても、はあちゅうさんは「教えてハゲの人ヽ(・∀・)ノ→ハゲは何故独特な髪型でハゲを隠そうとするのかwwwwwwwwwwwwwwwwww」とか「電車で隣に座ったデブがあたたかくて幸せでした…。デブは冬が旬です」などと、結構平気でいろんな暴言をお放ちになられます。その誉れ高いお人柄から繰り出される鋭角のクソの投げ込みが芸術的だからこそ、はあちゅうさんは人気なんですよね。わかりますわかります。

 やっぱこう、他人にクソを投げておいて、他人からクソを投げられるとクソまみれになって「クソだらけになった! 傷ついた!!」と怒るあたりがはあちゅうさんの優れた作家性の源であり、人気の秘訣であると言えるでしょう。自らクソまみれになっておいて「責任は自分にはない。虐げられているのだ」と主張する、まさに「プロ被害者」のようであります。

■ご子息の虐待通報騒動も……

 先日も、不用意にはあちゅうさんご自身の生まれて間もないご子息の可愛らしい動画をアップしたところ、一見ぐったりしているように見えなくもないため児童虐待をネット上で疑われて通報が殺到し、ご自宅に心配した警察官が3人やってくるというネタがありました。

 第三者的には、この児童虐待を疑わせる動画で警察官が訪問したことが事実なのかもはっきりしませんが、さっそくワイドショーネタになるや、これまたほうぼうで馬鹿にされて可哀想です。

#はあちゅう さん、児童虐待ネタでエア警察沙汰を演出した疑惑をかけられBPO事案にされてしまう
https://note.com/kirik/n/nfb590dbb8ea4

 さらには、かつてはあちゅうさんに取材に来たライターの女性に対して、はあちゅうさんが名刺を出して挨拶しなかったことを「失礼である」と実名暴露されておりました。これを受けて、逆にはあちゅうさんが怒って「お金のために、嫌いな私に取材しなくちゃいけなくて申し訳ありませんでした」と反応。いや、名刺を出して挨拶しないから無礼なんじゃないのと言われているだけであって、誰もお金のために働いているとも、はあちゅうさんが嫌いだとも書いてないから、と総ツッコミを受けておられて素敵です。

 言われてもいないことを拡大解釈して怒る。これがはあちゅうさんの薫り高い芸風のブレない根幹にあります。

■再び血液クレンジング問題へ……

 しまいには、精神科医のメンタルドクターSidowさんにまではあちゅうさんの「典型的な『認知の歪み・拡大解釈』」を指摘されておりました。

 言われてみれば、私も別にはあちゅうさんの二の腕が太いなんてまったく思っておらず、むしろ美しい若奥様ぐらいにしか認識してないのに、宋美玄さんと一緒にクソを投げたと誤解されていたとか、恐るべき認知の歪みだなあと思うわけであります。はあちゅうさんはやはり美的な小顔だし、スレンダーな麗しい女性だからこそ、人気なのだということは、私が責任もって皆さまにお伝えしたいと思う所存です。

 私もそろそろ老眼が始まってきたので眼科に行ってこようとは思いますが、私たちは一致団結して日本の限りあるエネルギー資源であるはあちゅうさんを大事に護っていかなければならないと心に誓っておるわけです。ところが、はあちゅうさんが最近になって再び血液クレンジングが医学的に正しいのではないかと戻ってきてしまったのは非常に気になるところです。

[引用]

血液クレンジングについては、その後、いろいろな立場のお医者様に話を聞く機会があり、

病気を「治療」できる標準医療ではないけれど、

「予防」医療の観点では部分的効果が認められ、「ニセ医療」ではないと断言する方にも複数お会いしました。

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「BuzzFeedは味方だと思っていたのに」

 一度は謝罪して記事削除してブログまで閉鎖したのに、どうしてまた戻ってきてしまったんだ。あまりにも内容がアレなので、今回の件で医師や薬剤師など医学系クラスターの面々からはあちゅうさんに対して、一斉に「誰かこの人を黙らせろ」的な反応が出たんですよね。

 医学的に裏付けのない血液クレンジングを実施しているクリニックからお金をもらってブログや記事を書き、BuzzFeedの岩永直子さんなどからフルスイングで批判されて、はあちゅうさんが身の回りの医師に話を聞いて回ったんだろうとは思います。はあちゅうさん、やってしまったことに対して記事削除をし、謝りながらもひょっとしたら価値のある治療じゃないかと誠実に裏付けを取りに行く姿勢、応援していきたいですね。

「トンデモ医療であると、断言します」 血液クレンジング、医学的に徹底検証してみた
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/blood-cleansing

 はあちゅうさんからすれば、BuzzFeedは電通時代の#metoo騒動では記事を書いてくれた味方だと思っていたのに、血液クレンジングの件でしゃくれたアゴ粉砕レベルの振り抜きストレートをカウンターで喰らって裏切られたという感情でも抱いてしまったのかもしれません。

■高額治療については物議を醸す機会が増えてきた

 この血液クレンジングを含むニセ医学問題については現在進行形の物件になっていて、まだ黒煙は上がり始めたばかりですが、その火元をよく見ると、先日堀江貴文さんの「ホリエモンのクリスマスキャロル」なる学芸会らしき劇にもスポンサードしていた湘南美容外科グループが、ニセ医学批判にまつわる騒ぎを起こしていました。ニセ医学もニセ科学も、ネットで専門家が発信し始めると簡単に検証されるようになり、儲かる代わりに非常に燃えやすくなってきたのが事情にあると思います。

自由診療で「やりたい放題」民間がん免疫療法の真相  告発スクープ 湘南美容外科グループの“独自療法”
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/22879

 ジャーナリストの岩澤倫彦さんが、効果の程度が怪しいと見られる各種がん治療での代替医療である「がん免疫療法」で湘南美容外科グループが高額の医療報酬を得ていたと報じた内容で、効果がはっきりしない高額治療については物議を醸す機会が増えてきました。

 まさかとは思いますが、はあちゅうさんが血液クレンジングには予防的な効果があるという謎で雑な説明をし始めた内容と、一連のがん免疫療法で効果がはっきりしないのに説明されている機序とがだいぶ似ているところがありまして、個人的には気になって気になって夜しか寝られません。

■現代社会の地雷を教えてくれるはあちゅうさん

 しかしながら、私たちがなぜはあちゅうさんが好きで、その行動一つひとつを愛しているかというと、面白いからです。まさに「人生コンテンツ」、自らを燃やして暗い世の中を照らしてくれているのだ。そのように思います。

 そして、おおいにやらかしてくれる。そのやらかす余計なことが概ね時代の最先端で起きる罠ばかりに引っかかるからです。はあちゅうさんがお薦めしなければ血液クレンジングなんて知ることはなかったかもしれないし、アダルトビデオの第一線で頑張っている人の考えや哲学に触れることもないでしょう。

 はあちゅうさんが次々と世の中の地雷という地雷に吸い寄せられ、その愛らしい御足で地雷を踏み抜き爆炎が上がるたび、あ、あっちに現代社会の地雷があった、こっちにも地雷がある、大変だ、これは危険だ、と知ることができます。しかもどんなに大爆発しても本人は概ね無事であるため、やはり適切な距離を取り、美しき女傑・はあちゅうさんの猛勇ぶりを見学するのが慎みある大人の取るべき態度であると、私は思っております。

 今後ともよろしくお願い申し上げます。

*蛇足ではありますが、(何度も書いておりますが)はあちゅうさんご出産おめでとうございます。はあちゅうさんの子育て奮闘ぶりは遠くから見ている、4人の子の父親である私からしても微笑ましくも素晴らしいと思っております。ただ老婆心ながら同じく育児をする者として、なるだけお子さまについては、いくらご自身が「人生コンテンツ」と割り切っていたとしても、育児ネタで売名だカネ稼ぎだと思ってないでしょうが、もう少しお控えになったほうが良いのではないかと思いました。

(山本 一郎)

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