新型肺炎で有名になってしまった「武漢」、ふだんはどんなところ?

新型肺炎で有名になってしまった「武漢」、ふだんはどんなところ?

長さ1.5kmの超大型ショッピングストリート、楚河漢街。

 新型コロナウイルスによる肺炎の発生源として有名になってしまった中国の武漢。武漢の地名は日々ニュースで耳にすれども、北京や上海のような超大型都市と違い日本人にとって知名度は高くない。しかし、小説『三国志』(吉川英治著)、テレビ番組『人形劇 三国志』(NHK)、漫画『三国志』(横山光輝著)、歴史シミュレーションゲーム『三國志』シリーズ(コーエーテクモゲームス)、映画『レッドクリフ』などなど、数々の大ヒット作の舞台といえばお分かりだろうか?

 本記事では報道で見られる新型コロナウイルスに襲われた武漢ではなく、平時の武漢をご紹介しよう。

■武漢ってどんなところ?

 日本で武漢は「ぶかん」と呼ばれているが、中国語では「ウーハン」と読む。日本のニュースにおいて中国の地名は日本語読みが用いられることがあり、他にも大連(だいれん/ダーリェン)、西安(せいあん/シーアン)、広州(こうしゅう/グァンジョウ)、重慶(じゅうけい/チョンチン)、成都(せいと/チェンドゥ)などがある。もちろん中国で日本語読みは通じない。

 武漢市は中国内陸部に位置する人口1108万人(2018年時点)の大都市で、1926年に漢口・武昌・漢陽が合併し3地域の頭文字「武」「漢」を取って命名された比較的新しい地名だ。ホンダやルノーといった大手自動車メーカーが数多く進出している。

 日本から武漢へはANA、中国東方航空、中国南方航空、吉祥航空、春秋航空日本が直行便を運航している。フライト時間はおよそ5時間。ただし2020年1月23日以降は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため武漢天河国際空港は閉鎖されており、武漢発着フライトはすべて欠航となっている。

■武漢は観光地が少ない?

 素晴らしい世界遺産や観光名所が数多く存在する中国は、旅行者にとって最高に魅力的な国だ。ところが武漢に限ると目立った観光名所がない。中国人にすら「何しに武漢に行くの?」と聞かれるほど見どころに乏しい。

 敢えて観光地を挙げるとしたら、武漢のランドマーク『黄鶴楼』がある。呉の孫権が西暦223年に物見やぐらとして最初に建てたと言われている。しかし何度も焼失しては再建し、さらに武漢長江大橋を建造するため元の場所から移転していることもあり、三国志の聖地としてのありがたみには欠ける。

■武漢名物の安ウマB級グルメ、熱乾麺

 新型コロナウイルスの感染源はコウモリやネズミといった野生動物の可能性が考えられ、野生動物を食べる武漢人の食習慣がヒトに感染した引き金になったという報道が一部で見られた。そこで複数名の武漢出身者に野生動物を食べるのか尋ねたところ、全員から「あんなの一度も食べたことないよ」と嫌そうな顔で返答された。では武漢人は普段は一体何を食べるのか?

 答えはこれ。武漢のソウルフードで中国五大麺のひとつでもある『熱乾麺(ルーガンミェン)』だ。

 熱乾麺は、安くて早くて美味い朝食の定番メニューとして武漢人に愛されている。油そばのような汁なし麺で、胡麻ダレや具材をかき混ぜて食べる。間違いなく日本人好みの味で、特にジャージャー麺のような肉みそが乗った炸醤熱乾麺はオススメだ。

 もうひとつ、『三鮮豆皮(サンシェントゥピー)』も武漢必食グルメだ。三鮮豆皮も武漢の朝食定番メニューで、あの毛沢東が絶賛し、北朝鮮の金日成も食したという逸話がある。もち米・豚肉・しいたけ・たけのこに、卵と小麦粉でできたパリパリの皮が乗っていて、絶対ハズさない一品だ。

 武漢は小吃(軽食)の店が充実しており食べ歩きが楽しい街だ。熱乾麺や三鮮豆皮の他に、れんこんスープ、臭豆腐、湯包など、美味しい小吃がずらりと揃う。武漢が元の平和な街に戻ったら、ぜひ食い倒れの旅を楽しんでほしい。

■武漢人はどんな人たち?

 武漢人はマナーの悪さで有名だ。声の大きさ、口の悪さ、割り込み、ポイ捨てなど、武漢人のマナーの悪さは 中国国内でもたびたび問題に挙げられる。

 武漢に来てまず最初に目につくのは、中国のどこよりも歩きタバコが多すぎることだろう。老いも若きも男も女も歩きタバコ。武漢にいるとPM2.5 よりもタバコの煙でむせてしまう。逆にひと時もタバコを欠かせないヘビースモーカーにとっては天国のような街だろう。

 また、唾吐きもここでは健在だ。一応弁護しておくが、中国都市部の若者は唾を吐かず話し声も小さく一般的なマナーが身についている。40代以降のジジババならともかく、20 代のミニスカお姉ちゃんが「かーっ!」と唾を吐くのを何度も見かけた時は唖然とした。足元を見ながら歩かないと唾を踏んでしまうので、観光の際は要注意だ。

 マナー以外の点でも武漢人は特徴的で、北関東のヤンキー上がりのようなファッションセンスの男性が多い。現在 は中国全土的に韓流アイドルみたいなキレイめ男子が増えて目の保養になっているというのに、武漢はガラが悪そうな男性が街に溢れている。話しかけると優しい子達なので、単にダサいだけでグレているわけではないようだ。

■ビジネスホテルで起きる深夜の怪奇現象

 武漢のビジネスホテルで起きた怪奇現象をお伝えしよう。ドアの隙間から紙が大量に噴き出してくるのである。それも1度ではなく2度3度、就寝中の深夜1時〜2時に重みのある紙が大きな音を立てて床に落ちる。最初は心霊現象かと思って見なかったことにしたが、3度目には音で眠れない怒りから「いい加減にしろ!」と怒鳴り電気をつけた。すると、床に大量のエロ広告が散らばっていたのだ。

 このエロ広告、よく見るとリン・チーリンやチャン・ツィイーのようにCG加工された絶世の美女だらけなので、女の私ですらじっくり眺めてしまう。中国ビジネスホテルの名物広告なので、運よく差し込まれたらぜひ土産に持って帰ろう。

 最後に、新型コロナウイルスに罹患しお亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げます。事態がいち早く収束し、武漢及び中国の方々が平和な生活に戻ることを祈っております。

(多田 美和)

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