「娘の学費が払えない……」シングルマザーが嘆くイベントキャンセル地獄

「娘の学費が払えない……」シングルマザーが嘆くイベントキャンセル地獄

この画像はイメージです ©iStock.com

「文春オンライン」編集部では、新型コロナウイルス感染拡大を受け、読者に「一斉休校・コロナ休校」についての体験談を募った。

 シングルマザーのHさん(女性・55歳)は、イベント運営会社から発注を受けてデータベースの作成などの事務作業を請け負う個人事業主。新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)のあおりで様々なイベントがキャンセルになり、3月・4月の収入がゼロになってしまったという。(取材・文=真島加代/清談社)

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■2月から仕事はゼロに、震災後よりも悲惨な状況

 私はイベント運営会社の下請けとして、データベースの作成や簡単なシステム作成をしています。仕事内容は事務職に近く、月収はだいたい20万円前後。でも、2月に入ってからはイベントのキャンセルが続き、3月以降の仕事もすべてなくなりました。発注元は企業イベントなどを扱っているからか、新型コロナへの警戒心が強く、エンタメ系のイベントよりも中止の判断が早かったのかもしれません。

 もっと事前に連絡をしてくれたら、短期でもなんでも仕事が探せたのですが、直前にキャンセルが続いてしまい、イベント後の作業時間も含めてスケジュールがすべて空いている状況です。東日本大震災のときも同じ仕事をしていましたが、当時よりも悲惨です……。

 新型コロナが話題になりはじめた時期に、一度発注元に連絡をしてみたら「こちらも混乱していて、また分かり次第連絡します」と言われてしまいました。入金についてなんて、とても訊ける雰囲気ではなかったですね。この先どうなるかわからないので、食費をかなり切り詰めて生活しています。みんな「外出を控えよう」とか言ってますけど、お金のことを考えると外出なんてできませんよ。

■銀行に行くと鼻で笑われた

 当面の生活費を工面するために、いろいろなところに頭を下げてお金を借りました。一番頭を抱えているのが、私立大学に通う娘の学費です。来月には前期の学費を納入しなければならないのですが、どのように工面すればいいのか、まったく目途が立っていません。

 また、小学校休校で仕事を休んだ場合、収入減を補填する助成金が支払われるそうですが、大学生の子どもは対象外。正直、この政策にはイラッとしました。子どもは大きいほうがお金がかかるんですよ。

 それに、助成金の対象者には、共働きだったり、正社員で福利厚生や保障があったり、生活に困っていない人も含まれていますよね。収入や資産に関係なく一律にお金をばらまくやり方は、救済措置とは言えないと思います。イギリスのように所得税の納付期限を延ばしたり、家賃を補助したりなど、個人の状況に合った援助が必要じゃないでしょうか。

 新型コロナの影響が出はじめた頃、銀行にも相談に行ったんです。でも、まったく相手にされませんでした。

「どれくらいの被害が出ていますか? 数百万円必要ですか?」

「いえ、そんな大きな額ではなく、今すぐお金が必要で10万円くらいでもお借りしたくて……」

「事業資金を援助するためのものなので、目先の生活費ということならムリですね」

 そう言われた後、鼻で笑われたんです。たしかに、従業員を抱える中小企業の社長さんのほうが会社を維持するために大きなお金が必要だし、大変なのはわかります。でも、私のように明日の生活費に困っている個人事業主の現状は伝わりにくくて、とてもツラいです。

 政府や自治体には頼れない、と思っていたのですが、先日発表された「生活福祉資金貸付制度の緊急小口資金等の特例」の対象になり、10万円以内の無利子無担保の貸付を受けることができるかもしれないことが分かりました。もうすぐ相談受付が始まるので、申請してみるつもりです。

 新型コロナの収束も全然見えないし、まだまだイベントの自粛ムードは続きそうで、とても不安です。でも、私よりも苦しんでいる人をたくさんネットで見かけるし、困っているのは私だけじゃないと思うとやるせない気持ちです。

(「文春オンライン」編集部)

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