コロナウイルス騒動だから家族や職場で語りたい、語り継ぎたいトピックス

コロナウイルス騒動だから家族や職場で語りたい、語り継ぎたいトピックス

©iStock.com

 去年の暮れぐらいまでは、世界が豊かで輝いていたように見えていたんですけどねえ。

 なんでしょう、この感染症の恐怖の前に、いままでの建前や綺麗事が豪快にぶっ壊れていくシーンは。

 国会では、NEWSポストセブンが報じた「 安倍昭恵さんが芸能人呼んでお花見パーティー 」記事が炸裂して大混乱に陥り、文春でもスクープ掲載した相澤冬樹氏による記事「 森友自殺〈財務省〉職員遺書 」の全文公開も爆発して、実に大変なことになっています。

■「お肉でも食べてこいや」と言い放つ政府

 過去最大の102兆6,580億円の2020年度予算が成立する一方、目の前の経済が崩壊している日本人への救済策について、いまなお現金給付をどうするのかで政権内で揉めています。一部の報道では「お肉券」や「お魚券」のような商品券配布プランが飛び出し、さらには「旅行券」まで配ろうかという始末で、なんでしょう、この露骨な昭和風味の利権争いは。

 いま目の前の仕事がなくなったり先が危ういフリーランスや契約社員さんなど非正規雇用者の皆さんが困っているのは、直面する失業や生活費の工面ですよね。そういう仕事がなくなる人たちに対して、「おう、仕事なくなるのか。お肉でも食べてこいや」と政府が言い放つに等しい事例だと思うんですよね。

 ましてや、旅行券とか言って、この外出禁止の要請も出ているところでどこに行くんだよ。私もこの2週間ずっと出張していましたが、新幹線も飛行機もガラガラで、1車両貸し切りぐらいの勢いで人が移動していません。

 週末に総理の安倍晋三さんが記者会見やるというので「おっ、いよいよ緊急事態宣言か」と思いきや、リーマンショック時以上の財政出動やるからお前らチェキラ☆みたいな内容でした。まあ、決算が集中する3月31日より前に経済が死ぬ緊急事態宣言やロックダウンをやって株価が崩壊しても困るでしょうし、ギリギリの選択なんでしょうか。4月1日以降、相場が死にそうだけど。

 と思えば、都知事の小池百合子さんが突然週末の外出禁止の要請を記者会見でやったものだから、お年寄りを中心にパニックが発生してスーパーやコンビニから食料品の買い付け騒ぎが発生して、押すな押すなの大混乱が発生していました。マスクも消毒液も棚から消えて久しく、朝に薬局に行くとどこからやってきたのか中国人の皆さんが列を作っていたりと、コロナ騒動のお陰で世界が一変してしまったんですよね。

 世界に目を転じれば、どこの国も足元に火がついて、それどころじゃないよという状態になってしまいました。

■「自由な人の行き来」が基本理念のドイツは今

 まずドイツ。EU憲章では自由な人の行き来が基本理念と言いつつ、イタリアやフランスで新型コロナ感染が爆発したって話を聞くや、いきなり国境封鎖しちゃいました。逆マジノ線ですかね? 相変わらずオランダ空いてるし。ギャグでやってんだろ。

 シリア問題では中東からのトルコ経由の移民はドイツが無制限に受け入れますとか言っておいて、いまやドイツ国内が移民問題で完全にゴチャゴチャになってるじゃないですか。国境が自由ってことは、難民もいっぱいやってくるってことですよね。内政に問題を抱えようとも、人権を大事にし、EUが目指した自由な移動を守りとおそうとしたと。そうですかそうですか。

 そこにコロナですよ。危ねえからフランス人もイタリア人も来るなと。人権よりも、感染症のほうが大事だということが分かった瞬間であります。

 俺たちはね、死にたくねえんだよ。

 さらには、イギリスの首相ボリス・ジョンソンさんもコロナウイルス感染を発表。いずれ誰もが罹ってもおかしくない感染症とはいえ、率先して国のトップが罹っちゃうとかヤバすぎです。あのロシア皇帝プーチンさんですら、優しく国民にコロナ対策を諭してしまうレベル。

■大規模リストラにコロナショックで大赤字のドイツ銀行

 それにいったいどうするつもりなんでしょう、あのドイツ銀行は。さんざん上から目線で綺麗事言っておいて、経営が立ち行かなくなってしまいました。いざどうしようもなくなって、コメルツ銀行と合併しようとしたのに上手くいかなくてそのまま大規模なリストラやってたと思ったら、コロナショックが来て株価が5ユーロ切ってるとか大丈夫なのかよ。欧州最大級の銀行が、ですよ。

 そもそもドイツ首相のメルケルさんは、リーマンショックの際に「税金によって民間企業の救済は行うべきではない」とかぬけぬけと仰っていたんですよ。あんだけでかい態度で他国を非難したもんで、ドイツ政府は救済を行えません。ドイツ最大のドイツ銀行がドイツ政府の支援を受けられずに破綻の可能性とか。さすがに馬鹿なんじゃないでしょうか。

 でも、ドイツ銀行はEU経済圏のハブの役割を果たしておるわけで、ドイツ銀行が何らかの問題を起こして機能停止する、イコールEUが崩壊するって状況だったんですよ、コロナウイルス騒動の前から。2019年第3四半期の3か月間のドイツ銀行の純損失は8億3,200万ユーロ、ざっと1,000億円の赤字を出してるわけです。

https://www.cnbc.com/2019/10/30/deutsche-bank-q3-2019-earnings.html

■アメリカの惨状を反面教師に、日本はどうすべきか

 かたや、アメリカでは中国以上の感染者を出してしまい、米中の間で「おまえのせいだ」「いや、貴様が悪い」と口喧嘩が始まりました。世界で協調して新型コロナウイルス対策を打ち出そうというところで、アメリカがウイルスの名称を「武漢ウイルス」と定めることにこだわったのでG7外相会議での共同声明が打ち出せないとか素敵事案まで発生しました。

 トランプさん、ご自慢の株価上昇を中国発のコロナウイルスに足元をすくわれておかんむりでしたが、習近平さんと電話会談してカネでももらえる話になったのか、一気に矛を収めるあたりもトランプ流です。200兆円クラスという途方もない経済対策を発表したものの、どこまでコロナ禍が経済を破壊するかは分かりません。大恐慌以来の失業者が大量発生したアメリカの惨状を見ると、まだ感染者は少ない日本はどうするべきなのか、悩みは深くなります。

 それもこれも、新型コロナに感染するリスクがだんだんはっきりしてきて、当初言われていたような「インフルエンザのちょっと酷い版程度のもの」という楽観論が吹き飛び、世界で大量の感染者、悲しいぐらいに急増する死者、それに対応する社会の脆弱さ、政治が果たすべき役割の大変さ、そして都市封鎖その他、経済面で発生する大きなダメージに対する恐怖……。これらが一気に楽観視していた時代を不自由なものに変えてしまったんですよね。

■自粛に次ぐ自粛で消費は回らず、五輪も延期

 コロナ対策で花見は自粛、ナイトクラブも自粛、コミックマーケットも自粛、週末の宴会も禁じられ、さらには屋外のバーベキューも大混雑につき中止を求めるとなると、文化的な社会生活をしながら消費を回していこうにもどうにもなりません。

 そして、長らくすったもんだした東京オリンピック問題、開催に向けてのIOCや各国の綺麗ごとは全部吹き飛び、急転直下で1年延期で落着しそうな流れになりました。東京オリンピックの経済効果は2030年までに32兆円という勇ましい数字とは裏腹に、目の前のコロナウイルスで50兆円規模の具体的な損失が日本経済を直撃して五輪どころではなくなってしまいました。

■ずっと自粛が続くなら、やっておくべきことがある

 そりゃ期待していた分とても残念ではあるけれど、目の前の現実は動かないのだから、激変する環境にあわせて自分や社会を作り替えていかなければなりません。環境変化こそチャンスだ、とまで言うつもりもありませんが、少なくともウイルス対策にめどが立ち、ワクチン開発が成功して管理できる感染症になるまで概ね1年半近い年月がかかるのだとするならば、むしろずっとこの自粛は続くのだという話になりますからね。

 教育のデジタル化・オンライン化を含めたEdtechや世界標準の9月入学・卒業に学校をあわせるギャップイヤー、国民の健康管理のために個人の位置情報を取得・分析する情報分野の改善、電子政府やオンライン投票など、この際だからできることは全部やってしまえって思うんですよ。

■人類社会の経済活動が低迷する中で

 ただ、崩壊していく経済で一番苦しいのは高齢者と地方都市の経済であることは間違いなく、地方は金融機関も大変なことになるし、観光業だけでなく主たる産業も壊滅的な打撃を受ける可能性が高くなります。そうなると、日本銀行がETF買って相場に介入するよりも、地方経済の主だった産業の統廃合を進め、自治体ごと再再編して、場合によっては破綻処理に追い込まれる地方の企業や自治体を国有化・直轄地化していくしか方法が無くなるんじゃないのかなとすら思います。

 もうね、持続可能な社会とか、ESG投資なんて言われても、誰も見向きもしないでしょう。人類社会の経済活動が低迷すれば、環境問題は解決するんです。グレタさんが各国首脳を激しく論難していた環境問題は、短期的にコロナウイルスが強制的に解決してくれました。あとは、その先に不幸な感染者や経済破綻者たちの望まない死が頻発しないことを祈るのみであります。

(山本 一郎)

関連記事(外部サイト)