「生まれてきてくれて…」「お産がとても楽しかった」 “母の涙”を流された雅子さまの肉声

「生まれてきてくれて…」「お産がとても楽しかった」 “母の涙”を流された雅子さまの肉声

愛子さま ©JMPA

雅子さまはチャーミングに英語で「可愛くてふわふわ」 外国訪問できない歳月を乗り越えられるまで から続く

 この春、天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(18)は学習院大学文学部日本語日本文学科に進学された。学習院女子高等科ご卒業にあたり、両陛下と愛子さまは宮内庁を通じて感想を公表され、ともに新型コロナウイルスについて、早く終息に向かうことを「願っております」と述べられた。

■愛子さまの思春期を振り返られた両陛下

 両陛下が公表された感想からは、愛子さまの思春期ともいえる女子中・高等科での日々を振り返り、感慨深く思い出されるご様子が伝わってくるようだ。

「愛子には、女子中等科入学から6年間にわたり、たくさんのお友達にも恵まれ、日々通った女子部での学校生活を始め、運動会、八重桜祭などの学校行事や、初めての海外短期留学、修学旅行などを通じて、貴重な経験を重ねながら様々なことを学び、楽しく実り多い日々を送ることができたと思います。

 科長先生を始め、御指導いただいた学年主管や教科担当の先生方、養護、事務、用務、守衛の方々など、学習院女子中高等科の全ての関係者の皆さん、また、警備にあたられた地元警察署の方々に深く感謝いたします」

雅子さまは外務省の方面をご覧に

 雅子さまは、昨年の「即位の礼」に際し、何度か涙を見せられた。11月10日の祝賀御列の儀では、祝田橋交差点付近から目を潤ませていらっしゃったように見え、国会議事堂正門前では目頭を押さえる仕草を見せられた。勤務先だった外務省の方面をご覧になっていたのかもしれないと思い、深く印象に残っている。

 その前日、11月9日に開かれた、天皇陛下の即位を祝う「国民祭典」でも、アイボリーのロングコートをお召しになった雅子さまは、「Journey to Harmony」を嵐のメンバーが歌い終えると、うっすらと涙を浮かべながら、拍手を送られていた。この時は、愛子さまも皇居の正門近くから式典の様子をご覧になっていたという。

■「すみません、母親になって涙もろくなって」

 雅子さまの“母の涙”として思い起こすのは、2002年4月、愛子さまご誕生から4カ月後の記者会見でのご様子だ。関連質問で、記者とこのようなやり取りがあった。

――第一問の関連で妃殿下に伺います。大変不躾でデリカシーを欠いた質問であるのかもしれませんけれども、妃殿下は生まれてきてありがとうという気持ちで胸が一杯になりましたとおっしゃった時に、私、涙ぐまれたように拝見いたしたんですけれども、その胸中にですね、どんな思いがおありだったのかと、難しい質問ですが。

「難しいですね、やはり。言葉のとおり、やっぱりその生まれてきて本当にありがとうっていう気持ちですね。やっぱり非常に、なんて言ったらいいんでしょうね。胸が一杯になるような、そういった体験かしらと思いますけれども。すみません、母親になって涙もろくなって」

■「お産がとても楽しかった」

 雅子さまの愛子さまに対する思いの深さは、元東宮職御用掛で、雅子さまのご妊娠、ご出産における医師団の責任者を務めた堤治氏の証言からも伝わってくる。

「雅子さまの日頃の努力の甲斐もあり、出産は大変スムーズに進み、産後すぐに雅子さまに愛子さまを抱いていただきました。雅子さまは笑顔で、優しい母親の顔をされていました。

 生まれたての愛子さまを抱いた陛下は、少々肩に力が入っていたようです。おふたりは目と目で何か通じ合うように見つめ合い、後に会見でおっしゃられたように『生まれてきてくれてありがとう』という喜びに満ちた表情をされていらっしゃいました。雅子さまも愛子さまも経過が順調で安定しておられたので、しばらくの時間、お三方だけでお過ごしいただく時間を取ることができました。(中略)

 ご退院の挨拶の折、愛子さまを抱いた雅子さまが、『お産がとても楽しかった』とおっしゃったのが印象に残っています」(「文藝春秋」2019年11月号)

 両陛下は愛子さまのご成長を大切に見守られてきた。2013年10月、愛子さまが小学校生活最後の運動会で組体操を披露された時、陛下はカメラで運動会の様子を撮影されていた。組体操の形が決まると、両陛下は大きな拍手を送られて、雅子さまはじっと愛子さまを見つめ、目を潤ませていらっしゃった。

■学習院大学は、5月11日から遠隔授業

 愛子さまが進学された学習院大学の入学式は中止となった。5月11日からは、当面の間、オンラインによる遠隔形式の授業を行う予定で、学生はパソコン・インターネット環境の整備をする必要がある。また、学習院大学では、遠隔授業受講のための環境整備にあたり、全学生を対象に、1人あたり6万円を「学習院大学学生支援給付金」(返還の必要はない)として支給を決め、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、家計が急変した学生については、学費の延納制度も設けているという(学習院大学HPより)。

 立憲民主党の蓮舫参院幹事長が参院予算委員会で、新型コロナウイルスの影響で学費を払えなくなった大学生への支援を訴えた際に「学校をやめたら高卒になる。就職どうなるか、奨学金返せない、その不安の声にどうして応えられないんですか」と述べ、その後ツイッターで「バイトがなくなり金銭的に退学しか選択肢がない場合の人生再設計の前の支援を求めました」と謝罪。議論を呼んだ。

 4月6日、天皇陛下の即位に際し、2つの団体にそれぞれ5000万円を寄付されると宮内庁が発表した。寄付先は両陛下のご意向を踏まえて決められたという。

・子供の未来応援基金へ
 未来を担う子供たちの貧困問題に関する事業の資として。

・特定非営利活動法人 全国災害ボランティア支援団体ネットワークへ
 災害時のボランティア活動による被災者支援に関する事業の資として。
(4月28日、宮内庁ホームページ)

■貧困や子供の虐待に「心が痛みます」

 平成流を受け継ぎながら、令和の時代に光が当たるよう、両陛下の思いを込められたのではないだろうか。陛下の誕生日会見や雅子さまの誕生日に際してのご感想で、近年も関連した事柄について述べられてきた。

「被災された方々が一日も早く安心して暮らせる日が来ますよう、復興が順調に進みますことを心から願っております。そして、東日本大震災を含め、各地の被災地域の復興に、殿下とご一緒に永く心を寄せていきたいと思います」(2018年、雅子さまお誕生日に際してのご感想)

「プラスチックゴミなど多くの環境問題や、日本国内の貧困や子供の虐待などの問題、また、世界で紛争や内戦が続いていることなどにも心が痛みます」(2019年、雅子さまお誕生日に際してのご感想)

 ハーバード大を卒業後、東大を経て外務省に入省、1993年に皇室へ入られた雅子さま。公務の場などでは、元外交官のキャリアが生かされるだけでなく、例えば母としての一面が垣間見えたり、長期療養を続けられているからこそ、困難にある人たちに寄り添うような思いを伝えられる場面もあるだろう。2002年の記者会見を最後に、雅子さまが国民へ直接語りかけられる機会はまだない。雅子さまの肉声を心待ちにしている人は多いのではないだろうか。

〈 雅子さまはチャーミングに英語で「可愛くてふわふわ」 外国訪問できない歳月を乗り越えられるまで  から続く〉

(佐藤 あさ子)

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