雅子さまはチャーミングに英語で「可愛くてふわふわ」 外国訪問できない歳月を乗り越えられるまで

雅子さまはチャーミングに英語で「可愛くてふわふわ」 外国訪問できない歳月を乗り越えられるまで

2020年、天皇陛下お誕生日に際してのご近影 宮内庁提供

「令和」がスタートして1年。退位による代替わりを経て即位された天皇陛下は、雅子さまとともに全国各地を訪れられ、平成流を継承するとともに、新たな路線を見出されつつあるように思う。特に注目を集めてきたのが、両陛下の「国際的な取組」だった。

■イギリスご訪問が実現していれば

 エリザベス女王からの招待を受けて、5月初めから1週間程度の日程を軸に調整されていたというイギリスへの公式訪問は、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえ、当面の延期が決まっている。もし、即位1年の節目の頃に両陛下揃ってのイギリスご訪問が実現していれば、英国王室との交流を深められる場面などが現地メディアや日本でも連日報じられ、両陛下のオックスフォード留学のご経歴や、トランプ大統領夫妻が来日した時のように、雅子さまが流暢な英語を話されることが再び脚光を浴びたのではないだろうか。

 雅子さまが長期療養に入られる前は、お考えを率直に述べられる肉声を聞くことができる機会もあった。外国訪問を前にした記者会見はその一つだったと言える。

■初めての外国訪問から「通訳なし」

 ご結婚の翌年、1994年11月に天皇陛下と中東4カ国を訪問された雅子さまは、本や専門家の話から事前準備をなさっていることを明かされ、「洋服のことなどは少し気を使う面もございまして、気をつけて準備しているつもりでございます。イスラム圏の女性は大勢の方を存じているわけではないのですけれども、最近、社会的に活躍していらっしゃる方もございますし、国、その戒律によってお過ごしようが違うのではないかと思います」と話されている(産経新聞、1994年11月1日)。

 雅子さまは肌の露出に配慮され、現地では赤や鮮やかなピンク、イエローなどビビッドカラーを取り入れたロングスカートやスラックスをお召しになっていた。サウジアラビアで「赤い砂漠」を散策されるお2人の姿を思い出す人も多いのではないだろうか。

 ご結婚後初めての外国訪問となった当時から、雅子さまの語学力については「元外交官のキャリアを発揮、通訳を付けないで話される場面が目立った。外務省は『公式の場に姿を見せない女性との交流が出来た』と、高く評価している」(読売新聞、1994年11月14日)と「通訳なし」が強調されている。

■「外国訪問をすることがなかなか難しいという状況」

 愛子さまご誕生翌年の2002年12月、ニュージーランド・オーストラリアご訪問を前にした記者会見で、雅子さまが長年の心情を吐露されたお言葉が強く印象に残っている。

「それ以前の6年間、正直を申しまして私にとりまして、結婚以前の生活では私の育ってくる過程、そしてまた結婚前の生活の上でも、外国に参りますことが、頻繁にございまして、そういったことが私の生活の一部となっておりましたことから、6年間の間、外国訪問をすることがなかなか難しいという状況は、正直申しまして私自身その状況に適応することになかなか大きな努力が要ったということがございます」

■英語で「可愛くてふわふわしています」

 ニュージーランドで小児病院を視察された際、雅子さまは、結核で長期入院する女の子の頬に自然な振る舞いでキスして励まされ、オーストラリアの動物園ではウォンバットを抱かれると、現地の報道陣からの問いかけに「Oh, they're lovely. So fluffy.(可愛くてふわふわしています)」とチャーミングなご様子で答えられる一幕もあった。

 2004年5月、天皇陛下が欧州3カ国(デンマーク・ポルトガル・スペイン)ご訪問を前にした記者会見で、「それまでの雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です」と発言されたことで波紋が広がった。デンマーク、スペインでは皇太子の結婚式へ出席し、お2人からお祝いを伝えようとされていた。

「今回は、体調が十分ではなく、皇太子妃としてご結婚式に出席できる貴重な機会を失ってしまうことを、本人も大変残念がっております。私も本当に残念で、出発に当たって、後ろ髪を引かれる思いです」

■オランダご訪問が大きな自信に

 雅子さまのご体調は「依然として快復の途上」にあるというが、折々のターニングポイントは、やはり外国訪問だったように思う。

 2013年4月、両陛下はオランダのアレクサンダー国王の即位式へ出席された。ご体調に不安を抱えられていた雅子さまの出席を後押ししたのは、民間出身で元銀行員のマキシマ王妃からの直接の電話だったと言われる。このオランダご訪問と即位式への出席が、雅子さまにとって大きな自信につながったと解釈している関係者は多い。

 さらに2015年7月、トンガ王国の国王トゥポウ6世の戴冠式へのご出席は、雅子さまにとってオランダ以来約2年ぶりの外国訪問となった。この時は、ベージュのローブモンタントを選ばれた。レースの美しさが際立つデザインで、柔らかな色使いから一見控えめな印象を受けるが、華やかな雰囲気は祝宴「饗宴の儀」のローブデコルテに通じるものがあったように思う。

■雅子さま「みよちゃん、行きますよ」

 国内での公務でも、近頃はより自然体で臨まれているように拝察している。断片的ではあるが、雅子さまのお声が報道されることも次第に増えてきた。例えば2019年9月、全国豊かな海づくり大会に出席されるため、秋田県を訪問された天皇皇后両陛下が、秋田県動物愛護センターを視察された時のことだ。

 雅子さまは、小型犬シーズーに「みよちゃん、行きますよ」と呼びかけながら歩かれた。その表情は笑顔で、かつて記者会見でお話しになっていたイメージより高く、柔らかな印象のお声だった。その後、子供たちと一緒に会話をされる中で、雅子さまは「犬飼っているの。大変だったね」と声をかけられていた。陛下がご一家で飼育されている保護犬の由莉の写真を取り出されて、「飼っているんですよ、僕も」とお話しされる場面もあった。

■「私は5歳」に愛子さまは「またまた〜」

 夏のご静養に際しても、雅子さまは駅頭で出会った人々とユーモアあふれる会話をなさっているようだ。2019年8月、ご一家揃ってJR那須塩原駅に到着されると、雅子さまが小さな子供に「おいくつ?」と尋ねられ、「4歳」と答えると、「私も年齢を聞かれると1桁しか言わないの。だから私は5歳です」と冗談をおっしゃると、周囲は大きな笑いに包まれたという。愛子さまが「何の話?」と会話に入っていかれて、雅子さまのお言葉に「またまた〜」と突っ込まれたそうだ。

 今から26年前のご結婚1周年にあたり、両陛下は「多忙な中にも充実した一年であったように思います。結婚により、お互いに学び合い、助け合う過程を通じて得られた喜びは、実に大きいものでした。今後も初心を忘れずに共に力を合わせて務めを果たしてまいりたいと存じます」と文書で感想を述べられていた(朝日新聞、1994年6月9日)。

 新型コロナウイルスが猛威をふるうなか、天皇陛下は尾身茂新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長によるご進講の冒頭で、「この度の感染症の拡大は、人類にとって大きな試練であり、我が国でも数多くの命が危険にさらされたり、多くの人々が様々な困難に直面したりしていることを深く案じています。今後、私たち皆がなお一層心を一つにして力を合わせながら、この感染症を抑え込み、現在の難しい状況を乗り越えていくことを心から願っています」と述べられたという(4月10日、新型コロナウイルスに関する天皇陛下のご発言要旨)。

 即位から1年を迎えられた今、天皇陛下、そして雅子さまはどのような思いを抱かれているだろうか。

「生まれてきてくれて…」「お産がとても楽しかった」 “母の涙”を流された雅子さまの肉声 へ続く

(佐藤 あさ子)

関連記事(外部サイト)