金庫の中を見て「こんなにあるんだ!」 捜査員も驚いた「鬼滅の刃」制作会社脱税のウラ側

金庫の中を見て「こんなにあるんだ!」 捜査員も驚いた「鬼滅の刃」制作会社脱税のウラ側

「ユーフォーテーブル」近藤社長(徳島県HPより)

 発行部数6000万部を突破した大人気漫画「鬼滅の刃」。そのアニメ化を手掛けたアニメ制作会社「ユーフォーテーブル」(東京都杉並区)は6月3日、同社と近藤光社長(50)が法人税法違反などの疑いで東京国税局から東京地検に告発されたことを明らかにした。

 社会部記者が解説する。

「手がけたアニメを題材としたグッズを販売するカフェなどを各地で展開していたが、社長が一部店舗の売り上げを現金のまま自宅で保管。帳簿を改ざんして売り上げの3〜5割を除外する手法で、15、17、18年の3年間に計約4億4600万円分の所得を隠し、法人税約1億1000万円を脱税したようです。さらに申告しなかった売り上げ分の消費税約2900万円を脱税した疑いもある」

 背景には、売れっ子プロデューサーとして知られる近藤社長のワンマン経営があった。売り上げは近藤社長自身が各店舗から回収し、経理は社長の妻が担当。同社関係者が明かす。

「昨年3月に国税局のガサ入れ(家宅捜索)がありましたが、それまでのカフェとグッズの売り上げは25億円以上とみられます。ガサ入れ当日、捜査員はカフェの金庫の中身を見て『こんなにあるんだ!』と驚いていました。社長の奥さんは税理士や会計士の資格を持っておらず、杜撰な税金対策をしていたようです」

 会社側はガサ入れされたことが公にならないように極力、注意を払っていた。

「ガサが入った時は鬼滅のテレビアニメ放映の直前。ここで版元の集英社やテレビ局から見離されたら、制作費として5億円以上は入るアニメの企画がつぶれ、自分たちも倒れると近藤社長が焦り、スタッフに緘口令を敷くなど躍起になっていた」(同前)

■なぜ今になって告発を発表したのか?

 だがガサ入れの2週間後、「週刊文春デジタル」がその事実を スクープ として報じ、社内は大騒ぎに。

「カフェなどにカメラを付けるなど、社員を監視するようになりました。今回、自ら告発を発表したのは間違いなく、アニメ放映が一段落し、今年5月に原作漫画の連載が終わるタイミングを待ってのことだと思います」(同前)

 同社は今回、ホームページで「国税当局の指導に従って(略)修正申告を行い、全額納税」したと発表。しかし今後、東京地検の捜査が進めば、同社と近藤社長の両者が起訴され、刑事被告人として裁かれる可能性が残っている。

「昨年3月のガサ入れでは、近藤社長の自宅の金庫などから約3億円の現金が見つかっており、所得隠しの態様が悪質と捉えられる余地もあります」(前出・記者)

“鬼滅ファン”の思いを裏切れば、主人公・炭治郎に成敗されても仕方なかろう。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年6月18日号)

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