【かわいい写真多数】やさしい豆柴の姉とやんちゃな捨て猫の弟、いやしの9年

【かわいい写真多数】やさしい豆柴の姉とやんちゃな捨て猫の弟、いやしの9年

2019年春。センパイ14歳、コウハイ8歳。コウハイは3歩下がってセンパイおばあちゃんの影を踏まず。ほどよい距離からそっと見守っています(最近は)©?石黒由紀子

 豆柴のセンパイが5歳のときに、捨て猫だったコウハイ(推定3カ月)がやって来た! センパイが母となってコウハイを育て、はや9年。やんちゃな仔猫もすっかり落ちついて、いまではおばあちゃんになったセンパイを心配そうに見守って……。そんな2匹の9年間を2匹の飼い主のエッセイスト・石黒由紀子さんがお届けします。

■センパイ、そしてコウハイがやって来た!

 2006年、戌年のお正月に豆柴を迎えました。生後4カ月、名前は「センパイ」。内気でぼんやりのマイペース、食い意地だけは犬一倍のメス。

 4年後、ご隠居さんのように落ちつきはじめたセンパイを刺激したくて、動物愛護団体を主宰している友人に相談。すると「猫を飼えば? この子はどう?」目の前に差し出されたのは、捨てられ瀕死だったところを保護された仔猫。

「この子は小さくて弱いから、育たないかもしれない」友人はそう思い、「もし死んでしまっても、あの家なら、あやまれば許してくれるだろう」と考えての勧めだったとか。

 仔猫は我が家に来た日から、か弱い外見とは裏腹に、犬を見ても人を見てもひるむことなく、強気。家じゅうを果敢に探検し、センパイの背中をベッドと決め、よいしょと登って眠ってしまいました。

 仔猫の名前は候補を挙げていろいろ考えてみたものの「センパイ」といえば「コウハイ」が自然だと、「センパイ&コウハイコンビ」誕生です。

■2匹との賑やかな毎日

 犬と猫、個体差や相性もありますが、時間をかけて向き合えば、よい距離感を見つけて案外うまくやれるのではないでしょうか。「この子、いつ帰るの?」とさめていたセンパイも、次第に仔猫のペースに巻き込まれて母性を発揮、飛びつかれても咬まれても耐え、育猫に大奮闘しました。

 コウハイは、家の中を瞬間移動しているかのような活きのよさ。壁を走りテレビを飛び越える。暴れ、遊び疲れるとセンパイにくっついて眠り、ごはんはセンパイを見習って犬のような勢いで。気がつけば、長毛でふわふわの大きな猫になりました。

 2歳のときは、梅干しの種を飲み込み開腹手術。センパイがお見舞いに行くと、力を振りしぼって立ち上がるけなげさ。舎弟体質はこの頃から。

 コウハイは5歳を過ぎてやっと落ちつき、完全に母子のような関係だったのが、年子の姉弟のような対等な感じに。センパイもコウハイを頼りにするようになりました。

■センパイおばあちゃんと頼もしいコウハイ

 センパイはもうすぐ14歳。歩みもゆっくりで、昏々と眠り、家人の帰宅にも気づかなかったり、ベッドに登るのもちょっと立ち止まって「どっこいしょ」。今、その姿をそっと見守っているのがコウハイです。けっしておせっかいを焼いたりはせず、そっと寄り添って。猫村さんよろしく、とても優秀なヘルパー。センパイの育て方がよかったのでしょうか。

 おばあちゃんになってきたセンパイは、滋味深いしぐさで、日々かわいさが増すばかり。犬と猫の暮らし、その醍醐味はこれからだと思います。

 看病や介護もあるかもしれないけれど、2匹とともに、一日でも長く暮らしていきたい。「楽しかったね、ありがとう」と見送るその日まで。

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(石黒 由紀子/週刊文春WOMAN 2019 夏号)

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