警察官に唾吐き公務執行妨害で逮捕 読売新聞がソウル支局記者を懲戒処分

警察官に唾吐き公務執行妨害で逮捕 読売新聞がソウル支局記者を懲戒処分

読売記者 韓で逮捕され懲戒

警察官に唾吐き公務執行妨害で逮捕 読売新聞がソウル支局記者を懲戒処分

読売新聞本社 ©文藝春秋

 読売新聞ソウル支局の記者(34)が7月中旬、公務執行妨害の容疑で韓国当局に逮捕されていたことが、「週刊文春」の取材でわかった。

 逮捕されたのは、ソウル支局のA記者。7月14日未明、ソウル市内の自宅マンション前で泥酔したA記者は、駆け付けた警察官の顔面に唾を吐いたという。公務執行妨害の容疑で現行犯逮捕され、数時間後に身柄は釈放された。

 読売関係者が明かす。

「A記者は逮捕されたことを支局に報告していませんでした。逮捕後も署名記事を書くなど、何食わぬ顔で仕事を続けていたのです」

 ところが、9月7日を最後に署名記事の出稿はストップ。その3日後の9月10日、A記者はソウル中央地方裁判所に公務執行妨害罪で在宅起訴された。

「この段階でようやくA記者は会社に事案を報告。それを受け、出勤停止処分が下されました」

 A記者は2008年に入社後、地方支局を経て、2013年に政治部に異動。二階俊博総務会長(当時)の番記者や、防衛省の担当記者などを務めた。

「もともと国際部志望だったA記者は2017年9月、念願叶ってソウル支局に赴任します。日韓関係の悪化や北朝鮮情勢の緊迫化もあって、連日のように署名記事を出稿していた。将来的には、ワシントン支局やニューヨーク支局への異動も期待されるなど、“国際部のエース記者”と言っていい存在でした。今回の不始末で、エリートコースからは外れてしまうことになるでしょう」(別の読売関係者)

 ただ、事態を把握してからおよそ1カ月、読売新聞はA記者の逮捕及び在宅起訴を発表していこなかった。

「読売新聞は社員の不祥事に厳しい。自社の記者が逮捕・起訴された事案はこれまで率先して報道してきました。ところが、今回は一切報道がなかった。社内では『日韓関係の悪化を危惧しているのか』などと取り沙汰されるほどでした」(同前)

■「週刊文春」への回答翌朝に掲載されたお詫び記事

「週刊文春」は10月12日(月)午前10時、読売新聞にA記者の逮捕及び在宅起訴に関して事実確認を求める質問状を送付。読売新聞グループ本社広報部からは同日夜の午後11時41分、以下のような書面回答があった。

「お尋ねのソウル支局記者については、今年7月14日未明、酒に酔って帰宅したソウル市内の自宅マンション前で騒ぎ、駆けつけた警察官に唾を吐くなどしたため、現行犯逮捕され、数時間後に釈放されました。9月10日付でソウル中央地裁に在宅起訴され、読売新聞東京本社は同25日付で出勤停止15日の懲戒処分にしました。

 なお、逮捕容疑、起訴罪名は公務執行妨害だけであり、記者本人の精神的な状況や懲戒処分期間が終了していなかったことを踏まえ、これまで報道を控えていたものであって、日韓関係を考慮したわけではありません。本紙記者が在宅起訴されたことを重く受け止め、ご迷惑をおかけした方々に深くおわびします」

 この回答が「週刊文春」編集部に届いた翌朝、読売新聞10月13日付朝刊社会面で、A記者の懲戒処分を発表。「記者本人の精神的な状況や懲戒処分期間が終了していなかったことを踏まえ、これまで報道を控えていました」と、逮捕の事実などを発表してこなかったことを釈明する記事を掲載した。

 10月15日(木)発売の「週刊文春」では、A記者の人柄や担当記事、事件の経緯などについて報じている。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年10月22日号)

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