20歳年上の“美魔女”61歳と“心中”した元ヤクザ…なぜ二人は死ななければならなかったのか

20歳年上の“美魔女”61歳と“心中”した元ヤクザ…なぜ二人は死ななければならなかったのか

踏切内の車内で元組員"心中"

20歳年上の“美魔女”61歳と“心中”した元ヤクザ…なぜ二人は死ななければならなかったのか

拳銃心中した梅田

 九十九里浜に面する千葉県長生村。午前4時前、暗闇を裂くような「パーン」という音を聞いた住民が外に出ると、JR外房線の踏切内に停まったままの白いトヨタ・アクアを見つけた。

「おい、大丈夫?」

 呼びかけても車内の男から応答はない。400キロ以上も旅をしてきたその男は、約7キロ離れた茂原市内の農道で内縁の妻を射殺した後、自らの頭を撃ち抜いていたのだ――。

◆◆◆

 事件翌日の9月23日、茂原署は二人の身元を愛知県愛西市の梅田慎二(41)と、同県蟹江町の金正枝さん(61)と発表。

「正枝さんの死因は頭と首を撃たれたことによる外傷性ショック。梅田の車の中からは回転式拳銃が見つかった」(全国紙記者)

 梅田は幼い頃に一家で宮崎から愛知に移り住んだ。母親思いの子供だったが、中学卒業後にはバイクや車で暴走するなど地元では“ワル”として有名に。

「一時は組に所属していた元ヤクザで、全身イレズミだらけです」(捜査関係者)

 約20年前、元妻との間に息子をもうけたが離婚。建設会社を興し、5人以上の従業員を抱えるようになったが、身辺ではトラブルが絶えなかった。

■“年上好き”の慎二と正枝さんとの出会い

「とにかく“瞬間湯沸かし器”のようにキレやすく、プライベートでも仕事でもすぐ手が出て、暴れると誰も止められない。傷害罪などで何度も逮捕され、金沢や府中の刑務所で服役した経験があります」(知人)

 正枝さんとの出会いは12年以上も前。彼女がママを務めるスナックだった。

「慎二は仕事が終わると仲間とよく正枝さんの店に行って飲んでいました。年上好きでマザコン気質の慎二はすぐに、気立てがよく、カラコンを入れた“美魔女”ホステスの正枝さんを気にいった」(同前)

■機嫌が悪くなると「ババア」

 2人は10年ほど前から交際をスタート。正枝さんは梅田の世話を甲斐甲斐しく焼き、お互いを「正枝さん」「慎ちゃん」と呼び合う。だが、機嫌が悪くなると「ババア」に変わった。

 時に暴力の矛先は正枝さんに向いた。耐えかねた正枝さんが警察に被害届を出し、示談に及ぶことも。正枝さんの親族は交際に猛反対したが、ついたり離れたりの関係が続いていた。

 そして最近、梅田の身に“不幸”が続く。今年1月、会社の寮として外国人従業員を住まわせていた元の自宅が火事で焼失。加えて最愛の母親を病気で亡くし、ひどく落ち込んだ。

「前々から『おかんがいなくなったら俺はあかん』とこぼしていた」(別の知人)

■追い詰められて「何もかもうまくいかない」

 さらに6月25日には、覚醒剤を使用した容疑で逮捕されている。

「搬送された病院で暴れたため『様子がおかしい』と病院が警察に通報。尿検査で陽性反応が出た。実刑判決が確定し、9月の連休明けに収監される予定でした」(前出・記者)

 追い詰められた梅田は「何もかもうまくいかない」と周囲に漏らし、正枝さんに「一緒に死のう」と持ちかけた。20歳の息子にも「一緒についてこい」と誘ったが断られたという。

■なぜ千葉だったのか?

 だが何故、千葉にまで出向いたのか。

「慎二はUSJなどのテーマパークが大好きだったので、ディズニーランドに寄ったんじゃないか。正枝さんにその意志があったのかはわかりませんが、慎二は死に場所を求めて彷徨ったのだろう」(前出・別の知人)

 シルバーウィークの二人旅は、最悪の終着点に辿り着いた――。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年10月8日号)

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