白石麻衣や新垣結衣の“フェイクポルノ”配信……“職人”たちの素性とウソの経歴

白石麻衣や新垣結衣の“フェイクポルノ”配信……“職人”たちの素性とウソの経歴

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 10月2日、アダルトビデオ(AV)の出演者の顔を女性芸能人のものにすり替えた「フェイクポルノ」をネット上に公開した事件で警察が初めて摘発した。

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 名誉毀損と著作権法違反の疑いで逮捕されたのは大学生の林田拓海容疑者(21)とシステムエンジニアの大槻隆信容疑者(47)、無職の野間口功也容疑者(30)。

「いずれも容疑を認めています。林田容疑者は新垣結衣や白石麻衣などのフェイクポルノ動画を配信し、8カ月弱で80万円を売り上げていた」(社会部記者)

 動画作成に用いられたのが、「ディープフェイク」という技術だ。特定の人物の顔や音声データを集め、AI(人工知能)のディープラーニング(深層学習)機能を活用し、本物にみえる合成動画が作成できる。今年9月、米大統領選でバイデン候補が警察をけなしているように見える偽動画が拡散されるなど、社会問題化している。

「大槻らは芸能人1人につき約3万枚の画像をAIに覚えさせた上でAVに合成し1000本以上の動画を作成。“ディープフェイク職人”と呼ばれている」(同前)

 逮捕された中で、大槻が「ボス的な存在」だった。交流のあった人物が明かす。

■「広告収入がニコニコするほど入ってくる」

「3人はツイッターでやりとりして、派手に活動していた。大槻は昔からアダルト系ブログを運営していて、去年フェイクポルノの制作を始めたのです。新しい有望な制作者を見つけると声をかけて、ネットワークを広げていった。野間口は本物のように自然に見せる技術力が日本人トップで『広告収入がニコニコするほど入ってくる』と喜んでいた。そんな2人に林田は技術的な相談をしていたんです」

 大槻は、昨年4月からエンジニア派遣会社の契約社員として三菱電機三田製作所で勤務。カーナビのソフトウェア開発をしていた。

 同僚には自身の経歴をこう語っていた。

「姫路工業大学(現・兵庫県立大学)を卒業して、NTTデータで管理職になった。でも管理より技術的なことをしたいから退職した。バツイチで、再婚した今の妻は大手IT会社の役職者」

 勤務先近くの三田市内で単身赴任し、妻は神戸市内に住み、週末はどちらかの家で一緒に過ごしていると話していたという。

「以前は熱帯魚の飼育販売をしており『部屋中が水槽ばかりで大変だった』と聞きました。株投資もしていて、マクドナルドの株主優待を自慢げにしていた。税理士を雇っているとも話していたんです」(同僚)

 一方で同僚が知らない一面も。別の知人が明かす。

「中学生ぐらいのジュニアアイドル好きで、趣味で作った動画は未成年が多い」

■NTTデータに聞いてみると意外な答えが…

 ほかの偽動画制作者が「あまり目立つと心配」と警告すると、大槻は、

「アカウントが凍結されるだけ。逮捕なんかない」

 と自信満々に答えていた。

 だが、大槻が管理職まで務めたと語ったNTTデータは、「大槻隆信という氏名の方が、弊社に在籍していた記録はございません」。

 神戸市内にある実家の近隣住民はこう話す。

「5年程前に父親が亡くなってから、息子の隆信さんがたびたび帰ってきて母親の面倒をみていた。窓を開けて、よくパソコンをカタカタしていたよ。でも、奥さんの姿を見たことも結婚の話を聞いたこともないね」

 また「妻のIT会社」は神戸に拠点がなかった。

 フェイクポルノ職人は履歴書もウソだった。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年10月15日号)

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