東方神起・ユンホの愛読書『1cmダイビング』 なぜ、コロナ禍に苦しむ韓国の人々に“刺さった”のか

東方神起・ユンホの愛読書『1cmダイビング』 なぜ、コロナ禍に苦しむ韓国の人々に“刺さった”のか

GQ KOREA youtubeチャンネルより

 東方神起のリーダー・ユンホの愛読書『 1cmダイビング 自分だけの小さな幸せの見つけ方 』の日本語訳版が発売された。「悲観せず、何も無いなら無いなりに、ささやかな幸せを探す」という内容のエッセイで、「スマホより夢中になれるものはあるか」「履歴書に書けない自分の長所」などの23の質問を読者に問いかける。コロナ禍の韓国では、“自分だけの幸せを見つけられる”と、SNSを中心に大きな話題となり、現在累計17万部のヒットとなった。その一部を抜粋して紹介する。

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■スマホ以上におもしろいものがほかにあるのか

「ムンジョンさん、僕らまずここから考えてみません?」

「なんです?」

「スマホ以上におもしろいものがほかにあるのか」

「……あのう、私、毎日8時間くらいスマホいじってるんですけど……」

「……」

■1号(テス)の日誌 「スマホ以上に厄介な存在」

 スマホでできないことなどない世の中だ。テレビだって見られれば音楽も聴けるし、本だって読める。おまけに友だちまで作れるときた。そんなわけで僕らは1日平均2時間強の時間を、この四角いプラスティックにくぎづけになっている。これが悪いとは言わないまでも、体によくないものの方がより楽しく感じられるというのは否定できない事実である。もはやスマホはビョーキだ。それもやたらに口当たりのよいビョーキ。

 ところで少し前から、僕にとってスマホよりもっと厄介なやつが現れた。約9千年の昔から人類のために君臨してきたという生命体。猫である。こいつは性格からして有害である。呼んだところでガン無視されるだけだし、触ろうとするとやわらかな体をひねらせ、するりとかわす。かと思えば、こちらがテレビに集中していたりするといつの間にかそばにやってきて、ゴロゴロソングを歌い出す。ヒヤヒヤさせるぜ。けれどこの生命体が僕にとってヤバい本当の理由はほかにあった。

 僕はひどい猫アレルギーなのだった。正しくは猫の唾液アレルギー。重症だ。どんな猫とだって1時間もいれば、僕のまぶたは水餃子みたいに腫れ上がる。6歳の時にお別れしたひどい鼻炎と再会したのも、まあ、当然っちゃあ当然だろう。初めて猫を触った日、僕の全身は真っ赤に腫れ上がり救急治療室に運ばれる一歩手前までいった。だからスマホごときは致命的な存在とは言えない。到底比較にならないのだ。制限時間以内で最大限、猫ちゃんをなでまくり、魅力的なヒップをポンポンしなければならない。1分1秒がゴールデンタイムだからスマホにかまけている余裕なんかないのだ。

 スマホの中にはすべてがある。本も音楽も映画もある。だけど猫はいない。こんな冗談みたいなこの状況、僕は気に入っている。スマホを上回るレベルで致命的で厄介なものができたからってわけじゃない。ただ、「何が好き?」という質問が一番嫌いだった僕に、30分以上かけて説明できる好きなものが生じたからだ。「スマホ以上におもしろいものってある?」。これほどに難しいテーマはないということを知っている。しかし、それでも答えたかった理由は、スマホを開けば目に飛び込んでくるSNSの「www(大草原)」ではなくて、実際に声を出して笑いたいと望んでいたからではないだろうか。

 最近はスマホがなくても考えることがある。気になる人と出会えたら、まず話してみるというテーマもできた。ささやかだけど、しっかりしたものが生まれた気分。

 うん、悪くないだろう。

■2号(ムンジョン)の日誌 「そんなものがあれば苦労しない」

 iPhone にスクリーンタイムという機能がある。1 日の間にどれだけスマホを使ったかという機能なのだが、この機能について、「自分のスクリーンタイムをチェックしたら“4時間” と表示されて反省しきりである」といった誰かのツイートを見かけたので、試しに私も自分のスクリーンタイムを確認してみた。6時間。まだ夕方にもなっていない明るい時間だった。乾いた笑いしか出なかった。

 ある日は8時間、またある日は10時間もスマホをいじっている私であった。

 ?1号が言うように猫は本当にかわいいと思うし、野良猫なんかに出会った日にはスマホはただ、彼らのかわいい姿を撮影する道具になる。しかしだ。スマホ以上に楽しいこと? 

「私……そういうものありませんよ」。目の前で熱弁をふるっていた1号が意気消沈していくのを感じた。当然だろう、私にそんなものがあれば日がな1日スマホに支配されることなんてあるわけないじゃないか、と言ってやりたい気持ちは山々だったけど、のっけから水を差すわけにはいかなかった。

「私がスマホから手を離す瞬間っていつかなあ?」

 ビールを飲むとき。違うな。それだけじゃあ弱い。私は片手にビールを持ったなら、もう片方の手では必ずスマホをいじるほどの中毒者だ。

 ならばビールを飲みながら映画を観るときはどうか。私の大好きなことを2つ選ぶなら映画とビールだからだ。たしかによく考えてみると、その2つを同時に行っている間だけはスマホを見ていなかった。映画を観ながら飲むために買ってきた缶ビールを冷蔵庫にしまうときほど、充実した瞬間ったらない。

 スマホより楽しいこと。のどかな平日の午後、カフェで1号と向かい合って、こんなことを探り合っている状況は、妙に居心地が悪い。だけど私は日誌には、こう書き留めることにした。

「後で家に帰ったら缶ビールを1本飲みたい。ずっと先延ばしにしてきた『レミーのおいしいレストラン』を観ながら」

■あなたにもありますか?

 Q. スマホ以上におもしろいことがありますか?

 あなたに訪れた最初の質問です。書かなくてもOK です。

 気楽に考えてください。そして実践してみてください!

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(テス,ムンジョン)

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