「これは内戦だ」絶叫するトランプ支持者が……議事堂襲撃の現場にいた日本人ジャーナリストのレポート

トランプ大統領の支持者が米連邦議会議事堂を襲撃 日本人ジャーナリストがレポート

記事まとめ

  • 暴徒と化したトランプ支持者たちが、首都ワシントンDCの米連邦議会議事堂を襲った
  • 議事堂襲撃の現場にいた日本人ジャーナリストが、当時の様子をレポートしている
  • 建物から出てきた女性は「女性が撃たれて死んだ」と話し、男性は「内戦だ」と絶叫

「これは内戦だ」絶叫するトランプ支持者が……議事堂襲撃の現場にいた日本人ジャーナリストのレポート

「これは内戦だ」絶叫するトランプ支持者が……議事堂襲撃の現場にいた日本人ジャーナリストのレポート

トランプ大統領 ©JMPA

 1月6日午後1時半、暴徒と化したトランプ支持者たちが首都ワシントンDCの米連邦議会議事堂を襲い始めた。警備が手薄だった正門から、正面突破した。

 私が議事堂に到着したのは3時過ぎ。裏玄関には1000人近い支持者が集まり、そのうち100人ほどが、議事堂内に入ろうとしていた。

 集まった男性の1人は私にこう言った。

「ここはオレたちの税金で作った建物なんだから、入って何が悪いんだ」

 暴徒の一部は、破った窓ガラスから建物の中へ侵入。警察から大量の催涙ガスを浴びせられ、ペットボトルの水で目を洗い流す男たちを何人も見た。

 現場には狂気と殺気が濃霧のように立ち込めていた。国歌や「God Bless America」ががなり立てるような声で歌われ、「We Love Trump」や「U.S.A.」というシュプレヒコールが起こり、警官に対して「裏切者」という怒声が飛んだ。

 4時27分、建物から出てきた女性はこう叫びながら、遠ざかっていった。

「内部で女性が撃たれて死んだわ。ここから逃げないと危ないのよ」

 それを聞いた男性は「これは内戦だ」と絶叫した。

 数分後、警察は催涙弾に加え、閃光弾も使い始めた。耳を貫くような爆発音とともに大量の白煙が上がる。

 裏玄関でのもみ合いに終止符を打ったのは、警察が5時過ぎに放った大量の催涙ガスだった。入り口前に詰めかけた100人近い人々を狙って散布されると、私もガスを浴びて呼吸困難となり、視界が極端に狭まった。

■「暴徒が建物に入っていくのを見て、トランプは非常に喜んでいた」

 多くの人が、2人が通れるほどの狭い階段に殺到。私もどうにか降りたが、激しくせき込み、涙が止まらない状態が10分ほど続いた。

 この日、議会で大統領選のバイデン勝利を確定する会議が行われる予定だった。

 阻止したいトランプがデモを呼びかけ、支持者数万人が首都に集結。私も取材のため駆けつけた。集会でトランプはこう言った。

「今は議会が民主主義に対するこの破廉恥な攻撃に立ち向かう時。この演説が終わったら、議事堂まで行進していこう。オレもその行進に加わるから」

 トランプは行進に加わらなかったが、この言葉に教唆され、多くの支持者は議事堂に向かい、一部は暴徒と化し、その結果、5人の死者が出るという最悪の結果を引き起こしたのだ。

 共和党のベン・サッス上院議員は8日にラジオ出演し、トランプ側近から聞いた話としてこう語った。

「暴徒が建物に入っていくのを見て、トランプはその展開に非常に喜んでいた」

 任期が残りわずかのトランプに、共和党からも責任を問う声が高まっている。

(横田 増生/週刊文春 2021年1月21日号)

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