小池百合子都知事は「コロナと共にある」宣言? こんなにあった知事の“思いつき発言”

小池百合子都知事は「コロナと共にある」宣言? こんなにあった知事の“思いつき発言”

観光名所になってしまった「真っ赤な都庁」 ©?AFLO

小池百合子都知事&吉村洋文府知事、頭が痛くなる16の東西“トンデモ発言”対決 から続く

 コロナ対策の陣頭に立つはずの東京都知事の小池百合子さん、大阪府知事の吉村洋文さんは、なぜおかしな発言ばかりが目立つのでしょうか。引き続き、この1年間にクソ会見を乱発した知事の姿を振り返っていきたいと思います。(全2回の2回め/ 前編 を読む)

■(9)2020年5月29日 都知事・小池さん、「ウィズコロナ宣言」とか言い出す

東京都・小池知事が「ウィズ コロナ宣言」 映画館・スポーツジムなどの休止要請は6月1日から緩和へ(Yahooニュース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/bb6683194d136f8f62432b2c0b65a58a8df7d24d

 緊急事態宣言が終わろうかというタイミングで、今度は小池さん「ウィズコロナ宣言」とかいう新たな標語をぶっ放します。普通に直訳すれば「コロナと共にある」という意味であって、女帝なにいい始めてんだよ。

 コロナ根絶よりもコロナ共存という意味にも取れる不思議な宣言であるため、東京都民の頭の上に数々の「?」が乱舞したのは言うまでもありません。海外から東京に来ておられる方々からは「東京のガバナーはコロナ敗北宣言を出したそうだが本当か」と連絡が相次ぎました。

 思いつきで適当な標語をぶちかますのはやめましょう。

■(10)2020年6月2日 都知事・小池さん、東京に感染者が34人出たので「東京アラート」を発動する

「東京アラート」発動 都、新たに34人の感染確認(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59875410S0A600C2000000

 7月5日に東京都知事選の投開票日を控える小池百合子さん、東京でコロナ感染者が34人となったため「東京アラート」を発動。東京都庁がまるで炎上したかのような赤いライトアップで彩られてしまい、むしろ観光名所となって密を回避させるはずが観光名所として人がごった返すという不始末をやらかします。

 1月7日の東京都の感染者数は2,447人(発表ベース)になってしまいましたが、都知事選後にこの「東京アラート」は一度も発動していないんですよね。小池さん、このパフォーマンスに飽きちゃったんでしょうか。

 思いつきで東京都庁を赤く染めるのはやめましょう。

■(11)2020年8月4日 府知事・吉村さん、いきなり「イソジン吉村」になる

「うがい薬で唾液中のコロナウイルス減少」吉村知事会見(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASN8465THN84PTIL01M.html

 マスコミに対して突然「大阪府が、緊急で画期的な発表をする」というので、なんだなんだと思ってテレビをつけてみたら、これ。吉村洋文さん、コロナウイルス感染予防には「イソジンが効く」と言い始め、いままでのこの人は馬鹿なのではないかという疑惑が「イソジン吉村」とかいう新たな二つ名の登場によって確信に変わった瞬間であります。

 喉のうえをイソジン(ヨード液)が通った後でウイルス量を確認したら減少していたので、コロナウイルスにはイソジンが効く、という吉村洋文さんの自信たっぷりの会見を見て、呆然とした医療関係者は少なくなかったでしょう。

 お陰で薬局にイソジンを買い求める国民が殺到、まさに官製あるある大辞典状態となり、イソジンバブルが到来したのであります。

 思いつきで二重盲検もせずイソジンがコロナの特効薬であるかのような会見をやるのはやめましょう。

■(12)2020年11月19日 都知事・小池さん、「3密」にかわる「5つの小」とか言い出す

小池都知事が会見。会食は少人数・小一時間・小声・小皿・小まめの「5つの小」で(トラベルWatch)
https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1290264.html

「3密を避けましょう」が標語として定着し味を占めた小池百合子さん、今度は会食において少人数・小一時間・小声・小皿・小まめの「5つの小」と言い出し、物議を醸しました。

 原理原則を繰り返し呼びかけようとする小池さんのパフォーマンスは正しいのかもしれませんが、いかんせん新しい標語を次々と繰り出すため、必死さの割にさっぱり定着せず、もうちょっとやりようはあるんじゃないかと思うんですよね。3密はともかく「5つの小」のように「うまいことを言おうとする」必要は無いんじゃないかと思うんですよ。

 結果として、このあたりから東京を中心とする感染者の拡大が止まらなくなっていきます。

■(13)2020年12月9日 府知事・吉村さん肝入りの大阪独自追跡システム、感染者の通知なし

「大阪コロナ追跡システム」利用進まず 半年間で感染通知なし(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201209/k10012754101000.html

 大阪府知事の吉村さんが鳴り物入りで導入し、わずか80万円で調達したというスマートシティ戦略部の「大阪コロナ追跡システム」ですが、残念なことに知名度の割に利用が進まず、稼働から半年間、感染者の通知がゼロであったという名誉ある報道がなされました。1月になっても通知は7件のみという低調ぶりで、さすが大阪という感があります。

 吉村洋文さんの「大阪らしい、独自の何かをしなければ」という気持ちも分からんでもないんですが、大阪府が単独でこの手のシステムを運用してもなかなか浸透しないことぐらい思い至らなかったのでしょうか。実際には、システム開発やアプリ制作が80万円という低予算で収まったとしても、使ってもらう広報だけでなく感染者の登録も含めた有効な運用にどれだけの労力がかかるのか、少し考えれば分かると思うのですが。

 思いつきでとりあえずシステムだけ安価調達して運用は考えないとかマジでやめましょう。

■(14)2020年12月9日 都知事・小池さん、「年末年始、コロナ特別警報」とか言い出す

東京都の小池知事「年末年始コロナ特別警報」発出…感染者は過去最多を大幅更新、医療ひっ迫で(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/74925

 小池さん、今度は「年末年始コロナ特別警報」を発令します。「東京アラート」どこにいったんだよ。

 日本全国での感染拡大の悪者にされる東京都、政府はGo Toトラブルなかなかやめないし、都庁では小池百合子さんが必死で騒いでるし、どうにもならんなというところです。

 一連の「必死に対策しています」アピールは大事なんでしょうが、いま振り返れば11月の連休で感染の疑いのある人たちがたくさん日本国中に旅行にいったのがヤバかったんでしょうねえ。

■(15)2020年12月30日 都知事・小池さん、「年末年始が分水嶺」とか言い出す

都知事「年末年始は分水嶺」 感染続けば緊急宣言要請も―新型コロナ
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020123000731

 東京都の感染爆発をどうしても防ぎたい小池さん、さらに危機感を煽る形で「年末年始が(感染抑制か爆発かの)分水嶺」と言い始めます。

 要は「出歩かず家にいろや」ということではあるのですが、いちいち新たな標語を作って注意喚起を促す小池百合子さんの目立つことへの執念を感じさせます。もちろん、東京の医療体制からすれば年末年始に人の移動が増えて感染が拡大したらもちませんので、こういう物言いになるのは仕方がないのですが。

 この前後、小池さんは東京都のおカネをいろんな事業者にばら撒くことでどうにかお願いベースの対策に実効性を持たせようと頑張るわけですけれども、電車も動いてるし飲食店もやってるしでどうしようもないんですよね。

■(16)2021年1月8日 府知事・吉村さん、緊急事態宣言しない方針から一転、3日で宣言へ

<独自>大阪府・吉村知事 緊急事態宣言の発令「要請せざるを得ない」 8日の対策会議で判断へ(産経新聞)
https://www.sankei.com/west/news/210107/wst2101070018-n1.html

 緊急事態宣言のような修羅場にあっては朝令暮改もやむなしとはいえ、つい3日ほど前に緊急事態宣言はしないよとコロナ鎮静化に自信を持っていた吉村さんが、急激な大阪の状況悪化に見舞われて一転緊急事態宣言お願いしますの立場に。

 事態を甘く見ていたのか分かりませんが、一連の大阪府のステキな対策が繰り返された結果、大阪府のコロナ関連死者数は東京都を抜いて全国1位に。実数なので、対策が進むごとに人口の多い東京がまた抜いていくとは思いますが、ここまでの大阪は惨憺たる結果です。

 思いつきで政策を振り回された結果だけでなく、大阪府の改革を巡っては医療機関や保健所などの統廃合が行われて結果的に脆弱な医療提供体制のままここまで来てしまった、と考えれば分かりやすいでしょうか。

■総論 大騒ぎしているうちに感染は拡大し、経済は止まり、そしてワクチン頼みに

 すべては結果論であり、いま振り返れば「8割おじさん」こと西浦博さんの言う通り、夏に手を緩めずしっかりと感染源を根絶していればこんにちのようなことにはならなかったのでしょう。

 また、都道府県知事は感染症対策において強い権限を有しているにもかかわらず、エビデンス(証拠)を積み上げて感染症対策をピンポイントに行いながら経済を回すというプロセスにまでもっていくことができず、パフォーマンス中心の対策に終始することになってしまったのは残念でなりません。

 標語を次々と打ち立てては潤沢だった東京都のおカネをばら撒いてなお東京を全国感染者拡大の本拠地にしてしまった小池百合子さん。イソジンはともかく、大阪発祥・大阪独自の対策にこだわりアンジェスワクチン、雨がっぱ、K値とろくでもない対策ばかりを打ち出し、在阪マスコミのヨイショに乗っかり、コロナそっちのけで大阪都構想の住民投票に挑んだ吉村洋文さん。そして、コロナにまつわる失言ばかりが話題になるその他府県の知事たちの動きを見ていると、コロナ感染拡大というマジもんの緊急事態でちゃんとした対策を打てる政治家の枯渇という現実を目の前にする思いです。

 結果として、菅義偉政権は東京オリンピックを強行するにあたり、ワクチン接種が進んでコロナ禍が収まる方向へ期待しながら2月下旬からの接種開始を待つ、という我が国特有の他力本願、神風志向に流れていくのでありましょうか。

 いまやラストマンスタンディングのような専門家分科会会長の尾身茂さんの神様のような立ち居振る舞いを観つつ、なるだけお家にいようと思う毎日です。

(山本 一郎)

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