「10年前から母の遺体を冷凍庫に…」逮捕された48歳娘がそれでも「アパートに住み続けたかった」本当の理由

「10年前から母の遺体を冷凍庫に…」逮捕された48歳娘がそれでも「アパートに住み続けたかった」本当の理由

吉野由美容疑者 TBS NEWSより

 東京都葛飾区の都営アパートの空き部屋で1月27日に高齢女性の遺体が見つかった事件。2日後の1月29日に死体遺棄の疑いで警視庁に逮捕されたのは、この部屋に最近まで住んでいた無職の吉野由美容疑者(48)だった。長年にわたって遺体を隠し続けた一方、その遺体を放置したまま転居した理由は何だったのだろうか??。

■冷凍庫の中に体育座りの遺体が

「押し入れの中から人の頭のようなものが見えた」

 葛飾区新宿の都営アパートから110番通報が入ったのは1月27日午後2時すぎ。清掃業者が、住民の転居で空室となった部屋の片付けをしていた時のことだった。駆けつけた警察官が6畳の和室の押し入れを覗くと、縦70p、横70p、奥行き50pの冷凍庫を見つけた。当時の状況を捜査関係者が語る。

「冷凍庫の形状は浴槽の縮小版のようなイメージで、そこに天板がついている感じだ。その冷凍庫の中に、体育座りのような体勢にさせられた遺体が入っていた。冷凍庫の電源は入ったままで、遺体は腐敗が進んでいたものの、下半身は凍った状態だった」

 目立った外傷はなく、見つかった遺体の司法解剖を行っても、亡くなった時期や原因は分からなかった。

■家賃滞納で1月中旬に引っ越したばかり

 その後の捜査で、この部屋の住人は家賃滞納を理由に立ち退きを求められ、1月中旬に自主的に引っ越したばかりだと判明した。吉野容疑者と、生きていれば71歳になっている母親の一枝さんが2人で暮らしていたとされ、警視庁は吉野容疑者が母親の遺体を放置したとみて彼女の行方を追った。室内には冷凍庫のほかにも家財道具が残っており、吉野容疑者は「処分していい」と清掃業者に伝えていた。 

 吉野容疑者は業者に「引っ越し先がないので茨城に行く」とも告げていたという。しかし、警視庁が彼女の足取りを追うと、実際には千葉市内の「アパホテル」に1人で宿泊していることが分かり、1月29日に身柄を確保された。逮捕された吉野容疑者は、遺体を遺棄した経緯について、次のように説明したという。

■「遺体は虫がわいてきたので冷凍庫に入れた」

「10年近く前、外出先から帰ってきたら同居する母が倒れていました。息をしていないので死んでいると思いました。遺体を隠した理由は、母が亡くなったことが分かると母名義で契約しているアパートから出て行かなくてはならないと思ったからです。遺体は数日経つと虫がわいてきたので、ネット通販で買った冷凍庫に入れ、押し入れの中に隠しました。私はこの場所に住み続けたかったのです」

■「母を施設に入れて1人で暮らしています」と言っていた

 同じアパートの住人など周囲の人間は誰も遺体の存在に気づいていなかった。吉野容疑者について、ある住人は、

「何年か前に『母を施設に入れて1人で暮らしています』と言っていた。母親は精神的に病んでいたのか、奇声を上げたり暴れたりすることもあったみたいだから」

 と振り返る。「介護の仕事をしている」と聞いていた住民もいたが、近所付き合いが薄かった吉野容疑者のことを詳しく知る人物は少ない。

■「かつてソープランドで働いていた」

 逮捕された時は無職だった吉野容疑者。ある捜査関係者は「かつてソープランドで働いていた」と明かす。

「その時の客で、継続的に体の関係を持っていた男性がいたのだが、その‘’セフレ‘’に2〜3年前、『母が死んで葬式をあげるカネがないから20〜30万円くらい貸して』と頼んでいた。それ以外の時にも男性に無心していて、借金はかなりの総額になっていたようだ」

 滞納した家賃も、立ち退きするよう通告された昨年10月までに合計で110万円に上っていた。千葉のホテルで身柄を確保された時も所持金は5000円だけだった。

 10年間にわたり母の遺体を隠し通してきた冷凍庫を置いたままアパートを引き払ったのは、生活困窮で自暴自棄になったのか、それとも、遺体の存在に気づかれず清掃業者が処分してくれるのを期待したのか。警視庁による動機の解明が待たれる。

(山本 和樹/Webオリジナル(特集班))

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