「なら、直接乗り込んでやるよ」”池袋暴走”被告突撃の「迷惑系ユーチューバー」がついに逮捕

神戸教員いじめ加害者宅に侵入した迷惑系YouTuberを逮捕 過去には小室圭さん宅にも

記事まとめ

  • 神戸市にある一戸建て住宅の敷地に勝手に入ったとして、36歳の迷惑系YouTuberを逮捕
  • 東須磨小学校で問題になった教員いじめ暴行事件の加害者の家に侵入したという
  • チャンネルには飯塚幸三被告の自宅や小室圭さん宅に突撃した動画があった

「なら、直接乗り込んでやるよ」”池袋暴走”被告突撃の「迷惑系ユーチューバー」がついに逮捕

「なら、直接乗り込んでやるよ」”池袋暴走”被告突撃の「迷惑系ユーチューバー」がついに逮捕

猪原容疑者 自身のユーチューブチャンネルより

 また1人、迷惑行為を繰り返していたユーチューバーが警察の逆鱗に触れ、あっけなく逮捕された。「警察には捕まりません」と豪語していたが、日本の警察はそう甘くはなかった。

■「犯罪者さらして稼ぐ」迷惑系ユーチューバー

 2月8日、兵庫県警須磨警察署に逮捕されたのは、大阪市西成区に住む無職・猪原直輝容疑者(36)。罪名は「邸宅侵入」。神戸市須磨区にある一戸建て住宅の敷地に勝手に入ったというもので、侵入はユーチューブにアップする動画を撮影するためだった。

 一躍人気職業になったユーチューバーだが、競争が激しく、中には他人の迷惑を顧みない乱暴な行為を見せつけて視聴を稼ごうとする「迷惑系」と呼ばれるチャンネルが多数存在する。猪原容疑者も「突撃体験ナオキアンビリーバボー」と名付けたチャンネルを持つ、迷惑系の一人だった(チャンネルは既に削除)。プロフィールにはこうある。

「過去に凶悪犯罪を犯したにもかかわらず賠償金を払わなかったり、未成年だからという事で刑を撒逃れた加害者に凸するチャンネルです」(原文ママ)

■今回の標的は教員同士のいじめ暴行事件の加害者

 逮捕につながった動画は昨年11月8日、兵庫県神戸市にある一戸建て住宅の敷地内に入ってビデオカメラで撮影したものだった。地元社会部記者が言う。

「その住宅は2019年に神戸市立東須磨小学校で問題になった教員同士のいじめ暴行事件の加害者の家でした。猪原容疑者が行ったときには別の場所に住んでいたので不在でしたが、後日にアップされた動画を見た誰かが兵庫県警に通報して捜査対象になったようです」

■敷地内に入って庭を歩きながら、男性の名前を叫んでいた

 東須磨小学校では2018年以降、主に4人の教諭が若い教諭らに激辛カレーを食べさせたり、暴言を日常的に浴びせたりするいじめを続けていた。時には無理やり男女の教諭に性的な行為をさせて、その動画を送らせたりするといった過激なものだった。2019年に一連のいじめが発覚すると、神戸市教育委員会や学校には非難の声が殺到。ネット上でも早々に4人が特定され、名前や顔写真とともに晒されて激しいバッシングを浴びる事態になった。

「猪原容疑者が突撃したのは、この4人の中で最もいじめ行為が多かったとされ懲戒免職処分を受けた元教諭です。暴行や強要罪で書類送検もされましたが、自宅住所がネットにさらされたため引っ越していたんです」(同前)

 留守を知らない猪原容疑者は、この家のインターホンを連打。応答がないとみると、敷地内に入って庭を歩きながら、男性の名前を叫んでいたという。

小室圭さん宅に突撃した動画も

 兵庫県警関係者によると、猪原容疑者はフリーターを自称しているが、実際にはアルバイトもせず無職に近かった。ユーチューバーとしては2016年、アイドルを応援するチャンネルで活動を開始。その後にゲーム実況チャンネルもつくっている。だが、どれも広告収入を得られるほどの成果にならず、19年に始めたのがこの突撃チャンネルだった。

「登録者(視聴者)を集める動画を模索し続けて、どんどん過激になっていったのでしょう。動画の中では正義感を振りかざしていますが、単に話題の人物に過激な迷惑行為をしてみせる内容が大半です」(同前)

 逮捕直後、猪原容疑者のチャンネルには20本余りの動画が残されたままだった。中には、東京・池袋でプリウスを暴走させ、母子2人をはねて死なせた旧通産省工業技術院の元院長、飯塚幸三被告の自宅や、秋篠宮眞子さまの婚約内定者である小室圭さん宅に突撃した動画がある。

「怒鳴ってこようと思います」

「コロナの時期に自分がしたことをなかったことにしようとしているんですかね」

■「あ? なに?」「知るかそんなもん」と一方的に激怒。

 飯塚被告宅を訪れた昨年8月の動画では、猪原容疑者はこう言い放ち、オートロックの部屋番号を押している。通話に出た女性に「ユーチューバーの直輝と申しますけど」と切り出し、女性に断られると、「あ? なに?」「知るかそんなもん」と一方的に激怒。通話を切られた後は、何度もオートロックのインターホンを押し続けた。行為は更に過激になる。

「なら、直接乗り込んでやるよバーカ」

 住人が出てきたタイミングで中に入り、玄関先まで行って鍵がかかったドアノブをガチャガチャ動かす場面まで映していた。

■「捕まる前に撤退しますので、ご心配には及びません」

 刑法では、「正当な理由がないのに、人の住居もしくは人の看守する邸宅、建造物に侵入した者は3年以下の懲役または10万円以下の罰金」(130条)と定められている。動画を見た警察関係者が呆れる。

「この動画でも、許可なくオートロックのマンション内に入っています。面白半分のユーチューバーの活動が『正当な理由』に当たるとは思えず、このケースでも住居侵入罪に触れる可能性があります」

 猪原容疑者は、ユーチューブのコメント欄で、「捕まる前に撤退しますので、ご心配には及びません」と再三にわたって豪語していた。

■警察は過激なユーチューバーを「見逃すつもりはない」

 だが、過激なユーチューバーの逮捕は初めてではない。2017年には、警察官の前で覚醒剤に見せかけた白い粉をわざと落として逃げた福井県の夫婦が逮捕。昨年10月にも大阪市の服店で、購入した衣類を偽物呼ばわりして因縁をつけ、「へずまりゅう」の名でその様子をアップしていた男も大阪府警に逮捕されている。

 別の警察関係者は、こうした過激化するユーチューバーを「見逃すつもりはない」と話す。

「あの連中がやっとるのは正義でも何でもない。弱い立場の人間を虐げてその様子を面白がるか、叩いてもよさそうな奴を見つけて吊し上げてるだけで世の迷惑や。犯罪行為まで平気でするような奴らをのさばらしといたらあかん」

 震え上がっている自称ユーチューバーはまだまだいるのではないだろうか。

(稲本 千晴/Webオリジナル(特集班))

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