「地政学」って何? 世界情勢を知るためにまず覚えておくべきこと

「地政学」って何? 世界情勢を知るためにまず覚えておくべきこと

『サクッとわかる ビジネス教養 地政学』(奥山真司 監修)新星出版社

 少し前から、ビジネス教養書の人気ジャンルとなった「地政学」。その基礎中の基礎を、豊富なカラーイラストや図表を用いてわかりやすく解説した入門書が好調だ。監修者は、カナダと英国の大学で学んだ本格派の地政学・戦略学者。防衛省の幹部候補生から一般の学生・社会人まで、幅広く教えており、ブログや動画配信サイトでの活発な情報発信にも定評がある。

「各項目の冒頭に見開きで、そこで扱う内容をまとめました。類書ではこうしたページにも地図を掲載しているのですが、本書では世界地図が頭に入っていないような初学者も対象にするため、簡略化した図を掲載しています。これは『大雑把でもいいから、まずは国と国の位置関係を掴むことが大事』という監修者のアドバイスによるものです」(担当編集者の富永雅弘さん)

 見開きの図には、国を擬人化したような表現も。“知識の見取り図”を提供するなど、地政学の高いハードルをとにかく下げようとする工夫が満載だ。一方で〈バランス・オブ・パワー〉〈チョーク・ポイント〉〈シーパワー〉といった重要な概念はしっかりと整理し、本質を押さえている。

 刊行後にバイデン新政権が誕生。それに伴うアメリカの戦略の変化を、期間限定の小冊子を挟み込むことで補足する細かな配慮も光り、まだまだ部数を伸ばしそうだ。

2020年6月発売。初版9000部。現在8刷10万部(電子含む)

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年2月18日号)

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