「似合わないメガネ」を選んでしまう人の“3つのNGポイント”とは

「似合わないメガネ」を選んでしまう人の“3つのNGポイント”とは

©今井知佑/文藝春秋

大事なのは「視力ではなく距離」 メガネを作るときに勘違いしがちなこと から続く

 出社や外出の機会が減り、家での時間が増えたことで、コンタクトからメガネに切り替えた人も多いでしょう。また、リモート映えを意識して、メガネを新調しようと考えている人もいるかもしれません。

 とはいえ、「せっかく買ったものの、似合わないので掛けていない」という声も多く聞かれます。メガネ選びに失敗してしまう原因は、どこにあるのでしょうか。眼鏡ライターとして毎年約1000本のメガネを試着し、これまで100本以上のメガネを購入してきた筆者が、失敗の原因と似合う選び方のコツについて解説します。

■(1)形ばかりに囚われ、サイズを意識していない

「私には、どんな形のメガネが似合いますか?」。眼鏡ライターという仕事柄、こんな相談を受けることも少なくありません。ここで多くの人が形を聞いてくるのは、これまで「丸顔の人はスクエア型のメガネが似合う」といった、顔型別に似合う形を指南する方法が主流だったからだと思われます。

 しかし、考えてみてください。まず第一に、人の顔もメガネの形も、丸や四角などとはっきり分類できるほど単純なものではありません。また、同じ顔型であっても目や鼻といったパーツの位置や大きさは人によって異なり、それぞれ個性があるわけなので、そうした大まかな顔型の分類だけに囚われる必要はないんです。

■自分に合ったサイズを選ぶことが重要

 では、一体何を目安に選べばよいのでしょうか。じつは、似合うメガネを選ぶ際に重要なのがサイズです。自分に適したサイズより大きすぎたり小さすぎたりするメガネだとバランスが悪く、不格好に見えます。これが、似合わないと感じられる原因のひとつなのです。

 自分に合うサイズの基準は、「メガネを掛けた際、左右各レンズの中心にそれぞれの黒目(瞳孔)がくるもの」。サイズが合っていれば、顔型に関わらずどんな形でもバランスよく掛けられることが多いので、様々な形にチャレンジしやすいでしょう。

■自分のサイズを知るには?

 自分に合うサイズは、数値でも知ることができます。メガネを作る際、眼鏡店ではPD(瞳孔間距離)といって左右の瞳孔間の距離を必ず計測していて、これが自分のサイズの目安となります。メガネフレームには多くの場合テンプル(つる)の裏側にサイズの表記があり、「51□21 145」とあった場合、単位はmmで、51が片眼レンズの横幅。21がブリッジ(両レンズをつなぐ鼻元のパーツ)の横幅となります。

 この片眼レンズの幅とブリッジ幅を足した数字が「フレームPD」と言われ、この値が自分のPDと近いものを選ぶと、黒目がレンズの中心近くに位置するのです。自分のPDが知りたければ、お店で先に計測してもらうこともできるので、そのうえで自分に合うサイズのフレームを数本見繕ってもらうのも良いでしょう。

 そこからは、試着あるのみ。苦手意識のある形でも、フチの細いものやメタル素材にすれば表情に馴染みやすくなりますし、肌馴染みの良い色を選んでみるのも手でしょう。1本掛けて「この形は似合わない」と決めつけずに、様々なタイプを試してみてください。そのうちに、自分に合うもの、好きなものがだんだんとわかってくるはずです。

■(2)自分のキャラや服装に合わないものを選んでいる

 試着をしていくなかで、サイズは合っているのに「何だかしっくりこない」と感じることもあるでしょう。なぜなら、似合う・似合わないの判断基準には、その人がもつ雰囲気やキャラクター、髪型や服の雰囲気などを含めた“テイスト”が大きく関わってくるからです。

 まずひとつに、メガネのデザインが自分好みのテイストであるのかという点。お店のスタッフが客観的に見れば似合うと感じるものでも、掛けた本人が「このデザインは好みではない」「自分らしくない」と思うなら似合うとは感じられず、満足度は低いでしょう。掛けている姿が自信なさげでは、その魅力も半減してしまいます。

 解決策として、購入する前にある程度「自分の好きなデザイン」や「なりたいイメージ」を整理しておくことが有効です。雑誌や眼鏡店のWEBサイトをチェックしても良いですし、購入する前にお店に下見に行ってもよいでしょう。イメージを持っておけば、お店でスタッフに勧められるまま買ってしまうことも防げるはずです。

■全身鏡でのチェックも忘れずに

 試着の際は全身鏡を使って、服装とのバランスも忘れずにチェックを。なぜなら、自分の顔には合っていても、着ている服とのテイストが大きく異なると、メガネだけが悪目立ちしてしまうことがあるからです。

 じつのところ、「あの人はメガネが似合うな」と感じる場合、顔にメガネが合っているというだけでなく、服装や髪型との統一感が取れていることが多いもの。トータルでのバランスが良好でこそ、似合うメガネになるというわけです。近視のため全身鏡でのチェックが難しいときは、スタッフにスマホで写真を撮ってもらうなどして確認するのもありでしょう。

■(3)使用するシーンに合わないデザインを選んでいる

 また、メガネを選ぶ際には、“どんなシーンで使うのか”といった、いわゆるTPOも考慮したいところ。というのも、お店に行った際のラフな服装にはしっくりきていたメガネでも、仕事用の服に合わせたらカジュアル過ぎて似合わなかった、という失敗も少なくないからです。

 そのため、メガネを買う際は“そのメガネを使うシーンの服装”でお店に行くことをおすすめします。スーツ着用時に使うメガネならば、休日でもスーツを着て選びに行ったほうがイメージが掴みやすく、お店からも的確な提案が得られるでしょう。

 スーツにスポーティなメガネでは、ちぐはぐな印象になってしまいかねません。フォーマルなシーンではスーツに革靴を。運動をするときはスポーツウェアにスニーカーを合わせるように、メガネもシーンにフィットしたものを合わせたほうが、全体的にまとまりが出てお洒落に見えます。

■掛け位置が悪いと、似合うメガネも台無しに

 購入した後に気を付けたいのが、“掛けこなし”です。せっかく似合うメガネを手に入れても、掛けこなしを疎かにするがゆえに、似合っていない印象を与えてしまっている人も少なくありません。

 ポイントは、適切な位置で掛けるということ。レンズの上下幅に対して、黒目が中央にくるのが理想的です。レンズの上下幅が長めのメガネの場合は、中央よりも少し上にくるぐらいがいいでしょう。その位置よりも下がっていたり、もしくは上がり過ぎたりしていると、本来は似合うメガネでも間抜けな表情に見えてしまいます。それでは、もったいないですよね。

 掛け位置については、メガネを自分の顔に合わせてフィッティングしてもらうことで解決できます。それでもズリ落ちやすい場合、フレームデザインによっては鼻パッドをより高さのあるものや、金属製の足がついたタイプに付け替えてもらうことも可能です。一度購入店に相談してみるといいでしょう。

 繰り返しになりますが、似合うメガネは顔型で決まるものではありません。顔型との相性ばかりにこだわることは、自ら似合うメガネの選択肢を狭めてしまっているも同然です。さまざまなコツを述べましたが、まずはサイズだけでも意識してメガネを選んでみてください。これまで以上に似合うメガネに出会える可能性が高まるはずです。

写真=今井知佑/文藝春秋
取材協力=「金鳳堂」京橋本店

(伊藤 美玲)

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