「死んでもAさんBさん諸々恨みます」18歳で自殺した元アイドル・月乃のあさんが残していた“遺書”公開《母親が悲痛告白》

18歳で自殺した元アイドル・月乃のあさん遺書公開「死んでもAさんBさん諸々恨みます」

記事まとめ

  • 2020年9月30日、アイドルとして活動していた月乃のあさんが飛び降り自殺で亡くなった
  • 月乃さんは2018年、玉城ティナを輩出した「ミスiD」出場後、「ヲルタナティヴ」で活動
  • 名古屋のコンセプトカフェ「X」を巡るセクハラ告発騒動などが、自殺の原因とも

「死んでもAさんBさん諸々恨みます」18歳で自殺した元アイドル・月乃のあさんが残していた“遺書”公開《母親が悲痛告白》

「死んでもAさんBさん諸々恨みます」18歳で自殺した元アイドル・月乃のあさんが残していた“遺書”公開《母親が悲痛告白》

「死んでもAさんBさん諸々恨みます」18歳で自殺した元アイドル・月乃のあさんが残していた“遺書”公開《母親が悲痛告白》の画像

 2020年9月30日14時55分、アイドルとして活動していた月乃のあさんが愛知県名古屋市内のホテルから飛び降りて自殺を図り、18歳という若さで亡くなった。

 小学生から地元の名古屋でアイドルとして活動していた月乃さんは2018年、玉城ティナや菅本裕子を輩出した講談社主催のオーディション「ミスiD」に出場。同年5月からは東京を中心に活動する「ヲルタナティヴ」というアイドルグループに在籍していた(現在は解散)。グループを卒業後は、飲食店などでのアルバイトを経て、2020年5月から亡くなる10日前まで名古屋市内にあるコンセプトカフェ(メイドカフェの一種)で働いていた。

 月乃さんが亡くなって5カ月。その自殺の理由については、セクハラからSNSでの誹謗中傷まで様々な憶測を呼んでいるが、その真相については明らかになっていない。

 今回、月乃さんの母親・Rさんが、これまで公開してこなかった月乃さんの遺書を世に出す決意をした。「ファン思いだったあの子のためにも、ひとりでも多くの人に真実が伝わってほしい」と公開を決めたという。Rさんの現在の思いを聞いた――。

◆◆◆

■亡くなる直前に母親に《言葉のナイフで殺される》

《18さい ママ弟おばあちゃんおじいちゃんファンのみんな友達大好きでしたさようならずっと死んでもAさんBさん諸々恨みます人は簡単に言葉のナイフで殺される》(※A、Bは実際には実名。月乃さんとの関係性については後述)

 これが、のあが亡くなる40分前に娘から私宛に送られてきたメッセージです。このメッセージを送ってから娘は名古屋市内のホテルの屋上から飛び降りてしまった。祖母はのあが亡くなった現実を受け入れられず、精神的に立ち直れない状態で、今入院しています。小学生の、のあの弟は「誰が一番悪いの? 誰がお姉ちゃんを殺したの?」って……。家族みんな辛い思いをしています。

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■小学校4年生のときに「私もアイドルになりたい」

 のあは、小学校1、2年生くらいまではすごく内気で引っ込み思案な子だったんです。私が仕事ばっかりだった分、すごいおばあちゃん子でしたね。のあが小学3年生の時に、私が再婚したんですけど、そのことでのあはすごく悩んでしまいました。

 そんな時に、隣町のご当地アイドルに出会ったんです。境遇とか共感できる部分が多かったみたいで、応援しているうちに段々と明るくなってきて、「私もアイドルになりたい」と言い出したんです。この子のやりたいことは認めてあげようと私は賛成しました。そして、小学5年生から名古屋のカフェで歌って踊るアイドルを始めました。当時は「ランドセルアイドル」っていうので話題になっていました。

■イジメで「学校に行きたくない」と言うように

 小学校を卒業してからも芸能活動をしていきたいということだったので、芸能活動に寛容な私立中学を受験することにしたんですけど、私が再婚相手とすぐに別れてしまって母子家庭で金銭的な面もあって、特待生で入学できるならという条件でした。塾にも通ってとても頑張っていたのですが、一般で合格したものの特待生にはなれなかった。

 結果的に、公立中学に行ったんですけど、それがよくなかったのかもしれません。同級生から「お前受験するって言ったのになんでここに来とるんだ」って言われてイジメられるようになってしまったんです。イジメは相当辛かったと思います。

 人に見られる仕事ということもあって、メイクとかも頑張っていたんですけど、そのことで陰口を言われたこともあったそうです。中学1年生の頃はイジメにもなんとか耐えていたんですけど、どんどん激しくなってしまって、2、3年生の頃には教室に入れなくなってしまい、「学校に行きたくない」と言うようになりました。

 結果的には、卒業後に当事者同士で和解したみたいで、その同級生たちはお葬式にも顔を出してくれました。

 当時は本当に辛かったようで精神的にも病んでしまった。だけど、アイドル活動だけはしっかりと続けていたんです。

 あの子が17歳だった時に、アイドルのライブで広島に遠征したことがあったんですけど、突然痙攣を起こして倒れてしまったことがあった。帰ってきてからちゃんと検査をしてみたら、“てんかんに伴う精神的な病気”だということが発覚しました。そこから安定剤などの薬を飲み始めたんです。

■名古屋のコンセプトカフェ「X」で働くように

 のあは、シンガーソングライターの大森靖子さんにすごい憧れていて、カラオケに行くと絶対最初に歌うのは大森靖子さんってくらい。「ミスiD2018」では選考委員だった大森さんに会えて、すごい感動して泣いてしまったみたいです。その縁で、大森さんがプロデュースするアイドルグループ「ZOC」に入らないかというお話をいただいていたんですけど、すごく考えた上で「憧れの人は遠くから見てるのが良いから私は入っちゃダメだ」とお断りしたと聞きました。

 2018年の7月に、アイドルを辞めてから表立った活動はしていなくて、ピザ屋さんや焼き肉屋さんのバイトをしたり、介護の仕事をやったりと自分に何ができるかっていうのを探して色々チャレンジしていました。そんな時に声がかかったのが、亡くなる直前まで働いていた名古屋のコンセプトカフェ「X」だったんです。

「X」での売り上げはずっとトップだったと聞いています。すごくファン思いで、アイドルを始めた小学生の時からもらった手紙は全部残しているんですよ。ファンをかばって泣いて怒ることもあったそうです。媚びるとかじゃなくて、みんなに楽しんでほしいというスタンスで、1人ひとりのファンに対して、丁寧に接していました。

■コンカフェオーナーからのセクハラを告発

 のあが、(2020年)9月20日にお店に「休みます」と連絡を入れたところ、オーナーから「それだったら来なくていい」ってクビになったと聞いています。たしかに、あの子は遅刻とか欠勤とかが多かったので、しょうがないかなとも思った。私も「のあも悪いところはあるよ」って諭したんです。今思うと、その時は、「分かった」と言いながらも色々思い詰めていた様子でした。

 お店を辞めてすぐに、のあが「オーナーからセクハラがあった」とツイッターに書き込んだんです。オーナーはそのことについて否定していますが、親として自分の娘のことはずっと信じています。

 その「セクハラをされた」という投稿に対して、お店のプロデューサーのAという女性が怒ったんです(前出メッセージのAと同一人物)。Aは娘に対してツイッターで「妄想、虚言」だの「被害者面」だのと色々と書き込んだ。それに乗っかるようなかたちでネットは炎上して、匿名掲示板は「死ね」「嘘つき」などといった娘への誹謗中傷で溢れてしまいました。

 たしかに、自分がプロデュースしている店で辞めた子にセクハラなんて書かれてしまって、Aの怒る気持ちも分からなくはないんです。でも、やり方とか言い方はもうちょっとあったんじゃないか。

■亡くなる3日前にも自殺未遂を起こした

 そんな誹謗中傷に追い詰められた娘は、(亡くなる3日前の)27日にも自殺未遂を起こしてしまったんです。

 自殺未遂を起こす前、インスタグラムでホテルの屋上から飛び降りようとしている生配信を行っていました。私はすぐに電話をかけましたが、通じず、メッセージで《絶対死なないで》《死なないって約束できる?》と送りました。そこで《死なない》ということを約束してくれました。が、《Dさん(店のオーナー)もA(店のプロデューサー)もB(Aの友人)もC(Aの友人)も許さない 全部許さない》という本音を漏らしたメッセージも送られてきていたんです。

 娘と電話が通じて、死なないように説得したところ、「生きる」「頑張る」と泣きながら私に約束したんです。その後、娘は一時的に警察に保護されました。

■死ぬ引き金になった言葉

 でも、その自殺騒動を知ったAの友人のBが、《死ぬ死ぬ詐欺をする元コンカフェキャスト》とツイッターに書き込んだために、また追い込まれてしまった。そのツイートを引用して、娘は9月27日、《死ぬ死ぬ詐欺は今日で終わらせます ごめんなさい(中略)しっかり次は死にます》というツイートを投稿しています。このBのツイートは間違いなく娘が死ぬ引き金になった言葉だったと思っています。

《18さい ママ弟おばあちゃんおじいちゃんファンのみんな友達大好きでしたさようならずっと死んでもAさんBさん諸々恨みます人は簡単に言葉のナイフで殺される》

 私がこのメッセージに気づいたのが9月30日の15時過ぎでした。それを見てすぐに警察署に「娘が危ないかもしれない」と電話しました。娘の友達からも電話がきて、探しに行ってくれたんですよ。そうしたら娘が泊まっていた栄のホテル付近に規制線が張られていて、救急車で娘が搬送されていたそうです。

 翌日、警察に行って、安置所で娘の顔を見て、違うと思いたかったんですけど、やっぱり娘で……。娘にメールで「冷たくなった体なんかで帰ってきたら絶対許さないからね」と送っていたんですけど、それが現実になってしまって、今でも「救えなかった」という悔しさでいっぱいです。

■月乃さんのカバンから出てきた4通の遺書

 ホテルにあった娘のカバンから4通の遺書が出てきたと、警察の方から渡されました。それと娘の部屋からは家族に向けた遺書が4通。机の上に置いてあった封筒にも1通の遺書が残っていた。計9通です。そのうち、封筒に入っていた1通がこれです。

《ママ、●●(弟の名前)、●●(祖母の名前)、じいさん、 ごめんね こんなんでごめんね 大好きだったよ 守れなくてごめんね A、B、D(関係者実名)全員きらい。生きるのがくるしい ごめんなさい。 先に行きます》

 やはりお店のプロデューサーであるA、そのプロデューサーの友達であるBとお店のオーナーのDの名前が遺書には書かれていたんです。

 あの子の字で書いてあって、名前を見たときは怒りがこみ上げてきました。のあはその人たちのことを信頼していて、頼っていた。それにもかかわらず、そのうちの1人からセクハラを受け、さらにセクハラを訴えても信じてもらえず、妄想だとか被害者面だとか死ぬ死ぬ詐欺だとか言われたわけです。「なんでそんなこと言うの?」って裏切られた気持ちでいっぱいだったんだと思います。

■娘は2度殺された

 今回、名前が上がっている人たちに対して、未来があるまだ若い人たちなので、私も一生恨むとかではなく、まず彼女たちに反省してほしいと思っていました。実際にAとは電話で話して、「自分の言い方も良くなかった」と謝罪の言葉もありました。

 だけど、Aはあるユーチューバーのチャンネルに出演して、「コンカフェでは辞めてからセクハラされていたとか言うことはよくある」などと話していて、見るに堪えなかった。

 さらに、娘が亡くなって3カ月しか経っていないのにもかかわらず《ありがとう2020》と中指を立てた写真を上げていたり、最近でも2月17日にはAがツイッターを突如やめるということで最後のツイートで、《次こそ上手に生きるねばいばい!!》と娘への当てつけじゃないかと思うような内容も書き込んでいて、今では怒りに震えています。

 反省しているなら追及しなくてもいいと思ってしまった私自身の気持ちをも裏切られた気分です。亡くなってからもそういう侮辱するような書き込みをしていて、娘は2度殺されたのだと思います。

 別の1通は家族に向けたものでした。

《●●(月乃さん自身の本名) ママへ 18年間ありがとう 色々あったけど 大好きでした。さきに行ってごめんね ●●(祖母の名前)、じいさんへ こんな私を 大切にしてくれて ありがとう。大好き》

 のあは家族みんなのことが大好きで、特に弟思いでした。「私が弟を絶対に大学に行かせてあげる。それが夢なんだ」といつも言っていました。

 ネットでは娘と私の関係がよくなかったのだろうなんて書いている方もいらっしゃいます。確かにすれ違いは多かったかも知れない。娘は薬に頼っていたこともあり、余計な薬を飲むのを必死に止めたりとか、無理やり病院に付いて行こうとして大ゲンカをするなんてこともしょっちゅうありました。でも、親子だからこそたくさん言い合って喧嘩して、それでもまた笑いあう。そんな母子の関係だった。私にとっては本当に大切な娘だったんです。?

 私は2020年の7月頭から脳梗塞で入院していました。そのあいだは娘と直接会えず、電話やメールを少しするくらいしかできなかった。何が起きていて、娘が何を考えていたのか、どういう状態だったのかは、わからない状況でした。私はそれをすごく後悔しています。自分が駆けつけることができれば、私がそばにいてやれば、こんなことになっていなかったんじゃないかって、自分自身を責めてしまうこともあります。

■《5ちゃんもこわかった 大人もこわかった》

 また別の1通の遺書には、ファンの方々への感謝と同時にネットでの誹謗中傷に怯えているような記述がありました。

《ファンのみなさんへ こわい こわかった 5ちゃんもこわかった 大人もこわかった 死にたかった ずっと愛してくれて ありがとう 大好きです》

 5ちゃんねるの心無い書き込みも相当怖かったんだと思います。

 昨年の10月3日、4日にお葬式とお通夜を行うとファンの人や仕事関係の人が400人くらい来てくださいました。娘が小さい頃から温かく見守ってくれたファンの方やコンセプトカフェで娘を知ったというファンの方、ツイッターで知ってファンになってくれたという方たちがいっぱい来てくださった。娘はこういうファンの方たちに支えられて頑張ってきたんだなと、有り難く思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

 娘には向こうでも楽しく歌って踊って、キラキラ輝いてほしいなって毎日願っています。

◆◆◆

 コンセプトカフェのプロデューサー・A氏やオーナーD氏に対し、月乃さんの遺書に記載されていた内容などについて電話で質問をすると、後日A氏経由でD氏から次のような回答が送られて来た。

《私、Dの話す真実は、ご遺族の方も全てのLINEのやり取りなどで確認が取れる物なので嘘のつきようがありませんが、その話をしたところで故人が生き返る訳でもなく、遺族やファンの方を更に深く傷つけてしまい、無意味な野次馬を増やし燃やすだけになる事が目に見えている為公表するつもりはありません

 以前ご遺族から取材を受けた話を聞きました そちらの言い分が全てで大丈夫です

 私がお話する事でツキノさんのお墓が立てられるほどのギャラが頂けるならば、それをツキノさんの建墓とさせていただきます》

 わかりにくい回答だが、反論したい気持ちを隠しきれないようだ。母親のRさんの悲しみは察するに余り有る。

 2月19日(金)21時から放送の「 文春オンラインTV 」では、取材担当記者が出演し、月乃さんが残した「遺書」の真相について、くわしく解説する。

【悩みを抱えた時の相談窓口】
「 いのちの電話 」
▽ナビダイヤル「0570-783-556」午前10時〜午後10時
▽フリーダイヤル「0120-783-556」毎日:午後4時〜午後9時、毎月10日:午前8時〜翌日午前8時
https://www.inochinodenwa.org

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

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