デザイン専攻の学生だったのに…元女性自衛官の「自衛隊体操」が人気になるまで

デザイン専攻の学生だったのに…元女性自衛官の「自衛隊体操」が人気になるまで

かざりさん

 コロナ禍の運動不足に悩む人が多いなか、元女性自衛官のかざりさんが紹介する「自衛隊体操」が人気だ。YouTubeの実演動画は300万回再生を超え、そのメソッドを詳しく解説した著作『元女性自衛官かざりの即やせダイエット個人授業』も刊行された。

「自衛隊体操は陸上自衛隊、航空自衛隊で日常的に行われている体操で、入隊してすぐに動きを習います。各部隊、だいたい毎朝行っているので、陸・空の自衛官の方ならみなさんできると思います。ダイナミックストレッチと言われる全身の筋肉を使う運動ですが、手足を伸ばせるスペースがあればできるので、自宅でのエクササイズに最適です」

 5分間動きっぱなしで、「体操」という言葉のイメージよりは、ややハード。しかし合理的な全身運動で、肩こりや腰痛の改善も期待できるという。

「動きに関しては1つずつ覚え、覚えられたところで通してやってみると効果的にできると思います。また、この体操を教わったときに教官に言われたのは『節度をもって美しく』ということ。自衛官は外部の方に自分の姿を見せるときは、常に美しい姿でいるように教育されます。自衛隊体操にも、その精神が活きているのではないでしょうか」

 にこやかに筋トレを行うかざりさんだが、もともと運動には縁がなく、デザインを専攻する学生だったという。

■自衛隊に興味をもったきっかけは…

「自衛隊に興味をもったきっかけは、女の子と戦車が出てくるアニメにハマったこと。実際の装備を見てみたいと駐屯地に遊びにいったんです。その時に接してくださった自衛官の方々がとても親切でかっこ良くて、魅力を感じました。好きになったら一直線、という性格なので、大学卒業後に試験を受け、陸上自衛隊に入隊しました」

 入隊後は時間に追われる過酷な訓練をこなしていたが、訓練中にアクシデントが。

「足に異変を感じ、病院に行くと『特発性大腿骨頭壊死症』という難病でした。即手術になり、術後は走れるようになるまで2、3年かかりました。治療中に筋力も衰えたのですが『手術する前には戻れないけど、筋肉をつけて健康的になることはできる』と思ったことが、私が筋トレを学ぶモチベーションになりました」

 日常生活には支障ない程度まで回復したが、部隊の業務は続けられないと感じ、退職。元自衛官のタレントとして活動を始める。動画配信や著書の刊行も活動の一環だ。

「この本では自衛隊体育学校の教官のお話を伺ったり、朝霞駐屯地で撮影をしたり、自衛隊には全面的に協力していただきました。私自身は病気で長く自衛隊に勤務することができず、それが心残りになっているのですが、入隊していなかったら今の自分はありませんでした。広報活動を通して少しでも自衛隊に恩返しができたらと思います。みなさんに『こんな自衛官もいるんだ』と知ってもらうことによって、自衛隊のイメージを少しマイルドにして、少しでも多くの方に自衛隊に興味を持っていただくことが自分の使命だと思っています」

かざり/三重県出身。日本大学藝術学部卒業。陸上自衛隊東部方面隊オピニオンリーダー。映画、CM、モデルなど国内外で活動中。出演作に映画『ビューティフルドリーマー』など。YouTubeチャンネル「かざりぷろじぇくと」チャンネル登録者数20万人を突破。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年3月11日号)

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