和歌山天かすラーメン、兵庫どろ焼き、三重味おにぎり…「ローカル外食チェーン」各県ベスト1発表《西日本編》

和歌山天かすラーメン、兵庫どろ焼き、三重味おにぎり…「ローカル外食チェーン」各県ベスト1発表《西日本編》

三重県「おにぎりの桃太郎」久保田本店。1日5回、屋根の上から桃太郎がヨロシクする ©BUBBLE-B

千葉ホワイト餃子、山形赤湯ラーメン、福島フラミンゴのいるレストラン…「ローカル外食チェーン」各県ベスト1決定《東日本編》 から続く

 地方で“独自の進化”を遂げた「ローカル飲食チェーン」が全国に点在している。そこには、ご当地の素材を生かした美味から、怪しげな組み合わせの“謎メニュー”まで、奥深い世界が広がっていた。

 日本全国の飲食チェーン店を巡る旅を続けるライターのBUBBLE-B氏に、旅をしたら立ち寄るべき47都道府県のベスト「チェーン店」を挙げてもらった。 東日本編 に続き、西日本のお店について、料理の写真付きで紹介する。

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■三重県「おにぎりの桃太郎」(おにぎり)

「四日市を中心にチェーン展開するおにぎり専門店、桃太郎。本店の屋上では、1日5回定時になるとローファイな音楽と共に桃がせり上がり、中からロボット桃太郎が出てくるという儀式が行われる。なぜ三重県で桃太郎なのかという最大の謎はともかく、おにぎりが素朴で美味しいのだ。特に『味』という名のおにぎりはかやくご飯で、桃太郎を代表する逸品と言えるだろう。桃太郎の儀式を見上げながら食べる『味』は格別だ」(BUBBLE-B氏、以下同)

■滋賀県「ちゃんぽん亭」(ちゃんぽん)

「ちゃんぽんといえば長崎ちゃんぽんが有名で、それはとんこつベースのスープに具沢山の野菜だ。しかし長崎とは全く違うちゃんぽんが滋賀にある。それが近江ちゃんぽん ちゃんぽん亭。かつお節や昆布など7種類の素材をブレンドして作ったという独自の『黄金だし』が、何とも癖になる味なのだ。そして肉マシのオーダーも可能。滋賀発祥の近江ちゃんぽんは、確実にちゃんぽんシーンに一石を投じている」

■京都府「志津屋」(パン)

「京都の食べ物のイメージは、京懐石やしっぽくうどんあたりだろうか。しかし京都に数年住んだ経験からすれば、ラーメン、パン、ホルモンこそが京都のグルメではないかと思う。特にパン屋は京都市内の至る所にあり、京都市民はどれだけパンが好きなのか?と思うくらいだ。京都のパン屋チェーンである志津屋が創作した『カルネ』は、フランスパンに玉ねぎとハムを挟んだシンプルなものだが、これが何とも絶妙で味わい深く、地元民に長く愛される理由が分かるはず。食べる時はオーブンで少し温めるのがオススメだ」

■大阪府「インデアンカレー」(カレー)

「大阪はカレー文化が熱く、数多くのカレー専門店がある。そんな大阪のカレーチェーン店の一つ、インデアンカレー。最初の一口目は甘く、食べていくうちにどんどん辛くなっていくという大阪カレーの文法に忠実な味がたまらない。どのタイミングで黄身を割って味変させるか?が問題である。ちなみに北海道の帯広と石川県にもインデアンカレーというカレーチェーン店があるが、それぞれ別の店舗である」

■兵庫県「喃風」(どろ焼き)

「関西粉モン文化は果てしない。たこ焼き、お好み焼き、明石焼きと、様々に姿を変える小麦粉グルメ。そしてここ姫路で生み出されたのが『どろ焼き』。出汁の効いたフワフワな生地はたこ焼きのようで、ヌペッとした大きさはお好み焼きみたいだし、だし汁に浸けて食べるのは明石焼きみたい。その三者のいいとこ取りをしたのがどろ焼きだ。ひたすら出汁の美味さを楽しむと、粉モンのフリースタイルな奥深さが感じられるに違いない」

■奈良県「天理スタミナラーメン」(ラーメン)

「奈良発の個性派ラーメンチェーンといえば彩華ラーメンと天理スタミナラーメンの2大巨頭ではないだろうか。両者ともピリ辛スープに、白菜とニラで具だくさんというスタイル。ニンニクや豆板醤を追加して、どこまででも刺激的に味変できるのがまた嬉しい。道頓堀の神座に通じる、ラーメンに白菜をドバドバ入れる文化、これぞ関西だなあと感じる」

■和歌山県「グリーンコーナー」(ラーメン・デザート)

「和歌山県の製茶会社『玉林園』が、飲食部門として和歌山県内で展開するチェーン店がグリーンコーナー。お茶を活かして日本初の抹茶アイスを販売したのは、実はここ。そんなグリーンコーナーのレストランで提供される軽食がまた良くて、中でも『天かけラーメン』はその名の通り天かすと、さらにはワカメと紅生姜が載ったシンプルなラーメンで、おやつ代わりにサッと食べるととても幸せな気分になれる逸品だ」

■鳥取県「北海道」(回転寿司)

「北海道という名前の回転寿司、それはどこにありますか?というクイズを出題した時、鳥取と即答できる人がいれば相当なマニアか現地人だろう。鳥取にあって北海道という謎ネーミングにも関わらず、境漁港から運ばれる新鮮で上質なネタの数々にいちいちノックアウトさせられる。その実体は、山陰の海の幸をどこまででも楽しめるグルメ回転寿司チェーンだ。で、北海道は?」

■島根県「炉端かば」(居酒屋)

「“山陰をこよなく愛する店”と看板にあるように、山陰の食材を中心に提供する居酒屋、炉端かば。どじょうすくいで知られる安来で発祥した島根の居酒屋チェーンだ。そのメニュー構成はどこからどこまでも徹底的に山陰の食材と山陰の酒にこだわっているので、山陰の味を楽しみたいと思ったら炉端かばに行けば間違いない」

■岡山県「ミスター・バーク」(ハンバーグ)

「岡山で展開するハンバーグチェーン、ミスター・バーク。牛肉100%というハンバーグはソフトな食感で、口の中で肉汁がどんどん出てくるのが分かる。しかも最初から食べやすい大きさにカットされているので、箸かフォークで食べることができる。ハンバーグだけでなくステーキも用意され、それらをボリュームたっぷりのサラダと共にガツガツと食べることができるお店だ。テーブルの上に様々なソースが用意されているのも嬉しい」

■広島県「むさし」(おにぎり)

「昭和33年創業のおにぎり専門店、むすび むさし。おにぎりがメインだが、和食をフルラインナップで楽しめるのが本店だ。そんな本店の『肉じゃんセット』なるメニューは、おにぎり2つと焼き鮭、そして肉うどんの出汁に牛肉とネギを入れたものの組み合わせ。このシンプルな料理がどこまでも美味しく、広島で半世紀以上を刻んだ歴史を感じずにはいられない」

■山口県「長崎ちゃんめん」(ちゃんめん)

「長崎ちゃんぽんではなく“ちゃんめん”を標榜する、その名も長崎ちゃんめんは、山口県を中心にチェーン展開するお店だ。長崎ちゃんめんとは、ちゃんぽんとラーメンの中間ということで名付けられた。濃厚なとんこつベースのスープとたっぷりの野菜が特徴で、食べ応えは抜群だ」

■徳島県「東大」(ラーメン)

「徳島ラーメンは個性的で面白い。茶色くコッテリとした醤油とんこつのスープに、甘く味付けされた豚バラ肉を浮かばせる。そして生卵を割りがち。そんな徳島ラーメンの全国的知名度を押し上げた店といえばここ、東大。濃厚なスープと豚バラ肉、ニンニクも容赦なくトッピングされるが、無料の生卵を割ることでマイルドな味に激変する。ガツンと存在感のある味がたまらない」

■香川県「骨付鳥 一鶴」(骨付き鶏)

「“うどん県”という愛称で知られ、数々の讃岐うどん店がひしめく香川県のもう一つの名物は『骨付鳥』。その名の通り骨の付いたままの鶏もも肉を炙り、スパイシーな味付けをしたもので、柔らかいひなどりと、噛むと濃厚なおやどりが楽しめる。そして、鶏の皿に溜まった油でおにぎりを浸して食べると病的な快楽が楽しめるという、1度で2度おいしい逸品だ」

■愛媛県「チャイナハウスすけろく」(中華)

「愛媛県を中心に四国でローカルチェーン展開する中華料理店、チャイナハウスすけろく。そのルーツは昭和25年創業の助六餃子老舗という店から始まるのだから、随分な老舗だ。現在も地元で中華ファミレスとしての地位を確立しており、メニューラインナップの豊富さも他の追従を許さないほど充実している。伝統の餃子は是非とも食べておきたい」

高知県「くいしんぼ如月」(チキン南蛮弁当)

「高知市内に点在する弁当屋、くいしんぼ如月。その名物は『チキンナンバン弁当』だ。高知でチキン南蛮?と思う人も多いだろうが、長年にわたって愛され続ける高知のソウルフードだと言えるだろう。くいしんぼ如月のチキンナンバン弁当にはタルタルソースではなくオリジナルのオーロラソースがかけられているのがポイント。シンプルな中にある絶妙な美味さがたまらない」

■福岡県「びっくり亭」(焼肉)

「数多くのローカルチェーンひしめく福岡で、ひときわ個性が光る焼肉チェーン店、びっくり亭。店舗数は多くないが、一度食べると忘れられないインパクトがある。名物の『焼肉』はステーキ用のプレートの上に盛られた大量のキャベツと肉に圧倒される。木のブロックをプレートの下に敷いて傾かせることで片方に油を溜め、そこに辛味噌を溶き、肉を浸けて食べるのだ。えっ、何それ!?とお思いの方、百聞は一食にしかず。是非、食べてみて欲しい」

■佐賀県「ぎゅう丸」(ハンバーグ)

「佐賀と福岡を中心に展開するハンバーグチェーン『ぎゅう丸』。柔らかくて肉汁があふれ出るハンバーグは、絶品そのもの。まさにハンバーグのお手本のような逸品だ。そしてもう一つの名物は『パイ包みスープ』。その名の通り、スープの入ったカップをフタするようにパイ生地が覆っているもので、パイとスープを同時に食べたり、別々に食べたりと楽しめるものだ」

■長崎県「若竹丸」(回転寿司)

「長崎を中心に展開する回転寿司チェーン、若竹丸。しかし回転していたのは過去のことで、今ではタッチパネル+特急レーンのみというスタイルでのグルメ回転寿司だ。ラインナップしているネタは大分県産のブリや長崎県産のアイゴ、エサにハーブを与えて育てたという長崎の新ブランド『ハーブ鯖』握りなど、さすが長崎と唸らせるラインナップ。この写真は鯨赤ベーコンというネタで、鯨の消費量の多い長崎ならではのもの。なお、今年1月に神奈川県の藤沢に突如として支店がオープンしたので、関東の人は是非訪れて欲しい」

■熊本県「桂花ラーメン」(ラーメン)

「熊本と東京でチェーンする桂花ラーメン。九州らしくとんこつスープがベースだが、桂花ラーメンの特徴は、そこにマー油と呼ばれるラード・にんにく・香味野菜などを潰して作った油を垂らすこと。それにより風味がグンと豊かになるのだという。今では同じ熊本ラーメンチェーンの味千グループとなり、これからの展開にも期待される」

■大分県「鳴門うどん」(うどん)

「大分を中心に展開するうどんチェーン、鳴門うどん。その特徴は、1玉から3玉まで同じ値段とのことで、大食い愛好家の熱い視線を集めている。定番のトッピングは、九州うどんらしくごぼう天と肉煮。九州の人はどれだけごぼう天が好きなんだ。セットメニューも豊富で、地元の人で賑わう人気店だ」

■宮崎県「味のおぐら」(チキン南蛮)

「チキン南蛮発祥の地は宮崎県だが、その歴史には諸説ある。味のおぐらはチキン南蛮に初めてタルタルソースをかけた店として知られている。食べてみると、ムネ肉にかけられたたっぷりのタルタルソースが絶品。そしてこのタルタルソースがとにかく軽く、全く胃もたれない。さすがオリジネイターといった味だった」

■鹿児島県「餃子の鹿児島王将」(中華)

「日本には3つの『王将』がある。餃子の王将、大阪王将、そして鹿児島王将だ。鹿児島王将はその名の通り鹿児島ローカルでチェーン展開しており、京都の王将から暖簾分けされた王将だ。それ故、どことなく京都王将の血を感じさせる味が、何だか懐かしい気持ちにさせてくれる。特筆すべきは黒酢の餡を使った天津焼飯。この天津焼飯を食べるためだけに鹿児島に行く人がいるくらいの固定ファンの多い逸品だ」

■沖縄県「Jef」(ハンバーガー)

「沖縄のローカルハンバーガーチェーンといえばA&WとJefが有名だ。アメリカから来たA&Wに対してJefは沖縄で生まれた純沖縄産のローカルチェーン。その特徴は独特のオリジナルバーガーで、ゴーヤーバーガーやぬーやるバーガーなど、沖縄色を前面に出したアイテムがラインナップしていること。店内の雰囲気もユルユルかつレトロでたまらない。沖縄生まれのJef、居心地が良すぎて長居は必至だ」

〈 「東日本編」はこちら 〉

筆者:BUBBLE-B 
1976年生まれ。滋賀県出身。全国各地の飲食チェーン店の本店をめぐるライフワークを続けるチェーン店専門の研究家。2018年には、WEBライターのヨッピー氏の「 47都道府県のローカルチェーン店まとめ 」に登場し話題に。著書に『 全国飲食チェーン本店巡礼〜ルーツをめぐる旅 』(大和書房)。
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(BUBBLE-B/Webオリジナル(特集班))

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