キラキラの人生を目指さなくても、身近にあるものを最大限に活かすだけで暮らしはもっと豊かになる

キラキラの人生を目指さなくても、身近にあるものを最大限に活かすだけで暮らしはもっと豊かになる

『36歳独身、派遣OL、女子力ゼロ お気楽ひとり暮らし。』yoriko KADOKAWA

 安定した職業に就いていないとダメ、30歳までに結婚しなければいけない、仕事もプライベートももっと充実させなくちゃ――。そんなふうに、自分で作り出したハードルにとらわれ、苦しみもがいている人は意外と多いのではないでしょうか。

 yorikoさんの著書『36歳独身、派遣OL、女子力ゼロ お気楽ひとり暮らし。』では、yorikoさんもかつてそうだったひとりだと記されています。けれど、10年以上付き合っていた彼と別れたことで、それまでの人生が一変。そのときの彼女は36歳、独身、派遣社員。「すべてが『無』になったような絶望感に襲われました」(本書より)と当時の心境を綴ります。

 それまでさまざまなことを頑張ってきたけれど、頑張れば頑張るほどに悲しくなって、虚しくなって、心底疲れてしまったというyorikoさん。本当に大事なことは「誰かが決めた素敵な生活に向かって努力をすることではなく、小さなことにもワクワクできる『気持ちの透明度』を上げること」(本書より)だと悟ります。

 本書は、そんなyorikoさんが「気持ちの透明度を上げ、日々の暮らしを1.5倍増しに感じられるコツ」を具体的に紹介した一冊。日々の生活から居心地の良い部屋の作り方、掃除やおしゃれ、自炊、お金・働き方などについて詳しく書かれています。

 yoriko流ライフスタイルのキーワードを挙げるとすれば「ミニマル」です。彼と別れて引っ越した部屋は6畳ひと間のワンルーム、ユニットバスでクローゼットもなし。そのため、「ほかのもので代用できるものは買わない」が信条。ベッド、テレビ、掃除機、炊飯器は持たずに、ものを増やさないシンプルな部屋作りを徹底しています。

 たとえば、ベッドの代わりに使っているのが折り畳めるマットレス。折り畳んで壁に立てかけると、かなりのスペースがキープできるのだそう。しかも、床掃除がラクというメリットも!

 限られた空間をうまく使うには、アイデアも必要です。浴室で使う手桶や掃除用品、アロマオイルなどはシャワーカーテンを外して穴の開いたランナーに吊るす、備え付けの小さな冷蔵庫は収納庫として食器や調理道具をしまうなど、こうしたところにも「最小限のものを最大に活かす」という、yorikoさんらしいミニマリストの発想が活かされています。

 とはいえ、本書はけっして節約生活を勧めているわけではありません。衣類に関しては、yorikoさんは安いものを買うのではなく、「必要なら少し高くても、定価で購入し、お気に入りだけを揃えるようにしている」そう。また、洋服を選ぶときにはトップス、ボトムス、アウターを組み合わせて3パターン以上のコーディネートができることを心がけているといいます。もともと250着あった洋服は現在25着にまで減ったそうですが、自分の好きな服や着回しやすい服を揃えることで、じゅうぶんおしゃれも楽しめているようです。

 「何者かになろうとしなくても、暮らしはたのしんでいいらしい。寝て、起きて、ご飯食べて、仕事して、笑って、泣いて、無になって、ただ生きるってそれだけですごい」(本書より)と呼びかけるyorikoさん。シンプルでミニマムな暮らし方のコツを身につければ、ひとりで暮らす日常はさらに心地よく豊かになる可能性を秘めているのかもしれません。

[文・鷺ノ宮やよい]

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