新宿から電車で寝過ごし、気づいたら山梨県! 午前0時過ぎに「八王子まで歩いて帰る」と決意した男性

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電車で寝過ごしとんでもないところまで運ばれたとき、「徒歩で帰る」と無茶な決意を固める人もいる。東京都に住む50代前半の男性(技能工・設備・交通・運輸/年収300万円)は、八王子に帰るはずが山梨県まで行ってしまい、かなり過酷な家路を経験したことを明かした。

それは今から15年ほど前のこと。当時公務員だった男性は、転勤する前日に送別会が開かれ、「次の日のことを考えて少しセーブしながら酒を嗜んでいました」と振り返った。それでも、公私ともに慕ってくれていた後輩から引き止められ「2軒目の店で飲んだのち電車に乗って帰路に着いた」という。

■ 「おかしいなぁ。トンネルなんてないはずなのに?」

「その頃の住まいは八王子」だったと語る男性。

「渋谷から山手線に乗り新宿で乗り換えて、中央線ホームは向かうと中央ライナー(編注:現在は廃止)が停車中。酔いも回っていたので『座って帰ろう』とライナーに乗車してウトウト。立川で目が覚めて『あと少しで八王子だ』と起きたつもりが。 気付くと電車はトンネルの中を走っています」

男性が「おかしいなぁ。トンネルなんてないはずなのに?」と考えていると、車内放送が流れ

「本日も特急かいじ号をご利用いただきありがとうございます」

「次の停車駅は塩山(えんざん)」

という音声が耳に飛び込んできた。「ライナーだと思って乗った電車は特急だった」のだ。塩山駅は山梨県甲州市にあり八王子駅からは82キロほど離れている。グーグルマップで見ると徒歩だと17時間(甲州街道経由)かかる。

その駅名を聞いた男性は「聞くと同時に脂汗がダラダラ」と書き、当時の動揺ぶりをこう明かす。

「酔っていたはずがシラフになり出口の前で扉が開くのを待つ私。塩山駅に停車しドアが開くと改札に向かって走る私。改札を出ると共に駅構内は電気が消えました。終電だったのです」

駅前にタクシーは一台も停まっておらず、「街の灯りもまばら」だった。男性はすぐに、こんな決断をする。

「意を決した私は歩いて八王子に向かう事にしたのです」

■ 「時計を見ると午前3時半前。…諦めたくない私はヒッチハイクを始めました」

ということで「塩山駅を出発したのが午前0時15分。そこから国道20号(甲州街道)に出てひたすら黙々と歩き2時間半後に着いたのが笹子トンネル」だった。その過酷さをこう描写している。

「トンネルに入って歩くも歩道がないので、車が来るたび身体をトンネルの壁に添わせて避けなければならず、更に換気口がないので呼吸も苦しくなって来てしまい、やむを得ず入口に引き返す始末」

「時計を見ると午前3時半前。ここまで来たのに諦めたくない私はヒッチハイクを始めました。何台かの運転手さんは私を見て通過。しかし戻ってくる事はなく時間だけが過ぎていきました」

だが、やがて幸運が訪れる。「そんな事をしながら午前4時を過ぎた頃、一台の乗用車が停まってくれた」というのだ。

男性が、「大月駅まで乗せていただけませんか?」とお願いすると、運転手さんは「とりあえず乗っていいですよ」と応じてくれた。「大月駅まで戻れれば始発に乗って八王子に戻れる」と思っていたが……

「走る事1時間。大月駅を過ぎて車は相模湖駅までやって来ました。『ここまででいいですか?』と運転手は笑顔で送り届けてくれたのです」

驚くことに親切なドライバーは、八王子により近い駅まで走ってくれたのだった。男性は深々と頭を下げ「ありがとうございました」とお礼をしたが、「頭を上げるとそこに車はなく、相模湖駅のロータリーに私は1人のみ」だったという。だが車が去ったあと、さらに驚くことがあった。

「切符を買って構内のトイレに行き自分の姿を見てびっくり。ワイシャツは泥だらけ。スーツのズボンも泥だらけ。まるで狐か狸に化かされたのかと思ってしまう出立ちになっていました」

過酷な山道を進んでいたからだろう。男性は、「始発に間に合う事が出来たのも乗せてくれた車のお陰だと感謝」。その後、家にたどり着いたとのことだ。

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