水素水がうつ病予防に効果アリ 話題の水素水を検証する

水素水がうつ病予防に効果アリ 話題の水素水を検証する

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飲むだけで健康や美容に効果があると、水素水がブームになっている。水素水はアンチエイジング効果や活性酸素を取り除く効果があるとの広告も多い。だが一方で水素水の効果には「エセ科学」との指摘もあり、水素水をめぐっては混乱した状態が続いている。

そんな中、水素水がうつ予防に効くという研究結果が、2016年3月に学術的電子ジャーナルScientific Reportsに掲載された。中国の第二軍医大学の研究によると、ストレスからくる抑うつを予防する効果があることが分かったのだ。

□うつ病は炎症性サイトカインが引き金か?

うつ病は意欲低下や不眠、食欲低下、不安などをもたらす精神障害で、WHO(世界保健機関)によると、世界中で1億人以上がうつ病に罹患(りかん)しているとも言われている。

うつ病の患者には、体内の炎症をあおり促すような働きがある炎症性サイトカインの発現が増加するという特徴がある。炎症性サイトカインは、うつ病に関わる神経内分泌および中央神経伝達物質を変化させる。これらの、臨床や動物研究からの証拠により、慢性的なサイトカインの発現は、ヒトにおいてうつ病を引き起こす可能性があるという仮説につながっている(※1)。

□水素水にうつ病を引き起こす元を抑制する効果があった!

最近の研究では、水素には体内の炎症促進を仲介するものを抑制する働きがあることが分かってきている。

そこで中国の第二軍医大学の研究グループは、水素水にうつ病予防の効果があるのではないかと考え、マウスで実験した。研究は、マウスをグループに分けて、水素水や水などそれぞれ条件の違う水を与えて比較した。

その結果、慢性的なストレスにさらされているマウスの脳の海馬などでは炎症性サイトカインが増加していたが、水素を豊富に含んだ水素水を飲んでいたマウスでは、4週間後に減退した。

このことから、水素水にはストレス性のうつ病を予防する効果がある可能性があると分かったのだ。

□水素水は水とどう違う?

水素水とは、水(H2O)にある一定以上の水素(H2)が含まれたものだ。分子状水素医学シンポジウム(現:日本分子状水素医学生物学会)では、水素水における水素の含有量に最低基準を設けており、0.08ppm以上の水素を含んだものを「水素水」としている。

水素水が注目されるようになったきっかけは、老化を進行させる活性酸素を取り除く効果だ。水素水には細胞やDNAを傷つける悪玉活性酸素と結合して、水に変換して体の外に排出するという特徴があるようだ(※2)。

□水素水はエセ科学? 効果がない、とも言われているのはなぜか

しかし、水素水はエセ科学だという指摘も相次いでおり、水素水生成器を販売して業務停止命令を受けた業者もいる。また一方で、研究者により新しい効果も発見されている。

水素水が混乱している理由の一つには、水素水とは呼べない商品を水素水として販売している怪しげな業者が多すぎることもある。

例えば、ペットボトルで販売される水素水は、水素は全て抜けてしまい入っていない。また高濃度水素水と言いながら濃度が低すぎるものや、電解還元水やアルカリイオン水を水素水として販売していることもある。これらの製品には多くの医師や学者が警鐘を鳴らしている。

日本分子状水素医学生物学会は、マイナス水素イオン、プラズマ水素、活性水素、水素吸蔵サンゴ、水素吸蔵ゼオライト、ペットボトルに入った「水素水」とは一切無関係だと明言している(※3)。

□水素水の医療利用への研究が進められている

水素水は初期の研究が注目されてブームになったが、まだ新しい研究であり研究が育っていくのを待つ必要がある段階だ。水素水は、まだ医薬品医療機器等法(旧薬事法)の医薬品の認定はされていないので、注意が必要だ。

水素水のうつ病予防の効果についても、まだマウスの研究段階だ。ヒトへの実用段階にはまだ幾つかの検証研究が必要なため、期待しながら待つというのが正解だろう。

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