人間に発情期がないのはなぜ?生物と人間の発情期の違いは

人間に発情期がないのはなぜ?生物と人間の発情期の違いは

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 春になり暖かい気候になると、近所のネコの独特の鳴き声を耳にするようになる。発情期の訪れだ。人間を除いたほとんどの生物には、発情期がある。実はこの発情期に体内時計もかかわっているという。

□季節ごとに訪れる生物の発情期

 季節ごとに花が咲いたり、秋にサケが産卵のために川を上ったりするように、人間以外の生物には繁殖期がある。動物の場合には発情期ともいわれるが、春に発情期を迎える動物が多い。春は気候が温暖で、食べ物が実りやすい時期なので子育てに適している時期であるためだ(※1)。□発情期をコントロールするものには体内時計も

 生物の発情期は気温の変化などの外部環境だけではなく、体内時計もかかわっている。

 体内時計は時計遺伝子と呼ばれる時を刻む役割のある遺伝子によってコントロールされており、季節だけでなく時間ごとの発情期にも影響を与えている。

 例えばこんな例がある。
・3種のカエルが、それぞれ違う池にすんでいるケースでは発情期は同じ時期になった。
・ひとつの同じ池にすむケースでは、発情期はそれぞれ異なる時期になった。

 このような例はそのほかの生物でも見られており、似た種の生物同士の交配を避けるためだそうだ(※2)。□人間に発情期がないのはなぜ

 同じ生物でも、人間にはそもそも発情期というものがなく、1年を通して生殖が可能だ。京都大学名誉教授である大島清氏によると、人間にも発情期はあったが、進化の過程で失ってしまったのではないかという説が有力だという。

 人間が発情期を失ってしまった理由には、脳の発達をはじめとする以下の原因が考えられている(※3)。
・生物は脳が発達しているほど、母体での発育に時間がかかり、妊娠期間が長くなった。
・人間は子どもを産む数が限られており、その他の生物のように一度に多くの子どもを産むことができない。
・子どもを産んだあとに、一人前になるまで育てるのも大変。□子孫を増やすのに合理的?

 このようなことから、人間の場合は発情期がない方が、子孫を増やす可能性が高くなるため、発情期を失ったのではないかと考えられているそうだ。

 そのほかにも脳の発達により、生殖目的以外で性行為を行うようになったことにも原因があるのではないかと、筆者は考える。

 いまやコミュニケーションのひとつともされている性行為。発情期を失い、生殖以外に性行為が行われるようになったことで、望まない妊娠などの問題も生じている。

 今一度、性行為本来の目的を認識し、責任ある行動をとるようにしたいものだ。

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