減らない子どもへの虐待。親のメンタルヘルスとの関連性

減らない子どもへの虐待。親のメンタルヘルスとの関連性

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 最近日本で、親が自分の子どもを死に至らすという悲惨な事件がニュースになることが多くなった。なかには、耳を疑うような虐待が行われていたケースもあり、児童虐待は深刻な社会問題となっている。

 児童虐待と親のメンタルヘルスにはかかわりがあるとされている。

□児童虐待はなぜ起こるのか?

 児童虐待のニュースがひとたび流れると、多くの人が「なぜ」という気持ちになり、親の精神的な未熟さへの非難が寄せられる。

 しかし、児童虐待はいろいろな要因が複雑に絡みあって起こるものだ。具体的には次のものがある(※1)。

・貧困
・父親の協力が得られないなどの育児環境
・周囲のサポート状況の不足
・子どもの健康状態
・親のメンタルヘルス

 最後に挙げたように、親自身が心の病気にかかっているなどメンタルヘルスに問題があることが児童虐待の要因になることもある。□親のメンタルヘルスと児童虐待の関連

 東京医科大学の児童研究で、ある児童養護施設の児童の調査を行ったところ、こんな結果が出た(※2)。

・入所している子どもの7割が親からの虐待の経験があり、そのうちの過半数は親のメンタルヘルスに問題がみられた。
・入所している子どものうち、メンタルヘルスに問題がある親を持つ者で、虐待を受けていないケースはなかった。

 この調査結果は、あくまで特定の児童養護施設を調査したものであり、どの施設にも当てはまるわけではないものの、親のメンタルヘルスと児童虐待の関連を浮き彫りにしているといえる。□母親の妊娠中からのサポートが特に重要

 メンタルヘルスに問題を抱えているすべての親が、自分の子どもを虐待してしまうわけではないが、リスクは高くなる。

 特に、母親が心の病気を抱えている場合、妊娠により病状が悪化しやすくなるため、妊娠中からのサポートが必要だ。一般に心の病気がある人は、周囲とのつながりを保つことが難しく、なかなか表面化しにくい。□親のメンタルヘルスの地域支援

 自治体では、妊娠届や保健サービスを通して、メンタルケアが必要な妊婦を割り出し、支援を行っている(※3)。

 心の病気を抱えていなくても、妊娠中から産後はホルモンバランスの影響や、慣れない育児による疲労などで、メンタルバランスを崩しやすい。子どもを健やかに育てるためにも、周囲のサポートがない場合は、まずは地域支援を頼るといいだろう。

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