あなたは長生きできる?「教育」「所得」「病気」の意外な関係

あなたは長生きできる?「教育」「所得」「病気」の意外な関係

記事画像

 所得が低い、特別なスキルを必要としない職業に勤務している、失業中、教育年数が少ないなど、社会におけるステータスが低いほど健康を害している人が多く、高所得高学歴の人たちとの健康格差は激しい。日本で行われたある調査によると、年収100万円以下の低学歴高齢者は高学歴高所得の高齢者と比べて、死亡率が1.5〜1.8倍にもなるというのだ。

□所得や教育の違いは健康格差を生む?

 日本福祉大学健康社会研究センターをはじめとする研究チームは、所得や教育の違いで健康格差が生じるかについて調査を行った。

 対象となったのは、1999年から実施されている「AGES(愛知老年学的評価研究)プロジェクト」に2013年10月以降に参加し、今回の研究に協力する意志を示した65歳以上の高齢者約1万4000人(※1)。参加者の「死亡」「要介護認定」「健康寿命の喪失(死亡または要介護認定)」をもって追跡調査は終了となり、「所得」「教育年数」との関係性を分析した。□所得と教育年数が少ないと健康寿命も減少

 調査の結果、年収400万円以上の高所得者と比べて、年収100万円以下の最も所得が少ない高齢者では死亡率が約1.8倍、要介護認定が約1.6倍、健康寿命の喪失が約1.7倍も高かった。また、年収が上がるにつれ、3つの項目すべてが徐々に減少した。

 教育年数に関しても同様で、13年以上の最も教育年数が長い高齢者と比べたとき、教育年数が6年未満の最も短い高齢者では死亡率が約1.5倍、要介護認定が約2倍、健康寿命の喪失が約1.8倍も高かった(※1)。ただし、この結果が観測されたのは男性のみで、女性には見られなかった。□「教育」「所得」「病気」の関係

 教育が不十分もしくは最低限であった場合、選択できる職の幅が狭まり、得られる所得も少なくなる。所得が少なければ日々ストレスにさらされ、健康的な生活習慣を続ける余裕がなくなっていく。医療費すら支払うことができない状況にもなれば、病気やケガを治さずそのまま放置しておく人もいるだろう。所得と教育年数が少ないと寿命が縮まるというのも、当然と言えば当然だ。

 低所得者は病気にかかる確率が高い(※2)。しかも、呼吸器の感染症、エイズ、下痢症など、教育や適切な医療で未然に防げる病気で命を落とすケースも多いのだ。□自分の健康状態を意識する余裕をもつ

 女性においては違いが見られなかったことなどもあり、教育、所得、病気のかかりやすさの関連性にはまだ不明なことも多いが、少なくとも男性の場合、教育年数が少なく現在の所得も低いと健康寿命が縮まりやすいことは確かなようだ。そして、それは不健康な生活や医療を受けられないことによる部分が大きい。健康的な食生活や睡眠を心がけ、必要なら経済的支援なども受け、積極的に適切な医療を受ける。

 このように、自分の健康状態を意識する余裕を持つことができれば、健康や命の心配に脅かされる状況も減らせるのではないだろうか。

関連記事(外部サイト)