出張や旅先でも良質な睡眠を 就眠前の足浴のすすめ

出張や旅先でも良質な睡眠を 就眠前の足浴のすすめ

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眠れない状態で夜が続くとき、最終的には睡眠薬などの薬物療法を行うことも必要だろう。しかし、まずは、最も簡単にできる方法である「足浴」を試してみてはいかがだろうか?

□足浴は不眠を改善する

足浴が睡眠の改善に有効であることは、数々の科学的研究によって裏付けられている。その一例をご紹介しよう。

佐賀大学の研究グループは、不眠を訴える入院患者に対して、就寝前の足浴の効果について検討した。病気やけがで入院している患者にとって、睡眠は病気の回復や傷の治癒、また、精神の安定にとって重要な役割を果たすからである。

研究グループは男性5名、女性4名について、足浴を行った場合と行わなかった場合とで、それぞれの心拍数と神経の活動を調べた。その結果、足浴を行った場合、段階的に心拍数の低下と交感神経の活動の低下が見られ、スムーズな眠りが誘導されていることが示された。

一方で、足浴を行わなかった場合は、このような傾向は見られなかった。さらに、足浴を行った場合は「よく眠れた」と感じることも多くなったという。就寝前に足浴を行うことで、不眠が改善することが示された一例である。

□足浴のやり方

足浴は、就寝前の1時間くらいから15分程度の時間をかけて行うのがよい。お湯は心地よいと感じる程度の温度で、熱過ぎず温か過ぎず、39度〜40度くらいが適温だろう。リラックスして椅子などに腰掛け、足首の上くらいまでの深さにお湯を張る。湯温を一定に保ち、肌寒さを感じないようにするためには、大きめのビニール袋などで、お湯を入れた容器からひざ辺りまでをすっぽり覆うのが効果的である。ブランケットなどをひざに掛けるのもよいだろう。(※1)

このように、足浴は比較的簡単にできるので、例えば、出張先や旅先などで眠れないときなどにも、ぜひお試しいただきたい。

□深部体温と睡眠の関係

脇の下に体温計を挟んで体温を測るというように、体温というと、一般的には体の表面の温度を言う。一方で、体の中にある臓器の体温を「深部体温」と言う。そして、深部体温は睡眠と密接に関係しているのである。

深部体温は体内時計によって調節されていて、1日の中でも波がある。日中から夜間にかけて最も高くなり、夜間の眠っている間(朝方)に最も低くなる。深部体温が低いということは眠りが深いことを意味しており、この深部体温をうまく下げることで良質な睡眠を得ることができるのだ(※2)。

□深部を下げるコツとは

深部体温を下げるコツがある。それは、深部体温をいったん上昇させることだ。深部体温が上昇すると、体は体内にこもった熱を発散しようとするのである。手足がポカポカと温かくなっているのがそのサインだ。

体の末端である手足では血流量が増え、手足の温度が上昇する仕組みになっている。末端の手足で効率よく血液を冷やし、体温を下げているのだ。足浴は深部体温をいったん上昇させるのにとても効果的なので、足浴をすることで良質な睡眠が得られるのである(※2)。

足浴以外にも、ぬるめのお湯に少し長めにつかることも睡眠には効果的だ。高ぶった神経を休め、深部体温を上昇させることができる。さらに、入浴や足浴の前に、ランニングやストレッチなどの軽い運動をすれば、さらに効果は高まるので、これらを組み合わせて行うのがよいだろう。

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