【埼玉少女監禁】アサガオの種で洗脳?幻覚成分は身近な植物にも潜む

【埼玉少女監禁】アサガオの種で洗脳?幻覚成分は身近な植物にも潜む

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2016年9月27日(火)埼玉県朝霞市の少女が2年ぶりに保護された誘拐事件で、容疑者が少女を洗脳するためアサガオの種から抽出した麻薬成分を食事に混ぜるといった異常行動が公判で明らかになりました。

少女に大きな恐怖感や不安感を与え、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に追い込んだこの悲惨な事件の真相に登場した「アサガオの種」には、洗脳させてしまう作用があるのでしょうか。

そこで今回は薬剤師の吉澤先生に、今回の監禁事件、そして身近に潜む精神作用・麻薬成分について解説をしていただきました。
アサガオの種に含まれる麻薬成分
今回、事件で使用されたであろうアサガオの品種は、ヒルガオ科の一年草であるソライロアサガオ(空色朝顔、学名: Ipomoea tricolor)と考えられます。日本では、園芸店などでセイヨウアサガオとして売られており、その種は容易に入手できます。

ソライロアサガオの麻薬成分は、リゼルグ酸アミド(LSA)と呼ばれるアルカロイドの一種で、向精神作用をもつ幻覚剤の一つです。リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)と科学的に近い構造を持ちます。

LSDに比べるとLSAの作用は非常に弱いはずですが、近年、海外ではLSAをドラックとして使用する若者が増えている事が問題視されているようです。
LSAによって引き起こる症状
LSAは、LSDと酷似した構造のため症状も酷似し、幻視、幻聴、時間の感覚の欠如が現れます。LSDは、幻視作用に大きな影響を与え、僅かな量でも物の形が変形、巨大化して見えたり、色とりどりの光が見えたりする状態が8〜12時間続きます。

LSAによる作用は、LSDよりも弱いとの報告もありますが、海外でのLSA乱用のニュースを見るとその作用は、摂取量や飲酒の有無などによっても異なるようです。
精神作用を引き起こす身近な薬

咳止め薬(コデイン含有咳薬 )

咳止めシロップの中にはリン酸コデインやリン酸ジヒドロコデインを含むものがあります。

通常の用量では、脳の咳中枢に作用し咳を抑えますが、多量に摂取すると多幸感が現れ繰り返し使用することで依存が生じます。


抗アレルギー薬(エフェドリン含有薬)

抗アレルギー薬の中には、エフェドリンや塩酸プソイドエフェドリンを含むものがあります。抗アレルギー薬のなかでも鼻づまりにも効果あると謳われる医薬品の中に配合されています。

通常の用量では、鼻粘膜の腫れや鼻の通り道を広げることで鼻づまりを改善しますが、多量に摂取すると交感神経を興奮させる作用が強く出ます。服用により集中力アップやシャキッとするように感じる人がいるようです。
精神作用を引き起こす身近な植物


ナツメグ

抗鬱剤としても用いられるモノアミン酸化酵素阻害薬や精神活性物質であるミリスチシンが含まれるため、過剰摂取では幻覚や多幸感などの精神作用を引き起こします。


ハシリドコロ

脳を興奮させめまいや幻覚を起こします。この症状があまりにも苦しく走り回ることからハシリドコロとの名前がついたそうです。

アルカロイド類のトロパンアルカロイドを主成分とする有毒植物です。山地に多く生息し新芽がフキノトウに似ているため誤食による中毒症状が報告されています。
アサガオでは薬物中毒にならない?
アサガオで洗脳というセンセーショナルな報道に多くの人は、少女がアサガオで薬物中毒のようになったのではと想像したかもしれませんが、実際の効果がどの程度だったのかは疑問です。

なぜならLSAの効果はLSDの5~10%程度と非常に弱く、LSDと同様の効果を得るには多量のアサガオの種の摂取が必要となるからです。

犯人がどのような方法でアサガオの種から成分を抽出しどの程度の量を少女に与えたかが不明なのであくまで想像でしかありませんが、実際には、アサガオの作用は非常に少なかったのではと思います。

洗脳は、身体的強制と精神的強制により形成されます。今回の事件では、少女が逃げ出した際も助けを求めた人々に話を聞いてもらえず、絶望して部屋に戻ったりなど否応無しに洗脳が形成される状況が出来上がっていたのでしょう。
吉澤先生からのアドバイス

今回の事件は、非常に卑劣な事件で少女が精神的に受けたダメージは計り知れませんが、身体的強制と精神的強制から解放されれば洗脳からは脱することができます。

少女の1日も早い回復と幸せな生活を取り戻すことを願います。

(監修:薬剤師 吉澤 恵理)

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