女性のほうが早起きが得意?男性と女性の「体内時計」の違いとは

女性のほうが早起きが得意?男性と女性の「体内時計」の違いとは

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学生時代を思い返すと、なんとなく女の子のほうが「デキのいい子」が多かった記憶がありませんか? これは気のせいではないようで、一般的に、女の子のほうが男の子よりも「長時間おとなしく授業を聞いていられる」「人の話をよく聞くことができる」「感情をコントロールできる」といった特徴があり、学力も高い傾向にあるよう。また欧米の研究によると、睡眠の質や体内時計の周期においても男女差があり、眠りが成績や振る舞いなどのいわゆる「デキのよさ」を左右する要因となっているのだそうです。



男の子のほうが朝寝坊・夜型人間が多い

では、睡眠の質や体内時計の周期の男女差とは、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?


まず挙げられているのは体内時計の周期の差。一般的に男性の体内時計の周期は女性よりも長い傾向があり、夜更かしで朝寝坊型になりがちだと言われています。さらに「深い眠りの時間」(ノンレム睡眠)の長さにも男女差があるようです。男性よりも女性のほうがノンレム睡眠の時間が長く、男性よりも「記憶の定着」がしやすい傾向にあることも指摘されています。

確かに、女性のほうが早起きが得意だったり、昔のことや細かいことをよく覚えていたりする傾向があるような気がしますよね。

この睡眠と体内時計の男女差を考慮し、シアトルなどアメリカの一部の都市では10代の体内時計の周期に合わせて学校の始業時間を遅らせ、時間割を調整するという取り組みを実施しています。

この生徒の成績向上のための取り組みは、実際に成果を上げているようです。

カリフォルニア大学デービス校の研究チームによると、始業時間を午前7時から午後1時半の間で毎月変更している東ヨーロッパの中学、高校に在籍する生徒たちの成績を6年間追跡調査した結果、午後から始まる授業の時は、男子生徒のテストの点数が上がったことが報告されています。始業時間を遅くしても女子生徒の平均点には及ばなかったそうですが、それでも時間割調整前に比べ、男女差は16%も縮まったというのです。



不規則な仕事や夜勤による体内時計の周期の乱れは、女性のほうが悪影響を受けやすい

不規則な仕事や夜勤などのシフト勤務によって睡眠サイクルに変化が生じる場合、その影響を受けやすいのは男性よりも女性であるという報告もあります。


英国のサリー大学では、男性16人と女性18人の被験者に、体内時計の周期と睡眠スケジュールをずらすためにわざと1日28時間のスケジュールで生活をしてもらい、徐々に「時差ボケ」状態をつくるという実験を行いました。集中力や運動コントロール能力、作業記憶を試すテストを受けてもらったところ、男性よりも女性のほうが全体のパフォーマンスが低下することが明らかになったといいます。特に、早朝の時間帯にパフォーマンスが落ちたことも分かっていて、これはちょうど夜勤シフトの人が仕事を終える時間にあたります。



女性ホルモンが女性の睡眠に影響を与えている

ドコモ・ヘルスケアが2016年にまとめた「からだのデータ白書2016」にも面白い報告があります。この白書は2015年の1月1日から1年間、同社のウェアラブルデバイスやアプリを利用している10代以上の1923人を対象に行ったアンケート調査によって作成されたもの。男性と女性の睡眠時間を比較したところ、女性のほうが平均約15分長くベッドの中にいることがわかりました。また、睡眠の途中で目覚めてしまう「中途覚醒」の時間は、男性が平日28分・休日30分であるのに対し、女性は平日21分・休日20分と短いことも判明しています。つまり、女性のほうが睡眠の質が良いということ。


専門家によると、これには女性ホルモンの影響もあるのではないかとされています。というのも、女性ホルモンと睡眠・体内時計は密接に関わっており、例えば月経前や月経中に異常に眠くなる、という女性は少なくありません。これは女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)が身体に睡眠をとるよう働きかけるためです。妊娠するとプロゲステロンはより活発に分泌されるので、妊娠初期は起きていられないほど眠いということを体験的に知っている女性も多いはずです。

女性ホルモンは月経周期や妊娠出産などにより常に大きく変動します。一方、男性ホルモンは女性ホルモンのように大きな変動がありません。これは女性が睡眠スケジュールの変動に影響を受けやすい理由の一つと考えられています。

男性のみなさんは、学生時代にこの事実を知っていれば、「デキの悪さは睡眠と体内時計周期の男女差のせいだから仕方ない!」と言い訳できたのかも…?

睡眠は個人差が大きいものであり、性別の違いだけで大雑把に語ることはできません。けれども、アメリカの一部の学校のように、男女の身体の仕組みの違いを理解し、男女ともによい成果を出せる社会に変えていく動きが必要なのかもしれませんね。

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