がん細胞に身近な風邪薬が有効と判明 今後の膀胱がん治療に大きな期待

がん細胞に身近な風邪薬の成分が有効と判明 死者多数の膀胱がん治療に大きな期待

記事まとめ

  • 北海道大学大学院の研究チームが、風邪薬とがん細胞について研究した結果を発表した
  • 安価な風邪薬にも含まれているフルフェナム酸が、がん細胞に対し効果的と発表
  • 年間多くの死者を出している膀胱がんの治療に役に立つのではないかと話題を呼んでいる

がん細胞に身近な風邪薬が有効と判明 今後の膀胱がん治療に大きな期待

がん細胞に身近な風邪薬が有効と判明 今後の膀胱がん治療に大きな期待

がん細胞に身近な風邪薬が有効と判明 今後の膀胱がん治療に大きな期待の画像

2016年10月17日(月)北海道大学大学院の研究チームが発表した研究によって、風邪薬に含まれる成分ががん細胞に対し効果的であるのではないか、といったことがわかりました。

この発見により、年間多くの死者を出している「膀胱がん」の治療に大いに役に立つのではないかと大きな話題を呼んでおります。

そこで今回北海道大学大学院の研究チームが行った研究について、医師に解説をしていただきました。
北海道大学大学院の研究チームが行った研究

人間の膀胱がんの細胞をマウスに移植して実験を行い、アルドケト還元酵素と呼ばれる物質が、転移した膀胱がんの細胞に多く、膀胱がんの細胞の動きを強めたりや抗がん剤への抵抗力を強くしていると考えられました。

アルドケト還元酵素の働きが安価な風邪薬にも含まれているフルフェナム酸を投与することによって、がん細胞の動きが止まったり、抗がん剤の効果も元通り期待できるようになることが分かりました。

今後、日本で年間2万人が診断されるという膀胱がんの患者さんに、抗がん剤のほかにフルフェナム酸を併用することでより効果的に治療が行える可能性があるという、非常に期待される結果です。
風邪薬に含まれるフルフェナム酸とは
フルフェナム酸はフェナム酸系と呼ばれる非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の一種です。

ほかのNSAIDsと同じようにシクロオキシゲナーゼを阻害することで、痛み物質であるプロスタグランジンなどの生成を抑える働きを持ちます。
膀胱がんとは

尿をためる、排泄するといった機能を持つ袋状の臓器である膀胱の粘膜上皮から発生したがんを膀胱がんといいます。

膀胱がんの原因
膀胱がんの原因として最大のものは喫煙といわれています。また、ゴムや皮革工場などで使用されるアニリン色素、ナフチラミンといった染料との接触や一部の医薬品なども関連があると考えられています。

膀胱がんの症状
・無症候性血尿
・頻尿
・背部痛
・排尿痛
膀胱がんの年間罹患数と死亡率
罹患数
年間に日本でおよそ2万人がり患しているといわれています。

死亡数
年間に日本でおよそ8千人が膀胱がんで死亡しているとされます。
膀胱がんの治療方法

病期により異なりますが、早期がんであれば経尿道的腫瘍切除術(TUR‐Bt)、あるいはそれに膀胱内注入療法を加えたものや膀胱全摘術、また浸潤性のがんであれば膀胱全摘術に加えて尿路変向術や化学療法、放射線療法などです。

進行し、転移のあるがんであれば全身の化学療法などが選択されます。
北海道大学が明らかにした風邪薬の有効性による今後の医療への影響

活動性が高かったり抗がん剤に抵抗性をもつ膀胱がんに対して、フルフェナム酸を用いた方法によって効果的に治療を進められる可能性が考えられます。

意外と身近な物質から、がんの治療に効く可能性のあるものが発見されるのは、非常に素晴らしい成果ですね。

(監修:Doctors Me 医師)

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