湧き水を飲んだらカンピロバクター食中毒に…持ち帰りも要注意

湧き水を飲んだらカンピロバクター食中毒に…持ち帰りも要注意

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新潟県は、2017年6月5日に県の小学生が山中で湧き水を飲んだことにより、カンピロバクター食中毒が発生したことを発表しました。(参考)

湧き水に潜んでいたカンピロバクターとは、どういうものなのでしょうか。

今回は、カンピロバクター食中毒について医師に詳しく解説していただきました。
カンピロバクターとは

細菌の一種で、胃腸炎を引き起こします。

感染経路
カンピロバクターは野鳥、ニワトリ、ウシ、ブタ、ヒツジなどの腸内におり、これらの肉や、未殺菌の卵・乳、糞で汚染された井戸水・湧き水にいます。

上記のようなものを食べることで感染します。

また、イヌ・ネコなどのペットも菌を持っていることがあるとされています。

潜伏期間
2〜5日と言われています。
近年のカンピロバクターの患者数の推移や傾向

患者数の推移
食中毒の原因としてはサルモネラ・腸炎ビブリオ・黄色ブドウ球菌に次いで多く、増加傾向にあります。

日本では一年に2000人程度の患者が報告されています。

子どもでは特に多くなっています。

感染しやすい時期
多くの細菌は温度が高いほうが増殖しやすいので、細菌による食中毒は夏に多い傾向があります。

しかし、カンピロバクターは温度が低く湿っており、酸素に触れない環境下で長く生きられる菌で春や秋に多く、冬に見られることも増えているとされています。
カンピロバクター食中毒の症状

症状
・下痢
・嘔吐
・腹痛
・発熱(38℃以下であることが多い)
・悪寒
・だるさ
・頭痛
など

上記のような症状のため、風邪と診断されることも多いです。

(参照:国立感染症研究所)

下痢の特徴
下痢は水のようだったり、血や粘液が混じることもあります。下痢は1〜3日で治まると言われています。下痢の回数が多く、脱水症状になることもあります。

ギランバレー症候群
ほとんどは自然に回復し、特に薬を使う必要もなく、後遺症も残りませんが。

しかし、まれに(1%以下)症状が治まった後に2週間ほどしてから手足の力が入りにくくなったり目が動かなくなったりしてギランバレー症候群という状態になることがあります。

これは、カンピロバクターの菌の成分と、体を動かすための神経の成分に似た所があり、カンピロバクターを体から排除するための免疫システムが、間違って自分の神経を攻撃してしまうことによるのではないかといわれています。
カンピロバクター食中毒の治療内容

検査
便を検査し、菌を検出します。血液検査では菌の特定はできません。

治療
多くの場合は特別な薬を使わなくても自然回復しますが、水分補給や整腸剤の使用を行い、抗生物質を内服することもあります。
カンピロバクター食中毒の予防対策

肉は十分な加熱をする
肉は十分(中心温度が75℃で1分以上)加熱して食べましょう。冷凍しても死なないとされています。外食では鳥刺し、レバ刺し、ユッケなどに注意します。

加熱殺菌していない牛乳や卵にも注意が必要です。

生肉と野菜の調理器具を分ける
生肉を扱う調理器具と、サラダなどの生で食べる食材の調理器具は分け、両方を調理する場合は石鹸と流水で手洗いするようにします。

調理器具を乾燥させる
カンピロバクターは乾燥に弱いので、調理器具をしっかり乾燥させると効果的です。

生水は沸騰させる
生水は沸騰させてから飲むようにします。

食前に手を洗う
ペットの糞を始末したあとは、食事の前に手を洗うようにします。
最後に医師から一言

カンピロバクターはありふれた菌であり、生肉や生水を避けることで多くの場合予防することができます。

お年寄りや子どもは抵抗力が弱いので特に注意する必要があります。

(監修:Doctors Me 医師)