格闘技の選手から流行!外来の水虫菌「トンズランス菌」とは?

外来の水虫菌「トンズランス菌」格闘技関係者を中心に広がる 部活動でも懸念

記事まとめ

  • 水虫菌「トンズランス菌」が柔道やレスリングなど格闘技関係者を中心に広がっている
  • 一般的な白癬菌より感染力が強く、治りにくいとされているので注意が必要とのこと
  • 足には感染しにくく、頭、顔、首、上半身に症状が出やすいという特徴も

格闘技の選手から流行!外来の水虫菌「トンズランス菌」とは?

格闘技の選手から流行!外来の水虫菌「トンズランス菌」とは?

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皆さんは、比較的最近日本に入ってきた外来の水虫菌の一つ「トンズランス菌」をご存知でしょうか?柔道やレスリングなどの格闘技で、選手同士から流行が始まったと言われています。


部活動でも懸念されるので、学生のお子さんをお持ちの親御さんは、感染予防対策など知っておくと良いと思います。


今回は、トンズランス菌について、気になる感染経路・症状・治療法・予防対策について医師に解説していただきました。






トンズランス菌とは



トリコフィトン・トンズランス菌はカビ(真菌)の一種で、手足に住み着く水虫の菌(白癬菌)の仲間です。


「トンスラ」とは、頭頂部が円形に脱毛したフランシスコ・ザビエルのような髪形を指す言葉で、この白癬菌に感染すると毛が抜けてしまうことから名付けられたようです。


このカビは皮膚の表面、角質にあるケラチンというタンパク質をエサにしており、フケ・垢を食べて生きています。


ポルトガル、スペイン、キューバなどを経てアメリカに持ち込まれ、日本では2001年に確認された比較的新しい種類のカビです。




トンズランス菌の感染経路



柔道やレスリングなど体が密着する格闘技の選手が国際試合で感染して持ち込んだと言われており、現在も格闘技関係者を中心に広がっています。


基本的には、格闘技で体を密着させたり、衣服やタオルを共有したりといったことで感染します。しかし、家族から感染する場合もあるので、自分が格闘技をしていなくても感染する可能性はあります。


一般的な白癬菌より感染力が強く、治りにくいとされているので注意が必要です。




トンズランス菌が感染しやすい部位




一般的な白癬菌に比べ、足には感染しにくく、頭、顔、首、上半身に症状が出やすいと言われています。




トンズランス菌に感染した場合の症状

症状が軽い場合



皮膚が淡く赤くなり、小豆〜爪の大きさぐらいのフケやかさぶたが出ることがあります。


症状が非常に軽い場合は、発見が難しい場合があります。擦り傷やかぶれに似ていたり、よくよく探すと一部毛が抜けている部位がある程度の場合もあります。


症状が軽くても他人に対する感染源になってしまうので注意が必要です。


症状が重い場合


頭皮では赤く腫れたり頭皮から膿が出て、円形脱毛症のように毛が抜ける場合があります。この状態をケルスス禿蒼(とくそう)と言います。毛が途中で切れて、毛穴が広がって黒くなってしまうこともあります。


また、頭皮の炎症が強くなり毛根が破壊されてしまうと毛が生えてこないケースもあるので、酷くなる前に早めに受診をしましょう。




トンズランス菌の治療法



検査
皮膚の一部や垢・フケを顕微鏡で見て、カビがいるか確認します。また、ヘアブラシで頭皮を強くこすり、培養をしてカビを探します。


治療法
症状がなくても同じ部活動内で患者が見つかり、検査でカビが見つかった場合はキャリア(保菌者)として治療する必要があります。


■ 薬

程度によって塗り薬を1カ月程度塗るだけの場合もありますが、基本的にはカビの繁殖を抑えるような飲み薬を1週間〜2カ月程度間飲むことになります。


■ シャンプー

頭には抗真菌薬入りのシャンプーを約3カ月以上使用します。菌が消えたかどうか再度ブラシ検査を受けて評価する必要があります。




トンズランス菌の予防法




・練習や試合が終わったらシャワーを浴びて体・頭を石鹸で洗い流す。シャワーがなければ水で濡らしたタオルで拭く。


・練習着はこまめに洗濯し、タオルや帽子の貸し借りはしない。


・床を掃除機で掃除し、垢・髪の毛が落ちていないようにする。




最後に医師から一言



もともと部活動や寮で長時間一緒に過ごす仲間の間で白癬菌感染が流行することは多く、インキン・タムシ・シラクモと呼ばれていましたが、トンズランスは一般的な白癬菌より感染しやすく治りにくいことが問題です。


感染が分かると練習を休まなくてはいけない・試合に出られないことを恐れ、感染を隠す人もいるようですが、周囲への感染を広げないためにも、こまめに症状を確認する必要があります。


(監修:Doctors Me 医師)




参考文献

・日本臨床皮膚科医会 トンズランス感染症

・日本柔道連盟

・トンズランス感染症研究会

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