生肉好きに警告!体内に寄生虫が…条虫感染症のリスクと予防対策

生肉好きに警告!体内に寄生虫が…条虫感染症のリスクと予防対策

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生肉を好まれる人で、リスクがある感染症の一つに「条虫感染症」があります。


条虫と呼ばれる寄生虫が腸や皮膚などの体内に寄生し、様々な症状を引き起こします。


今回は、条虫感染症の中で、有鉤条虫・無鉤条虫・広節裂頭条虫について、感染経路や症状を詳しく解説します。






条虫感染症とは



条虫は寄生虫の一種です。寄生虫とは人体内部に寄生する生き物で、自分で動く能力があります。細胞一つだけでできた小さい寄生虫もいれば、多数の細胞からなり、目で見える大きさのものまで多種多様です。


その中で条虫は、頭や体が節となって連なったような構造をしています。サナダムシと呼ばれることもあり、これは「真田紐(サナダヒモ)」という平たいヒモに似ていることから名づけられています。


オス・メスの区別はなく、卵を産んで増えますが、卵を産まなくても頭があればそこから体を再生することができます。単独で生きていくことはできず、人間や何らかの動物の体内に棲みつき、栄養を奪って生きています。




有鉤条虫について



特徴
もともとアジア、アフリカ、中南米に分布しており、日本では沖縄に生息していますが、感染しているブタを輸入したり、感染した人間から直接感染した場合には沖縄以外でも感染することがあるとされています。


虫の体全体は2〜3メートルに及び、平たいヒモやきしめんのような外見です。その幼虫である嚢虫は長径8mm程度のラグビーボール状です。


感染経路
成虫は自然界の中で人間の腸内だけに生息しています。人間の肛門から虫の一部や卵が便内に出て、それをブタが食べると、幼虫である嚢虫になり筋肉に潜みます。


嚢中が含まれたブタ肉を加熱不十分なまま人間が食べると、腸内で成虫になるほか、嚢虫が皮膚、筋肉、脳、眼球などに移動して様々な症状を引き起こすことがあります。


症状
皮膚に寄生すると、小指ぐらいのこぶのような固まりを作ります。脳に寄生すると痙攣や意識障害を起こすこともあります。


予防対策
ブタに人間の便を肥料として与えないことが重要で、日本国内産のブタは問題ありませんが、海外でブタ肉を食べる際は十分加熱されているかどうか注意が必要です。


流行地では上下水処理が不十分な可能性もあり、湧き水や生水は飲まないようにします。アナルセックス(肛門を舐めるなど)で感染することもありえます。


治療法としては、駆虫薬を飲んだり、嚢虫を外科的に取り出します。




無鉤条虫について



特徴
外見は有鉤条虫に似ていますが、やや長く3〜6mに及びます。豚肉の中にいる有鉤条虫とは対照的に、無鉤条虫は牛肉の中にいます。


幼虫である嚢虫は長径8mmほどの白い米粒のようなもので、牛肉の中にあると目で見えると言われています。


感染経路
無鉤条虫の成虫は人間の体内にしか存在しません。体の節がちぎれ、15〜20mm程度の白い円柱形の節が便に出てきます。これは伸び縮みして動くので、便の上で動いているのが見えます。


この便を牛がエサとして食べ、筋肉の中に幼虫が増えます。この肉を人間が食べることで感染します。


症状
腹部不快感、腹痛、下痢、だるさ、食欲の変化(低下するか、異常に食欲が増える)があります。便の上で虫の節が動くことで気づかれることが多いです。


有鉤条虫とは異なり、嚢虫が体内の色々なところで悪さをするということはないと言われています。


予防対策
エサとして人の便を与えられているような牛の生肉を食べないようにします。60度以上に加熱するか、マイナス10度で10日以上冷凍したものは安全と言われています。




広節裂頭条虫について



特徴
無鉤条虫・有鉤条虫と似ていますが、さらに大きく、5〜10mに及びます。


感染経路
成虫は人間の腸内で卵を産み、便と共に出た卵が幼虫となり、ミジンコがそれを食べ、さらにサケやマスが食べます。魚の中で1〜2cmの目に見える幼虫になり、人間がそれを食べることで感染します。


幼虫は目で見えます。衛生状態には関係なく、日本を含め広い範囲で取れた魚に幼虫がいます。その確率は10〜50%と言われています。


症状
肛門からヒモのような虫が出てきて気づくことが多いとされています。この条虫は、節ごとにちぎれずに、ヒモ状に連なった状態で出てきます。


下痢、腹痛、お腹の張り、吐き気、だるさ、体重減少などが見られます。虫に栄養を取られるため痩せると言われており、真偽は不明ですが、ダイエットのためにわざとこの虫を飲むという人もいるという噂があります。


予防対策
魚に幼虫がいるかどうかはチェックが行われておらず、生食用として販売されている以外の魚は60度以上で十分加熱してから食べるようにしましょう。冷凍処理でも死滅すると言われています。




条虫感染症の診断方法




何らかの腹部症状(お腹の張り、下痢、腹痛)や体重減少があり、食品を生で食べたという場合に疑うことになります。


便を調べ、虫の体や卵を探します。虫は大腸より小腸に多く、内視鏡が届かないため、大腸カメラでも虫を直接見ることは難しく、小腸内視鏡など特殊な検査が必要になる場合もあります。


また寄生虫疾患は数が少なく、医師でも実際の患者さんを診たことがある人は少ないため、診断に苦労する場合も多いと思われます。

腹痛などで病院を受診する際は、生ものを食べたり衛生状態の悪い地域で海外旅行をしたりしたかを申告するようにしましょう。




最後に医師から一言



条虫にはこの他に単包条虫・多包条虫(いわゆるエキノコックス)と呼ばれるものもあります。北海道のキツネにいることで有名な寄生虫です。


条虫感染症の予防対策として、食品は十分加熱して食べ、上下水道が整備されていない地域では井戸水や生水を飲まないようにし、肛門や性器付近を舐める行為にはリスクがあることを知っておく必要があります。


(監修:Doctors Me 医師)

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