松岡修造と松木安太郎、スポーツ中継を盛り上げる力はどっちが上?

松岡修造と松木安太郎、スポーツ中継を盛り上げる力はどっちが上?

@DIME アットダイム

サッカーとテニス。畑は違えど、ふたりの語録には「???」なものが多い。ところが、彼らの言葉を聞いていると、なぜかTV観戦が盛り上がる。スポーツ実況のプロの目にはどう映るのか?

写真/アフロスポーツ

[選者]
元フジテレビアナウンサー・長谷川 豊さん

1975年生まれ。元フジテレビアナウンサー。2012年にフジを退社後、フリーアナウンサーとして、『バラいろダンディ』(東京MX)などで活躍中。

◎無言だから伝わる臨場感や感情

 まずは次ページからのふたりの台詞を読んでみてほしい。「おッ、PKか? よーしっ!」(松木)、「あきらめないッッッ!」(松岡)など、解説者というよりは、熱烈なオヤジファン≠フような発言が並ぶ。ところが、「これはなかなかマネできない」と、元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏。

「松木さんは咄嗟の思いつきで適当に話しているようにも聞こえるが、ユーモラスな発言の裏には大丈夫、前を向いて応援しよう!≠ニいうメッセージ性がある。たとえ日本代表が劣勢でも、彼の解説だとなぜか楽しく見てられる。一方、松岡さんは元トッププレーヤーだけに、言葉に重みがある。ユーモア性は松木さんほどないが、間を取るのがうまく、言葉の感性が純粋で豊か。だから、観る人の心に響いてくるんです」

 長谷川氏がこれはなかなかできないよ≠ニうなったのは、意外にも松岡氏の「無言」解説。

「言葉を発しないことで、逆に現場の臨場感や、喜び、怒りといった感情を伝えることができる。下手な解説者はすぐに間を埋めようとどうでもいいことばかり話してしまう。最近のプロ野球の視聴率低迷は下手な解説のせいでしょう(笑)」

 名解説も人気の一因なのかもしれない。

写真/アフロスポーツ

サッカー解説
松木安太郎さん

1957年生まれ。読売クラブの選手、ヴェルディ川崎の監督として活躍後、解説者に転身。ユーモアセンスに長けた解説にファンは多い。

「……黙って見てましょう!」
2011年、アジアカップ日本対韓国、本田のPK直前、アナウンサーから「どこに蹴るんでしょうね」と振られ

「6分〜!?ふざけたロスタイムですね〜」
2011年、アジアカップ日本対シリア、日本リードの場面のロスタイムがわかった時

「十分な時間です!!」
2006年、日本対ペルー、日本がリードを許している場面にロスタイムを見て

「いや〜もう今日ね、カツ丼食ったからね、俺たち!」
2013年、日本対ベルギー、日本が大きくリードした場面で

「多少システムがあっても、ボールを持った人がガーッと行って、ドーンと決めたら監督は文句言いませんよ!ハッハッハッ!ザッケローニがシステム、システムって言うんですけど、いいんですよ、11対11でやってくれれば!」
2015年、日本対ペルー

「今、キーパーいなかったら入ってましたね〜」
2011年、アジアカップ日本対ヨルダン、岡崎がゴールを外した場面

「おッ、PKか?PK?PK!PK!PKだ!よしっ!よーしっ!」
2011年、アジアカップ日本対韓国、延長後半に岡崎がペナルティエリア近くで倒された場面で

「まァ、中でいいんじゃないですか」
その後、倒されたのがエリアの外だとわかって

写真/アフロスポーツ

テニス解説
松岡修造さん

1967年生まれ。ビッグサーブが武器のプレーで、全英ベスト8などの高い実績を残す。引退後はタレント&指導者&解説者として活躍。

「キターーーーーー!!」
2014年、楽天ジャパンオープン決勝、第1セットがタイブレークに突入した際

「ちょっと怒っていいですか?松岡さんはグランドスラムのベスト8に入ったって(錦織圭と)比較する人がいるじゃないですか。カチンと来ちゃう。松岡修造と錦織圭を同じにするなって感じですよ。こっちとしては。圭はベスト8からどんどん行く選手。僕はまぐれで1回跳ねた人。全然才能が違う」
2013年、TVのバラエティー番組で

「…………(無言)」
2014年、全米準決勝、錦織がジョコビッチから第2セットを取り返した場面

「ブレークのチャンスがあった。それを逃して、今の錦織選手は攻めるのか、我慢するのか迷っているところだと思います」
2015年、試合中にチャンスを逃した錦織を見て

「1分でもいい、1秒でもいい。長くコートにいてほしい」
2014年、ATPツアーファイナル準決勝、錦織対ジョコビッチ、錦織が大きくリードされた場面で

「あきらめないッッッ!!!」
2014年、ATPツアーファイナル準決勝、錦織が大きくリードされた場面からジョコビッチをパッシングで抜いた際

「さぁ圭!日本の皆さんも一緒に戦っていくぞ!!」
2014年、ATPツアーファイナル準決勝、錦織対ジョコビッチの試合前

「ジョコビッチは「前に出なきゃ、攻めなきゃ」。そう思っているんです。下がらない……」
2015年、全豪、ジョコビッチ対マレー、流れの悪くなったジョコビッチに対して

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 一言で例えるなら、「ユーモアの松木」と「間の松岡」。何よりも右表のように、ふたりの熱さはケタ違いで、選手愛・日本愛≠ヘ天井知らず。とはいえ、言葉だけを聞くなら、やや松木さんに分がある。ニュース番組など、動きを見せながらの解説なら、松岡さんに軍配か。

写真/YUTAKA/アフロスポーツ、長田洋平/アフロスポーツ

文/編集部

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