なぜ今、パクチー好きが増えているのか?

なぜ今、パクチー好きが増えているのか?

@DIME アットダイム

「えっ、まだパクチー食べたことないの?」そう言われると、なぜかものすごく時流に遅れているような気になってくる。しかし、そもそも「パクチーって何?」レベルの人もいるはずだ。まだまだパクチーは、一部のパクチーマニアにのみ愛されている食品である。

そこで、パクチーの魅力や日本人になぜウケるのかを、日本エスニック協会のタイ料理に詳しいアンバサダーに聞いて分析してみよう。

■パクチーとは?

パクチーは、ハーブの一つ。セリ科でコリアンダーとも呼ばれるものだ。東南アジアや中南米で多く育てられており、エスニック料理や中華料理に欠かせない存在だ。

このパクチー、一体どのような特徴があるハーブなのだろうか? 日本エスニック協会アンバサダーの下関崇子さんに聞いた。

「ハーブの特徴として、一番に挙げられるのが、なんといっても、あの香りです。日本では『カメムシ草』という俗称があるように、かなり独特な香りなので、苦手な人は苦手。パクチーが好きになってしまう人は、この独特の香りにとりつかれてしまうのかもしれませんね。

また、最近注目されている特徴は、『デトックス効果(解毒作用)』です。大気汚染や食品汚染などで体内に少しずつ溜まってしまう有害毒素(水銀、ヒ素、アルミニウムなどの重金属)を外に出す助けをする働きがあることが、研究で発表されました」

■パクチーを料理に使う目的は?

独特の香りとデトックス効果が期待できる魅力的なハーブ、パクチー。料理ではどのような目的で使われているのだろうか?

「タイ料理でパクチーを使う場合、和食で例えると薬味のような感覚です。タイ料理=パクチーのようなイメージがあるのは、そのせいかもしれません。

日本では、刻んだネギをラーメンにトッピングしたり、揚げ出し豆腐やお味噌汁などにパパッと入れたりしますが、それと同様に、タイ料理では刻んだパクチーをトムヤムクンにトッピングしたり、炒飯の彩に加えたり、スープに浮かべたりしています。

調理に使う場合は、サラダ系(ヤム、ラープ)に使うことが多いですが、パクチー単独で使うというよりも、何種類か入れるハーブのうちの一つとして使います。目的は、薬味なので、香りづけが主だと考えられます。

パクチーを入れるだけで、口の中に爽やかなエスニック風味が漂います」

■パクチーが苦手な理由

日本エスニック協会が2015年2月に行った「パクチーに関する調査」では、36.7%の人がパクチーが好きだと答えていた。反対に、苦手な人は41.9%にも上った。それほど大きな開きはないものの、好みははっきり分かれるようだ。下関さんは、苦手と感じる人が多い理由を次のように推察する。

「パクチーの香りがはじめは苦手であっても、食べ続けることで苦手意識がなくなり、食べられるようになる人も多いんです。つまり、苦手という人は、『パクチー=臭い』というイメージや先入観が強い “食べず嫌い”の人が多いのではないでしょうか」

■パクチーはなぜそこまで人気なのか?

食べず嫌いが登場するほど、パクチーはトレンド食材として注目を集めている。そのパクチーここまで日本人を惹きつける理由はどこにあるのだろうか?

●パクチーを食べる機会が増え、食わず嫌いが減っている

「私のまわりでも、昔はパクチー嫌い・苦手だったけど、今は大好き!という人が実際にいます。近年のエスニックブームにより、タイ料理や各国のアジア料理のレストランも増えており、またファミリーレストランで提供される東南アジア料理にもパクチーが付け合わせされています。市販のインスタント食品やスナック菓子でもパクチーの味付けのものも増えてきており、“食べず嫌いの人”もパクチーを食する機会が増すことで、『意外と美味しいかも』とパクチー好きになっているのではないでしょうか」

●パクチーの新しい味を発見し、ハマってしまう

「パクチーと何かを掛け合わせることで、新しい味を発見したときの喜びもあるのでは? 例えば、タイ料理ではないですが、アボカドディップの『ワカモレ』なども、やっぱりパクチーが入ると美味しいですし、一見、パクチーが入っているとわからないので、苦手な人が知らずに食べて、『あ、おいしい!』となるパターンかもしれないですね。」

■こんな食べ方もあった!おすすめのパクチーの美味しい食べ方

食べるとハマってしまう人続出なパクチー。あまり知られていない美味しい食べ方を聞いてみた。

●味噌汁やおにぎりにパクチー

「実は和食にもパクチーは合うんです。お味噌汁のトッピングにする、刻んでジャコおにぎりに混ぜるなどするのがおすすめ。和風の味だけど、どこか爽やかという感じがいいですよ」

●火を通すと青臭くない

「青臭いニオイがダメという人は、火を通すとよいでしょう。刻んで餃子やつくねの種に入れたりすると、生のパクチーとは一味違う美味しさが発見できますよ。秋から冬にかけては、鍋の具にして、さっと火を通して、たっぷりと食べてもいいですね。ポン酢とも相性抜群です。万能ねぎや水菜のような感覚で、ぜひ和食に取り入れてみてください。」

パクチーはタイ料理やエスニック料理に使おうとするとハードルが上がってしまうが、和食や餃子などに使えば手軽に美味しくパクチーを取り入れられそうだ。

取材協力/下関 崇子(しもせきたかこ)
一般社団法人「日本エスニック協会」アンバサダー。
在タイ歴6年。タイの屋台料理やジャンクフードなど400種類以上を日本の食材で再現。リトルプレス『バンコク思い出ごはん〜食べたいタイ料理88レシピ』『暮らして恋したバンコクごはん〜タイ料理レシピコレクション』は本邦初公開レシピも満載。近刊『朝から晩まで食べたいごきげんパクチーレシピ83』(メディアパル)
http://greens.st.wakwak.ne.jp/905249/

取材・文/石原亜香利

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