気づかぬうちにやっている!?嫌われる人の話の「きき方」

気づかぬうちにやっている!?嫌われる人の話の「きき方」

@DIME アットダイム

人の話を聞いている時、あなたは何を意識しているだろうか。もしかしたらその聞き方が間違っており、コミュニケーションに失敗している可能性もある。そこで、ビジネスコーチングの講師に、人の話の間違った「聞き方」と正しい相槌や目線のコツを教えてもらった。

■人の話を聞いている時、NGの2つの「きく」

今回、人の話の聞き方を教えてくれたのは、プロフェッショナルコーチの小野仁美さんだ。小野さんによれば、次の2つの「きく」が、NGな「きき方」だという。2つの「きく」とは、「聞く」と「訊く」だという。それぞれのダメな理由について聞いてみた。

●「聞く」…門構えの耳は、門の隙間から音が聞こえてくるの意。

「話を“聞いている”人は、相手の話をちゃんと受け止めようという意識が弱い人。新聞や資料を見ながら、スマホ操作しながらなど、『何か言っているなぁ〜』といった感じのきき方です。

これを『内的傾聴』と呼びます。相手の話を聞きながら、自分と会話(自己対話)をしているので、途中で口を挟み自分の考えや助言を言い出したり、相手の言葉を遮ったりします。

このきき方ですと、『この人、私のことを受け止めてくれない』という印象を相手に与えますし、『うわの空』と相手に映ってしまいます。いわゆる、目の前にいるのに、相手にとってみては『居て居ない人』になってしまうのです」

●「訊く」…自分の訊きたいことばかりを尋ねる。

「“訊く”とは、相手が話したいと思っていることではなく、自分が知りたいことだけを訊くきき方です。親と子の会話にもありがちです。親は自分の訊きたいことだけを、子供に質問し訊こうとします。子供は訊かれたことには答えてはいますが、それは自分が本当に話したいことではなかったりします。これが続くと、相手は、『私の話には興味がないのかな』という印象を与えます。まずは、相手が『話したい!』と思っていることを、受け止めてあげましょう。それから、自分が知りたいことを“訊く”ようにしましょう」

■人の話の正しい「きき方」は?

では、正しい人の話の「きき方」はどのようなものなのだろうか? やはり正しいのは「聴く」だった。

●「聴く」…相手の存在を受け止める。

「最も良いのは、“聴く”こと。相手の話にしっかりと耳を傾け、心をそこに置きます。言葉だけではなく、相手の表情や態度、声のトーンや抑揚・大小からも、何かを感じ取りながら、相手の存在すべてを受け止める。これが“聴く”です。

このように、“言語”と“非言語”の両方を受け止めるのが大事です。

このとき、相手の言った同じ言葉を繰り返すのも大切です。あなたの言っている言葉を受け止めている、という安心感が相手に伝わります。また、同じ言葉を繰り返しながら聴くことで、自分の意識を相手に向け続けやすくなります。

また、相手の非言語から感じ取った直観を確認しながら、聴くのも大切です。これが、全神経を相手に集中させて聴く『集中的傾聴』のスイッチが入った状態になります」

■相槌、視線なども活用しよう

人の話を聴くときには、相手の話を受け止めるために、こちらの非言語の応対も重要になる。例えば、相槌、視線などによく困る人は多いのではないだろうか。相手に良い印象を与えるやり方を小野さんに教えてもらった。

●相槌

「否定的な言葉の相槌は控えましょう。人によっては、嫌がられます。例えば『それ本当なの?』『うそでしょ〜』『ムリだよ』『違うんじゃない?』などです。

良い相槌は、『へえ〜、うんうん、いいねえ、はいはい、あー、そうそう、なるほど、たしかにね〜、それあるよね、いいじゃない、おもしろいね〜、そうですね、ええ、すごいね〜』など。レパートリーはできるだけ増やしたいですね。コミュニケーションの活性化につながります。

ちなみに、『頷(うなず)く』という相槌は、相手の話のペースに合わせるのがポイントです。相手が早いスピードで話してきたら、頷きは浅く早く。ゆっくり話してきたら頷きは、ゆっくりと深く行なうことが重要です。これを『ペーシング』といいます」

●視線

「こちらも『ペーシング』が大事です。相手が視線を合わせてきたら、自分も相手を見る。相手が視線を外したら、少し視線を外してあげるなど。

必ずしも目と目を合わせる必要はありません。相手の距離が近ければ口元やあごの辺り、相手との距離が少し離れていたらネクタイの結び目くらいに視線を置くと、眼差しがやわらかくなり穏やかそうな視線になります。目と目を合わせると、視線が少しきつくなってしまい、お互い緊張してしまいます」

■相手に安心感を持ってもらうことでコミュニケーションの扉を開く

これらの受け止め方や相槌、視線などの方法で相手の話を「聴く」ことにより、ある大きな効果が生まれるという。

「コミュニケーションで大事なのは『安心感』です。『この人は、わたしの話を聴いてくれる人だ、一旦はちゃんと受け止めようとしてくれる人だ』という安心感が、相手のコミュニケーションの扉を開けていきます。扉が開いていけば、そこに『情報』が流れ出します。情報には『質(本音・本心)と量(フランク・冗談・何気ない会話)』があります。情報が流れていけば、お互いの間にコミュニケーションによって『信頼』が生まれてくるでしょう。

そのためには、『今、この人は安心して、私に話をしてくれているかどうか』『私は、この人が安心して話せるよう、サポートできているかどうか』という2つの振り返りが必要です」

人の話を聴くというのは、受動的な行為に思えるが、実際は、相手の話を傾聴しながら、相手が安心して話すことができているかどうかのチェックとサポートという能動的な行為も必要であることが分かる。こうして見ると、人の話を聴くという行為はとても奥が深い。ぜひ追求してみよう。

◆小野 仁美さん
株式会社ビューティアンドサポート代表取締役。コーチングでは国内トップクラスの実績を持ち、企業、医療、教育界のリーダーへのコーチング研修を数多く行ないながら、エグゼクティブコーチング・ビジネスコーチング、個人対象のパーソナルコーチングを行うなど、多彩な活動を誇る。
http://www.beauty-and-support.com

取材・文/石原亜香利

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