幼稚園・保育園で遊び込む経験が多い子どものほうが「学びに向かう力」が強い

幼稚園・保育園で遊び込む経験が多い子どものほうが「学びに向かう力」が強い

@DIME アットダイム

ベネッセホールディングスの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」は、幼稚園や保育園、認定こども園などに通う年長児をもつ保護者2266名を対象に、2月に「園での経験と幼児の成長に関する調査」を実施した。国内外の研究において、改めて幼児期の教育や保育の重要性が明らかになる中、この調査は、子どもの成長と関連する園での経験や、それを支える園の環境がどのようなものかを検証。園での子ども経験という視点から「保育の質」を議論する際の参考となる資料を目指した。

■園生活と子どもの成長

年長児の保護者の半数以上は、この1年間で、園で子どもが“遊び込む経験”が「よくあった」と回答。具体的には、「遊びに自分なりの工夫を加える」(66.5%)、「先生に頼らずに製作する」(64.9%)、「挑戦的な活動に取り組む」(59.1%)、「見通しをもって、遊びをやり遂げる」(52.9%)となっている(%は「とてもよくあった」+「よくあった」の合計)。

また、保護者の6割台は、園に“自由に遊べる環境”があったと回答。具体的には、「自由に遊べる時間が十分にある」(68.8%)、「自由に遊べる遊具や素材が十分にある」(65.8%)、「自由に遊べる場所が十分にある」(64.6%)などとなった(%は「とてもよくあった」+「よくあった」の合計)。そして調査から、園で自由に遊べる時間や場所、遊具や素材があるなど、自由に遊べる環境が充実しているほど、年長児の“遊び込む経験”が多くなることも判明。先生が子どもの「やりたい」気持ちを尊重しているなど、受容的に関わっているほど、年長児の“遊び込む経験”が多くなることもわかった。“遊び込む経験”と、友だちとの“協同的な活動”の経験の多さは関連していた。さらには、年長児が1年間に園で“遊び込む経験”が多いほうが、子どもの「学びに向かう力」は高かった。

■園での生活を通した保護者自身の成長実感が強いほど、子どもの意欲を尊重する養育態度をとる

園での生活を通して、83.6%の保護者が「子どもの得意なことやよさに気づいた」と回答したほか、「安心して子育てできた」(76.0%)、「自分の視野が広がった」(68.5%)、「子どもへの関わり方がわかった」(67.5%)と回答した(%は「強く感じる」+「やや強く感じる」)。園から提供される情報を子育ての参考にしているほうが、園生活を通して自分自身の成長を感じるようである。そして、保護者自身の成長実感が強いほど、子どもの意欲を尊重する養育態度をとる傾向がみられる。

今回の調査では、年長児の1年間を保護者が振り返った際に、子どもが園で自分なりに遊びに工夫を加えたり、見通しをもって遊ぶなどの“遊び込む経験”を多くしたと感じるほうが、子どもの好奇心やがんばる力などの「学びに向かう力」は高くなる傾向がみられた。「学びに向かう力」は、非認知的能力、社会情動的スキルともいわれ、生涯にわたり、社会生活を営む上でその人を支える基盤となる力といえるが、この力を支えるのが園生活での“遊び込む経験”であると考えられる。また“遊び込む経験”をするためには、園で自由に遊べる環境や先生の受容的な関わりが大切であることもうかがえる。さらに“遊び込む経験”と友だちとの“協同的な活動”の経験には関連が見られたことから、遊び込む過程で友だちと豊かに関わる子どもたちの姿が浮かび上がる。

一方、園生活を通した保護者の成長実感は総じて高く、園便りなど園との接点から得る情報を子育ての参考にしているほうが、保護者自身が成長を実感して、子どもの意欲を尊重する養育態度をとる傾向がみられ、そうした養育態度が「学びに向かう力」に関連している可能性もうかがえた。以上のことから、幼児の成長のために、園が担う役割の大きさが改めて明らかになった。

【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査時期:2016年2月19日〜2月22日
調査対象:幼稚園・保育園・認定こども園などに通う年長児をもつ保護者2266人(母親2060人、父親206人)※年齢は25~49歳
調査地域:全国

文/編集部

 

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