トヨタ自動車・豊田章男社長が語る「プリウスPHVに賭ける思い」

トヨタ自動車・豊田章男社長が語る「プリウスPHVに賭ける思い」

@DIME アットダイム

 8月下旬に行なわれた『プリウスPHV』のメディア向け試乗会に、突如、現われたトヨタ自動車の豊田章男取締役社長。多忙を極める自動車業界のトップに、新しい『プリウスPHV』に賭ける思い、そして、エコカーに対する考え方について話を伺った。

−−−こういうメディア向け試乗会に、社長自らお見えになるのは珍しいですね?

豊田社長(以下、豊田) 以前はこういった広報部主催の試乗会にはよく顔を出していたんですよ。やっぱりクルマは停止した状態で展示するのもいいけど、動く状態を見せたほうがいいですよね。変わったことを伝えるには、こちらのほうが説得力がありますから。

−−−久しぶりに試乗会にいらしたということは、このクルマに対して特に思い入れが強いということでしょうか?

豊田 私は、すべてのクルマに対して同じように思い入れがあります。それが正直な気持ち。新車というのは、私にとってどれもかわいい。だから、ある車種だけをということはないんです。だから、社内で"トヨタアワード"をやるようになりました。以前は、私が独断と偏見で選ぶ「モリゾウ賞」という企画もやっていました。

−−−そういった企画は何のためにやってるんですか?

豊田 社内の全てのプロジェクトに陽を当てるためです。1人1人のお客様にとって1台1台が大切なように、そのクルマの開発に携わった者にとってもたくさんの思い入れがあります。なのに、全社員が1車種だけを特別扱いするのはおかしい。だから、そこはフェアに評価したいということで、こういったアワードを実施しています。

■『プリウスPHV』は安心して乗れるEV

−−−今回の新型車の出来栄えはいかがでしょうか?

豊田 今回の最大のチャレンジは、EV走行の航続距離を長くしたことです。私もプラグ・イン・ハイブリッド(以下PHV)ユーザーですが現状の20kmだとやっぱり物足りない。これが60kmとなると安心して走れます。 まだまだ「EVはいいけどやっぱり不安」という人が多い。一方で、普通のクルマとして使う人にしてみれば、メーターが増えたり減ったりするのでガソリン車と比べても信用ならないという人もいる。だけど、深夜に家に帰ってくる時、EVで走れば、住宅街であっても誰にも迷惑をかけませんよね。 

 そういった意味でも、EVとガソリン車のよさを組み合わせたPHVが理想形じゃないかなと。この『プリウスPHV』は両者を何となく足してよくなった、ではなく、両方のよさを際立たせた形のクルマに仕上がっていると思います。デザインについてもそうです。さらにカッコよくなりましたよね? 後ろにPHVとロゴを入れるだけじゃダメだと言いました。前から見てもPHVだとわかるデザインにするようにと。

−−−今回、11・6インチという巨大なモニターやソーラーパネル(※オプション)が装備されています。こういった最新の装備もリクエストされたのですか?

 

豊田 そこは現場が自分たちで決めたものです。そういうトライを仕掛けていくのが『プリウス』という先進的なクルマの特徴です。今や『プリウス』は、『カローラ』と同じように"普通のクルマ"として市民権を得られたと思っています。どんなミッションであれ、エコカーの最大のポイントは、普及させなければダメだということ。

 水素社会も将来性があると思います。日本は資源がないわけですから。水素という油田があるわけじゃなく、水素を生む新しい技術がたくさんあります。自動車メーカーだけの力では実現できるものではありませんが、日本全体で水素社会を真剣に考えてほしいですね。

取材・文/編集部 撮影/望月浩彦

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