『朝霧JAM』出演で話題に!次なるボブ・ディラン「王舟」の500円ライブ開催

『朝霧JAM』出演で話題に!次なるボブ・ディラン「王舟」の500円ライブ開催

@DIME アットダイム

ノーベル文学賞受賞のボブ・ディランは、若い頃、ニューヨーク・グリニッジビレッジのコーヒーハウスで古いフォークソングを歌っていた。アメリカのルーツ音楽を究める中で、独自の新しいフォークソングを磨き、シンプルなメロディーと詩的な歌詞で、ベトナム反戦の熱気が盛り上がる1960年代の時代の寵児となっていく。ボブ・ディランの原点は、アメリカの古典、フォークソングにあった。

一方、東京でも今、1960、70年代のフォークソングやカントリーを独特のセンスで昇華した、あるシンガーソングライターが話題になっている。

その名は、王舟(おう・しゅう)。彼は、先の10月8日(土)・9日(日)、静岡県朝霧高原で開催されたキャンプインフェス『朝霧JAM』の2日目に、フルートなどを含む6人編成のバンドで登場し、電気グルーヴの名曲「虹」のカヴァー演奏や、1960年代のカントリーやフォークを感じさせるオリジナル曲の数々を演奏。いまにも雨が降りそうだった会場の空気を一変させた。

自ら奏でるアコースティック・ギターもすばらしいが、魅力の核心は、なんといってもやわらかい歌声だ。英語の歌詞の発音も独特のなめらかさで、ふわっとした圧倒的な心地よさで、周囲を包みこむ。そのときの雰囲気を「多幸感」「リラックス感」「浮遊感」という言葉で表わした投稿が、SNS上に多数上がり、音楽関係者だけでなくフェス好きの若者の間で、ひさしぶりの本格派シンガーソングライターとしてちょっとした話題になっているのだ。

■「王舟」とは何者なのか?

中国上海生まれ、日本育ちのミュージシャン。幼少時は上海の祖父母の家で育つが、小学校3年のころ、中国絵画の画家である父が母とともに暮らしていた栃木県宇都宮市に遊びに来て、そのまま日本で暮らすことになった。高校卒業後は、東京を拠点に音楽活動を続け、2014年にアルバム『Wang』でデビュー。2016年に2枚目のアルバム『PICTURE』をリリースしている。30歳をちょっとすぎたあたりの年齢だ。

インタビューなどでふつうに話をしていると、ごくふつうの日本の青年と変わらない。8歳まで暮らしていた中国の言葉よりも、20年以上暮らした日本の言葉のほうが得意になってしまったというのだが、歌で見せる独特のやわらかい英語の発音は、幼少時、中国語で鍛えた発声感覚によるものだろう。

音楽関係者のなかには、王舟の音楽を、ボブ・ディランではなく、ニール・ヤングに近いと見る者も少なくない。カントリーへのアプローチから、細野晴臣に近いと語る評者もいる。一方、王舟本人は、好きな歌手として、1960年代に活躍したソウル/R&Bシンガー、サムクックと、1970年代初頭に活躍したシンガーソングライター、ジュディ・シルを挙げている。とくにジュディ・シルについては、「歌い出しの“入り”がやわらかく、ぬくもりがあって、まるでしゃべっているように歌う」ことが魅力と語っており、これは王舟自身の歌い方のスタイルを表しているともいえそうだ。

王舟の曲の中で、ボブ・ディランやジュディ・シルが活躍した1960年代、70年代を感じさせる曲として、たとえば、カントリー風の味わいがある「New Song」という曲がある。

あるいは、打ち寄せる波を描いた風景画のような「Thailand」という曲。

日本語の曲「あいがあって」は、吉田拓郎が歌っていても似合いそうな一曲だ。これは、今の時代ならではの“ネオ・フォークソング”といえるかもしれない。

王舟は、カヴァーの名手でもある。ライブでは、前述した電気グルーヴの「虹」のほか、ピーター・ポール&マリーの「500マイルズ」、テニスコーツの「光輪」など、新旧問わず隠れた名曲を発掘してきて、独自のアレンジで演奏している。これがまた、シンプルで、やわらかくて、じつにすばらしいのだ。

今年は『リンゴ音楽祭』(長野県松本市)や『朝霧JAM』(静岡県富士宮市)などのフェス出演で話題になった王舟。来年は『フジロックフェスティバル』など、より大きなフェスへの出演も期待されているが、この秋にも魅力的なイベントがあるのでご紹介したい。

10月23日(日)には、小学館刊行のムック『b*p』(BE-PAL若者版)が、湘南蔦谷書店(神奈川県藤沢市)で、王舟のLIVE&TALKイベントを開催。“2010年代のボブ・ディラン”とも称される注目のシンガーソングライター王舟を、なんとワンコイン(500円)で聴くことができるイベントなのだ。東京神奈川近郊の方は、ぜひご参加いただきたい。見た目はぼさっとしているが、歌いはじめると周囲の世界が一変する王舟。生で見ると、本当にすばらしいので、ぜひ!

11月27日(日)には、東京キネマ倶楽部で12人編成のビッグバンドのワンマンライブを開催予定だ。詳細は王舟オフィシャルサイトを! http://ohshu-info.net/

『b*p湘南音楽会2016 −王舟LIVE&TALK−』
■日時: 10月23日(日) 18:00 − 19:30
■会場: 湘南T−SITE(湘南蔦谷書店) 1号館2階「湘南ラウンジ」
■入場料: 500円(ドリンク代)
■予約・お問い合わせ: 湘南蔦谷書店 http://real.tsite.jp/shonan/event/2016/09/bp-2016.html
0466-31-1510(代表)

●b*p編集部による王舟インタビューはこちら!
http://www.bepal.net/bp/9559

文/小学館b*p編集部 写真/米田樹央(朝霧JAM2016)

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