人事担当者が気にする育休から復帰した女性社員のぶら下がり化

人事担当者が気にする育休から復帰した女性社員のぶら下がり化

@DIME アットダイム

 就労人口の減少を背景に、女性社員の活躍なくして経営が成り立たない時代になりつつある。だが、企業として女性が長く働ける環境や制度を整えることがますます重要となり、制度化が進む一方で、ぶら下がる意識を持った女性社員が出てきているという実態もある。

エン・ジャパンは同社が運営する人事担当者向け中途採用支援サイト『エン 人事のミカタ』上でサイトを利用している280社を対象に「女性活躍(定着・管理職割合)」についてアンケート調査を行なった。調査の結果、半数以上の企業が、女性社員の活躍・定着の課題として「女性社員の意識」と回答。女性社員の活躍・定着に取り組んでいる企業は53%で、出産・育児のサポートや働き方の多様化への対応に注力していることが明らかになった。また、約6割の企業が女性社員の活躍・定着への取り組みが業績の向上に影響すると回答している。

■半数以上の企業が、女性社員の活躍・定着の課題として「女性社員の意識」と回答

「女性社員の活躍・定着に対して、課題と感じられることはありますか?」と伺ったところ、半数以上の企業が「女性社員の意識」(51%)と回答。育児休暇を取得する社員が多くなったことで、も出てきていることに課題を感じている企業が多いことがわかる。復帰後に『周囲に仕事を押し付ける』、『権利ばかり主張して仕事を全くしない』といった、会社にぶら下がる意識を持った女性社員

 次いで挙げられたのは「(育児中の場合)勤務時間」(47%)、「仕事内容」(39%)。育児中はお迎えなどで勤務時間に制限がある場合が多いため、企業側が良かれと思って比較的楽な職務や部署へ異動させるケースも。会社としては女性社員への配慮や思いやりのつもりでも、意欲を持って復帰した社員のやる気を大きく削ぐことに繋がる。過剰な配慮をせず、復帰前に企業と本人がお互いに納得のいく仕事や勤務時間を決めていくことが重要だ。

■女性社員の活躍・定着に取り組んでいる企業は53%。出産・育児のサポートや多様な働き方への対応に注力

「女性社員の活躍・定着に取り組んでいますか?」と伺ったところ、「取り組んでいる」と回答した企業は53%と半数以上となった。昨年に実施した同様のアンケート(51%)に比べ、2ポイント増加している。「特に意識していない」(33%)という企業も、昨年(39%)に比べ、6ポイント減少していることから、女性活躍に対する企業意識が一層向上していることがわかる。

 また、実施している取り組みについて伺うと「出産・育児をサポートする福利厚生制度の充実」(66%)、「時短勤務・テレワークなどの勤務形態の多様化」(54%)が上位に。また、政府が掲げている「2020年までに女性管理職30%」の目標に直結する「管理職への積極登用」は42%となっている。まずは女性が長く働ける環境を整えている段階、という状況が垣間見える結果となった。

■女性管理職の比率、約6割の企業が5%以下と回答

 女性管理職比率について伺うと、約6割の企業が「5%以下」と回答。政府が目指している30%を上回っている企業は12%にとどまった。また、直近1年間における女性管理職の増減については、「変わらない」(78%)と回答した企業が大半を占めているものの、「増加した」(16%)が「減少した」(4%)を上回っており、女性管理職比率を高める動きは少しずつ前進していることが伺える。

■約6割の企業が、女性社員の活躍・定着への取り組みが業績の向上に影響すると回答

「女性社員の活躍・定着への取り組みは、企業業績を高めることに影響があると思いますか?」と伺ったところ、59%の企業が「影響がある」と回答。理由としては『従業員の意識改革、優秀な人材の活用など企業の活性化につながる』、『会社選びのポイントで社風をあげる人が多い中、どれだけ女性社員が活躍しているかは大きな基準になると思う』など、女性の活躍や定着率の向上が、企業のイメージアップや他の女性社員はもちろん、男性社員にも良い刺激になるとの意見が多く挙げられています。一方で『本人の能力次第』『女性限定と言われると違和感がある』といった、性差に限らない活躍・定着の取り組みが重要といったコメントも見られた。【影響があると回答された企業の理由】
●従業員の意識改革、優秀な人材の活用など企業の活性化につながる。(業種:メーカー/従業員数:301〜500名未満)
●会社選びのポイントで社風をあげる人が多い中、どれだけ女性社員が活躍しているかは大きな基準になると思う。(不動産・建設関連/101〜300名)
●男性ばかりだと、固定観念で動いており新しい事がおこらない。女性は色々な視点をもっており社内自体を活性化する力を持っている。(サービス関連/1001名以上)
●細かなことに気がついたり、男性よりも真面目に働く方が多い印象。お客様からの評判も高くなる傾向がある。(印刷関連/1〜50名)
●既婚女性は働く意欲が強い人が多いように感じる。現在パートとして従事しているメンバーしかり。出産・育児という時期はあるが、それ故にやる気はさらに高まるのではないか。育児が落ち着けば、時間等フレックスであれば働ける人材は多いと思う。(サービス関連/1〜50名)

【影響はないと回答された企業の理由】
●元々女性の多い職場であるため。(医療関連/3001〜500名)
●もともと性差を意識した人事制度とはなっていない。あくまで、本人の能力次第。(金融・コンサル関連/51〜100名)
●男性もそうですが、女性にも当然能力差があります。意識の高い人は高めますが、そうでない人はマイナスです。女性活用とよくニュースで取り上げられますが、その中には能力差というものを言わないようにしているので、ちょっとおかしく感じます。(流通小売関連/51〜100名)

【わからないと回答された企業の理由】
●特に女性社員を意識しての評価や配置を行っていないため。(メーカー/301〜500名)
●「”女性社員”が活躍すること=企業業績が高まる」とは言えないが、男女問わず優秀な人材が活躍できる環境や雰囲気づくりは、企業業績の向上につながると考えられる。(IT関連/1〜50名)
●定着率・退職率は男女で差がなく、結婚・出産による退職もないため。男性も含めた社員の活躍・定着への取り組みは、業績を高めることになると思うが、女性限定と言われると違和感があります。(IT関連/101〜300名)

【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:『エン 人事のミカタ』利用企業280社
■調査期間:2015年5月20日 〜 2015年6月16日

文/編集部

 

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