ちゃんと寝ているはずなのに疲れがとれないのはなぜか?

ちゃんと寝ているはずなのに疲れがとれないのはなぜか?

@DIME アットダイム

昨晩は、睡眠時間も8時間確保でき、しっかり眠ることができた。しかし、朝起きたとき、なんだか疲れが残っている…。そんなことを感じている人は多いのではないだろうか。そこで、ちゃんと寝たはずなのに疲れが取れないときに、見直したいことを睡眠の専門家に聞いてみた。

■ちゃんと寝たはずなのに疲れが取れない理由とは?

睡眠外来で患者を診ている作業療法士の菅原洋平さんによれば、朝疲れが残っている場合、次のような理由が考えられるという。

●夕方うとうとして眠る時間になっても体温が十分下がらない

「ぐっすりと深い睡眠をとるには、眠りに落ちる際、内臓の温度である「深部体温」が急激に下がる必要があります。深部体温には1日の中で上がったり下がったりするリズムがあります。起床11時間後が最高になり、22時間後が最低になります。

ちゃんと寝たはずなのに疲れが取れない原因として、例えば夕方や帰宅中の電車でうとうとしてしまうことがあります。体温が上がるはずの時間帯に眠ったことで体温が下がると、深部体温のリズムが平坦になります。すると、眠る時間になっても体温が下がらずに深い睡眠がとれなくなってしまうのです」

●深く眠って成長ホルモンが分泌されていない

「深い睡眠中には、成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンには、糖分や脂肪分を代謝する役割があります。この代謝活動がかなりハードなので、そうそう長くは眠れず、自然と起き出すはずです。ところが、深い睡眠が作られないと代謝がされないので、その結果、長く眠りたくなります。このことで、起きてもなんだかまだ眠いといった状況が起きてくるのです」

■朝、目覚めたときに疲れが取れていないときのチェック項目5つ

そこで、菅原さんに、朝、目覚めたときに疲れが取れていないときに見直したいことを教えてもらった。ぜひチェックしてみよう。

1.夕方頃に仮眠をとって深部体温を下げていないか

「先にご説明したように、深部体温の上下のリズムが平坦だと、寝る前に深部体温がしっかり下がりません。夕方頃に眠って体温を下げていないか振り返ってみてください」

2.うとうと眠りで「睡眠圧」を下げていないか

「帰宅中の電車や帰宅後にテレビを観ながらうとうとしてしまうことは「睡眠圧」を下げる点からも、夜の眠りを浅くします。

目覚めている限り、脳には「睡眠物質」というものが溜まっていきます。この睡眠物質が溜まるほど、深く眠れるようになります。この仕組みを「睡眠圧」といいます。通常、連続して起きている時間が長ければ長いほど、その後の睡眠はぐっすりと深くなります。徹夜明けに眠るとぐっすり眠れますよね。

しかし、夕方頃にうとうとした瞬間、1日を通して溜めた睡眠圧を使い切ってしまいます。その後いったん目覚めて、また眠り直しても、もう深い睡眠は出ないのです。

本睡眠(メジャースリープ)でぐっすり眠るためには、睡眠圧がたまってきている夕方頃、うとうと眠ってしまわないことが大切です」

3.夜寝る前に足首が冷えていないか

「深部体温が急激に下がるには、眠り始めに足首が温まっていることが条件です。人間は、足首が温まると、足の裏から汗をかき、その汗が空気に触れると気化熱で蒸発し、血液の温度が下がります。その温度の下がった血液が内臓へと運ばれることで、深部体温が下がり、眠りにつく、という仕組みになっています。

就寝前に足首のくるぶしあたりを触って冷たければ、そこから眠っても深くは眠れないサイン。足首を温めることが先決です」

4.歯ぎしりの可能性はないか

「充分眠っているはずなのに昼間に眠いときはチェックが必要です。特に女性に多くみられます。過去、歯科で歯がすり減っているとか食いしばっていると指摘されたことがあったり、頻繁に口内炎ができたりする場合は、歯ぎしりをしている可能性があります。

歯ぎしりをすると、睡眠中に「マイクロアローザル」という、脳波上、短い時間の覚醒が起きます。これにより深く眠れなくなり、昼間に眠くなるのです。

ただし、眠気覚ましといってカフェインをとると歯ぎしりが強くなります。悪循環にはまってしまわないよう、カフェインは避けて、歯ぎしりの可能性を疑ってみてください」

5.いびき、無呼吸の可能性はないか

「いびきは、次のように起こります。仰向けで寝ていると、重力で上から筋肉が引き下げられます。すると、舌やのどの筋肉が気道を塞ぎます。そこを無理に空気が通ることで、ぶーっと音がなります。これがいびきです。いびきや無呼吸で呼吸量が少なくなると、睡眠が浅くなります」

■睡眠の質を高める方法

これらのチェック項目に心当たりがあったら、ぜひ次の対策を試してみたい。菅原さんに睡眠の質を高める方法を教えてもらった。

●夕方は体を動かして体温を上げる

●足首を温めて眠る
シャワーであれば両足10秒ずつあてる。靴下では気化熱が生じないため、レッグウォーマーの形状が最適。

●最低でも15時以降は眠らずに睡眠圧を高めた状態で本睡眠に入る

●1週間カフェインレスをする

●眠り始めだけ、「前傾側臥位(ぜんけいそくがい)」で眠る
最初の呼吸量を促進するために、前かがみ・横向き姿勢で寝て、気道を開き、下部の肋骨を使って腹式呼吸になるように誘導する。

眠ると人は30〜90分間隔で寝返りを打つため、目覚めたときには仰向けになっていてOK。筋肉が呼吸パターンを覚えるのに4日〜2週間かかるので、試すなら4日以上続ける。

朝、起きたときに疲れが取れない日が続いている人は、原因を見直し、ぜひこれらの対策を実践してみよう。すがすがしい朝を迎えられるはずだ。

(取材協力)
菅原 洋平さん
作業療法士。ベスリクリニック(東京都千代田区)にて薬を使わない睡眠外来を担当するかたわら、企業研修を全国で展開している。睡眠サポートグッズ眠プラスを共同開発。
https://www.minplus.jp/

取材・文/石原亜香利

関連記事(外部サイト)