子どもに渡すなら、ドリルより1冊のノート! 本物の学力は12歳までの「作文量」で決まる

子どもに渡すなら、ドリルより1冊のノート! 本物の学力は12歳までの「作文量」で決まる

『本物の学力は12歳までの「作文量」で決まる! 』(樋口裕一/すばる舎)

 頭のいい子というと、計算が速い、知識をたくさん持っているなどと想像される方は多いのではないでしょうか? 以前は、学校の入試でも、その子にどれくらいの知識があり、理解しているのか、インプットした知識を確認するためのテストが中心。就職のときにも学校の勉強さえできれば、比較的希望通りの会社に入ることができました。しかし、現在はどうでしょう? 学校の適性試験(入学試験)では作文問題に比重がおかれ、就活ではエントリーシートや面接、アピール力が求められています。計算力や知識も大切ですが、自分の頭で考え、他者に発信する力が重視されるようになってきたのです。

「頭がいいとは、筋道だって物事を考え、現実に即して考えを深め、それを自分なりに展開できるということです。これこそまさしく作文によって身につけられることなのです」

 受験生向けの小論文指導だけでなく、20年近く前から小学生の作文指導をしてきた、「小論文の神様」と呼ばれる樋口裕一氏は『本物の学力は12歳までの「作文量」で決まる! 』(樋口裕一/すばる舎)で、本当に頭がいい子に育てる、一番の近道は「作文」だと主張しています。

 学校では後回しにされがちですが、「作文」は本を読むこと以上に国語力をあげます。「作文」を書くことによって、書き手の気持ちもわかるようになり、そうなれば自然と読むコツもつかめるようになるのです。そのほかにも、書くことで語彙も増え、なにを書くか考えることで観察力や思考力、論理力、伝える力が身について、総合的にすべての学力アップにつながっていく、書けば書くほど賢くなるのが「作文」だと著者はいいます。

 それでは、どのように促せば子どもが「作文」を書こうという気になってくれるのでしょう? 本書のタイトルにもあるとおり、学力の決め手は「作文量」にあります。しかし、ただ書けばいいというわけではなく、親が嫌々書かせても、子どもは考えない、学力はつかないのです。ですから、子どもが自ら作文に取り組み、考え、力をつけるようになるためには、勉強というよりも、楽しみや遊びの延長として「作文」をとり入れることがポイントなのです。

どんな子も夢中になる「空想作文」

「空想作文」とはいわば「物語」です。お題は「友情」「思い出」といったものではなく、「魔法の薬を見つけたら」「無人島に到着したら」といった、想像するだけでわくわくするようなもの。空想作文を書くときは、想像力をたくましく、最初はむちゃくちゃな展開でもいいのです。想像ですから嘘もOK。子どもが自由に書いた「空想作文」を、親御さんはとにかく褒めてあげましょう。読んだ人に褒められるとますます書いてみようとなり、面白く書こうとします。論理性がなくても、どうしてこうなったのか誰かに質問されれば、子どもは自然と物語のつじつまを考えるようになります。褒められて、調子に乗って、書き続けているうちに、表現や展開を考え、本当に作文が上手になってくものです。そして、気づけば自分の頭で考えることができる、学力の土台ができあがっていることでしょう。

子どもに渡すなら、ドリルより1冊のノートを

「作文」は鉛筆とノートがあれば、簡単にはじめられます。ドリルと違って、ノートは自由。親子でお題を出しあい、好きなように書いて、見せあう、親と子どものコミュニケーションを高めながら、気軽にできるのです。小学校低学年になると勉強に役立つことをはじめたいと、学習塾に通わせるなどいろいろやらせたくなるところですが、まずは作文ノートからはじめてみてはいかがでしょうか?

文=なつめ

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