NY植物園で開催中の草間彌生展「KUSAMA: Cosmic Nature」へ! ニューヨークから届いたアートレポート【From cities 世界の都市に憧れて vol.16】

NY植物園で開催中の草間彌生展「KUSAMA: Cosmic Nature」へ! ニューヨークから届いたアートレポート【From cities 世界の都市に憧れて vol.16】

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連載【From cities 世界の都市に憧れて】では、パリ、ミラノ、NY etc...世界の都市の街のこと、注目アドレスやリアルなシティスナップなど、現地からの最旬情報をお届け! 近い未来、また気兼ねなく海外へ行き来できるようになったら行ってみたい、暫くは、そんな気持ちも込めてお送りしていきます。

第16回目は、この春からニューヨークシティの北部にある“NY植物園(New York Botanical Garden、通称:NYBG)”で開催されている、草間彌生「コズミック・ネイチャー(原題:「KUSAMA: Cosmic Nature」)」展にフォーカス。

今、多くのニューヨーカーは、長く続いた厳しい規制の時期を乗り越え、2年ぶりの夏を楽しむのに夢中。今回ピックアップしたNY植物園で開催中の本展、現地では「KUSAMAはもう行った? まだ行ってないの? 」なんて会話が聞こえてくる話題のスポットになっている。8月3日から追加公開されたインスタレーション作品『Infinity Mirrored Room(無限の鏡の部屋)』の情報も必見!

オンライントリップ気分で楽しみたい、NY在住スタッフによる展覧会レポート。早速チェックして。


NY植物園で開催中の草間彌生「コズミック・ネイチャー」展とは?

本展「コズミック・ネイチャー(原題:「KUSAMA: Cosmic Nature」)」は、NY植物園の様々な場所に草間彌生の作品が配置され、日々移り変わる景色と植物と共に草間彌生作品が楽しめる、とNYで今話題の展覧会。

元々この企画展は、2020年に開催が予定されていたもの。ただ、新型コロナウイルスの影響を受け、1年延期の末、今春より開催。加えて、今夏、8月3日からは、草間彌生の作品を代表するアートワークの一つである、インスタレーション作品シリーズの『Infinity Mirrored Room(無限の鏡の部屋)』の室内も公開された。


本展の開催場所であるNY植物園は、ニューヨークの北部のブロンクス地区(マンハッタンの中心部から電車で1時間程度)にある、計250エーカー(およそ東京ドーム23個分)の広大な敷地を持つ植物園。一年を通じて四季折々の植物が観賞でき、たとえ企画展鑑賞抜きでも十分に訪れる価値のあるスポットだ。

いざ、NY植物園へ!
作品の展示スポットは、全部で10ヶ所あり、本記事では内9ヶ所(作品『Walking Piece』以外のスポット)をピックアップ。各スポット毎に、作品とその作品が佇まうアートな風景を紹介していく。


SPOT1.『I Want to Fly to the Universe』
チャーミングな作品に迎えられて


入園して最初に目に飛び込んできたのはこちら。2020年に制作された新しい作品で、宇宙に向かって大きく手を広げた新種の生命体のような力強さを感じる。ぽかんと開けた口から何かを吸い込んでいるかのようで、なんだか癖になるチャーミングさがある。


SPOT2.『Pumpkins Screaming About Love Beyond Infinity』
パンプキンが浮かび上がる、秘密のトリックアート


前述の『I Want to Fly to the Universe』のすぐ脇に、小さな建物が。残念ながらこの空間は撮影禁止とのことで、テキストのみでご紹介。

建物内入ると、中は真っ暗で無音。何かをじっと待つ人々の気配だけを感じる。しばらく経つと、空間の中央にぼんやりと黄色いパンプキンが浮かび上がり、合わせ鏡のトリックで、徐々にパンプキンは、空間の奥深くへと無数に広がって、のちにゆっくりと消えていく。静かに繰り返される無数のパンプキンの移ろうさまを眺めていると、だんだんと作品の世界に吸い込まれるような感覚を覚えた。


SPOT3.『Flower Obsession』
ゲストと作り上げる、花々に満ちたインスタレーション


先ほどのスポットからしばらく歩いて行くと、ビニールハウスのような白い小屋が見えてきた。小屋の手前で、スタッフからピンク色の花のステッカーを渡される。

「このステッカーは、これからインスタレーションに参加するためのものだよ。小屋の中の好きなところに貼ってきて! 」とのこと。
小屋に足を一歩踏み入れてびっくり。先ほどの花のステッカーがひとりでに増殖したかのような世界が広がっていた。

興奮した様子の子供達の声が聞こえてくる、どこにこのステッカーを貼るかで大騒ぎだ。
ここは、元々誰かの家のリビングルームのように、椅子やテーブル、植物などが置かれているだけの空間だったようで、埋め尽くされたステッカーの隙間を注意深く見てみると、テーブルの上には食器や花瓶、本などが置かれている。これまでに訪れた来場客の一人一人が、一枚ずつステッカーを貼って作っていくアート作品ということか。


少し離れた場所から眺めると、不思議と草間彌生が描いたペイント作品のようにも見える。


SPOT4.『Ascension of Polka Dots in the Trees』
お馴染みの水玉模様でドレスアップした木々

しばらく立ち止まって、木々を見上げる人々
『Flower Obsession』の小屋を出ると、次に見えてくるのは、ピンク色の水玉柄でドレスアップした樹木。実際に見ると写真の印象より大迫力のスケールだ。まさに、NY植物園という場所の特性を生かした作品。


SPOT5.『Narcissus Garden』
心地よい水辺の散歩、水面に浮かぶのは1400個の球

一つ作品を見落としていたため、来た道を少し戻って、水辺をしばらく歩く。
すると現れたのは、水上に浮かぶ銀色の球体。その数、なんと1400個……!


ステンレス製の球体は、風に吹かれてぶつかり合うと、小さくカチカチと音を立てながら、群れとなってゆっくりと移動していく。風の強さで音が少し変わるのがわかる。時々、キュッと高い音も聞こえる。ベンチに座って眺めていると、頭が空っぽになっていく様な感覚になり、心地よい。

>>【続いて、植物園の温室へ】
温室の奥へと広がる、NY植物園ならではの世界とは?

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SPOT6.『Haupt Conservatory Galleries』
温室内に溢れる木々や花々の良い香りも満喫して


こちらの建物は、植物園の温室。室内には、いくつかの作品が木々や花々とともに飾られていて、美しい情景が点在している。

『My Soul Blooms Forever』
『Starry Pumpkin』
作品と植物、それぞれが放つエネルギーとその共鳴に目を奪われる。加えて、温室内に溢れる木々や花々の良い香りをマスク越しでも感じることができるところも、このスポットならではのポイントだ。(マスクレスだったらどんなにこの香りを感じられるのだろう? )


なお、この温室内に設けられた庭園は、草間彌生の絵画『Alone, Buried in a Flower Garden』をイメージしたものだそう。注意深く観て回っていると、園内のところどころでこのような植物を用いた展示や、草間彌生の故郷・長野県松本市の植物が紹介されていたりするのに気づく。


SPOT7.『Dancing Pumpkin』
アイコニックな新作パンプキンが出現! アートな記念写真もおさえて


温室から外に出て、次に出会ったのは、本展のハイライトの一つである、新作の『Dancing Pumpkin』。作品に近づけるのは、一組ずつで、それまでは並んで待つルールだが、その分、作品を静かに堪能することができて、写真もゆっくり撮れるので、嬉しく思うファンも多いはず。

パンプキンの真下に入ると、まるで、巨大な生き物に飲み込まれたような感覚に。

ここで一旦、ランチブレイク!
NY植物園内のレストラン「Hudson Garden Grill」

今回の企画展に合わせて、店舗のひさしが水玉柄に!
お腹もすいてきたので、そろそろ休憩。園内のレストラン『Hudson Garden Grill』へ。

写真手前から、「Senat Farms Crispy Chicken Cobb」($22.00+Tax)、「Crispy Chicken Sandwich」($22.00+Tax)
思っていたよりもボリューミー! 両方フライドチキンが入っているのは想定外だったが、美味しくて食べ過ぎてしまった。お腹いっぱいで大満足。

ランチは、サラダとサンドイッチをオーダー。レストランのメニューには、キッズやヴィーガンのオプションもあるので、誰と行っても最高のブレイクタイムが過ごせそう! お一人様でも心地よく過ごせて◎。ランチブレイク後は、またアート鑑賞へ!

【店舗情報】
Hudson Garden Grill at New York Botanical Garden
URL:https://www.nybg.org/visit/dining/the-hudson-garden-grill/

SPOT8.『Infinity Mirrored Room Illusion Inside the Heart』
今夏、新たに公開された注目スポット

※『Infinity Mirrored Room』の入室には、追加料金(10ドル)が必要。
8スポット目に足を運んだのは、8月3日から新たに公開された『Infinity Mirrored Room』。鏡張りの壁面に木々が写り込み、作品は風景に自然と溶け込んでいる。

入室前にスタッフから説明があり、「荷物はすべて外に置いて、モバイルカメラだけ持って一人ずつ入ってね。めまいを起こすかもしれないから、入れるのは30秒だけ。声をかけたら、すぐ出てきて。あと、中で叫ばないでね」とのこと。

上下左右をキョロキョロ見ていたら、あっという間に30秒! 写真撮影したい人はサクッと済ませて。

小さな入り口を潜って中に入ると、すぐに扉は閉められた。するとそこには、無限に広がる空間の中に無数のカラフルな球体が浮かんでいた。浮遊しているような不思議な感覚に。この球体は、壁に開けられたいくつかの穴の色硝子から自然光を取り込み、室内の鏡に投影されているよう。

また、「一日の光の変化や季節によっても見え方が変化するよ」と、スタッフ。もっと晴れた日はどんな感じなのだろう? 日が暮れてから入ったらどうなるのかな? と、探究心がくすぐられる作品だ。


SPOT9.『Mertz Library Building Gallery』
奥に見える建物の中に展示ルームがある。このアプローチが美しい。

建物内に入ってすぐ出迎えてくれるのは、こちらの作品。

『Life』
この室内展示スポットでは、上の作品の他にも様々な年代で制作されたペイントやコラージュ、草間彌生が若い頃に描いたスケッチなどを観ることができる。


ミュージアムショップも必見!
草間彌生展の限定スーベニアグッズをゲットしよう

展示を楽しんだ後は、ミュージアムショップに立ち寄りたい。
ミュージアムショップでは、開催中の草間彌生展にちなんだアートなグッズが購入できる。本展の図録をはじめ、“NYBG(NY植物園の通称)”の文字が草間彌生の水玉柄でデザインされたロゴTシャツや、マグカップなどもそろう。企画展の限定アイテムだけでなく、見覚えのある人気商品もラインアップされている。


現地スタッフがミュージアムショップで購入した3枚のポストカード(各 $0.90+Tax)

《From:ニューヨーク在住スタッフ》
5時間滞在して、大満足。歩き疲れて帰りの電車でうとうとしながらマップを見返していたところ、なんと一ヶ所立ち寄り忘れた場所を発見……! 『Walking Piece』をスルーしてしまったよう。本展は、10月末までの会期なので、秋が近づいたら木々の様子も変わるだろうし、もう一回行こうかなと思う。


会期中、NYに滞在している人は、ぜひ、足を運んでみて。なお、NY植物園では、年間を通して様々な展覧会やイベントが開かれているので、本展会期中に行くことが出来なくとも、また自由に旅行ができるようになった際には、同園に訪れてみてほしい。

【展覧会概要】
KUSAMA: Cosmic Nature
会期:10月31日まで開催中
会場:New York Botanical Garden
住所:2900 Southern Boulevard Bronx, NY
URL:https://www.nybg.org/(公式サイト)

※入園は完全予約制、日付指定チケットの事前購入が必須。展覧会およびチケットの詳細は、公式サイトにて要確認。
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