「ritsuko karita」のアトリエから【インタビュー】Vol.4

「ritsuko karita」のアトリエから【インタビュー】Vol.4

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アトリエでの暮らし
これは、苅田さんにお伺いした「ritsuko karita」のアトリエの今とこれからここでうまれてゆくものたちのお話です。
「暮らす」ということは、「生きる」こと。苅田さんのアトリエでの暮らしのなかでも、ファッションやカルチャーが彩りをそえていて、改めて、TOKYO解放区のキャッチコピーにもしている「ファッションをたしなみ、カルチャーをたのしむ。」ことの先にある、たのしんで生きていくことの大事さを思いました。

Vol1.初めまして、あたらしいアトリエ
Vol2.アトリエおきにいり
Vol3.理想の始まるアトリエ
Vol.4アトリエでの暮らし

苅田さん自身のアトリエでの暮らしはどういう感じなんですか?


等身大な環境で過ごしています。そのなかでデザインしたり、発送業務もするけれど、音楽を流したり、ひなたぼっこをしたり、お菓子を食べたり、植物に水をやったりとか。
生活の中でナチュラルであることは意識をしていて、たとえ特別なことであっても、自分の中ではナチュラルでありたいな、と思いながら暮らしています。
このもみの木はアトリエの引っ越し祝いにインターンの子がくれて。今、毎日育てていますが、いつかはお庭に植えてもいいのかもとかも思っています。


のんびり過ごされている?
あんまり焦らないようはしていますね。でも、さっきも郵便局に行ったりしていたんですけど、郵便局は16時までに発送しないとしまっちゃうのもあり、発送業務のときだけはせかせかしていますね。
基本的にはインターンの子が10時に仕事始めで、12時にお昼休憩をして、1時間一緒にごはんをたべて、13時から16時まで仕事をして、夜は、繁忙期には仕事もするけれど、普段は映画見たり本読んだりとか、日中に仕事して夜は好きなことをして、と分けていますね。



おひるごはんみんなで食べるのですね、
どんなものを食べるんですか?
事前にスーパーに行って食材買って、ごはんをつくっています。時々インターンの子が1〜2人いて、多くても私含めて3人なんですけど、一緒に食べていますね。作り置きおかずの本を3年くらい前に買ってから、常備菜を作っていて、簡単なものだけど、といいながらもけっこう豪華なものも作っています。だいたいワンプレートみたいにするんですけど、多いのは野菜とベーコンを使ったもので、素材の味を活かしつつスープにしたり、煮卵だったり、紫キャベツにお酢を入れた酢漬けとか、サラダとか、その日に合ったお肉のメニューが多いですね。細かいお惣菜と野菜スープとごはん、という感じですかね。といいつつ、昨日はガパオライスでしたけどね!


食べる話をしたので、次は聞く話。
アトリエではどういう音がするんですか?
アトリエではいつも音楽は流していますね。でも、自分が好きな曲と仕事しているときの曲は分けています。たとえば、カネコアヤノちゃんは歌詞が強すぎて仕事の時は違うなあ、とか。感情的になりすぎちゃうので、しっかり聞きたいんですよね。仕事中は、洋楽やドビュッシーなどが、集中できるし、デザインを考えるのにも邪魔しないので、BGMとしてそういう音楽を選んでいますね。
レコードもかけたいな、と思っているのですが、このアトリエに引っ越してからレコードプレーヤーをかったので、まだ全然集めていないですね。




もともと音楽はそんなにアーティストに詳しくはなくて、自分で体力を使って探せなかったんですけど、ストリーミングのおかげで探しやすくなって、気分に会うものを探すようになりましたね。はまった曲を繰り返す聞くことも、新しいものとの出会いたいなと思って知らない曲を聞くことも有ります。音楽に関しては、すきなものももちろんあるけれど、フットワークが軽いというか、何でも知りたい!というタイプで、新しい曲と出逢いたいなあという前向きなきもちで探ってその都度フィットするものを選んでいますね。あとは、友達のおすすめを聞くことも多いですね。結構前に教えてもらったのが、SaToA。聞いてみて、「あっ、すきだな…」ってなりました。

※SaToA=東京を中心に活動している、ガールズスリーピースバンド。ギター、ベース、ドラムに3人が共にヴォーカルを務めるという珍しいスタイルで活動している。




あとは、あんまりベーシックなものを知らないなと思うことがあって、スタンダードを勉強するためにクルーエルを買っていて、その中にあるミュージックページを読んだりもしています。
でも、展示会ごとに服のイメージとリンクさせてプレイリストも作っていて、すきではあるんですよね、音楽。
あ!それから、映画で流れている曲も探して聞いたりしますね。映画の温度が好きだったら、曲を聞くことで思い出せるので。


苅田さんのアトリエで流れているプレイリストはこちら



本もおすきなんですか?
すきなものだけを今並べています。



この付箋がたくさんついているのはイ・ランさんの『悲しくてかっこいい人』。本当はどの本も付箋をつけたり、線を引いたりしながら全部を読みたいんだけれど、本が汚くなってしまうし我慢していて、でもこの本は、うっ、ってなるところが多くて、付箋を貼る手がとまらなかったですね。こんなに素直に自分のことを書くんだ、こんな風に感じるんだ、って。

※イ・ラン=韓国のソウル生まれのアーティスト。
シンガー・ソングライター、映像作家、コミック作家、イラストレーター、エッセイスト
と活動は多岐にわたる。『悲しくてかっこいい人』は2018年に発刊。



あっ、この中原淳一さんの本『幸せな食卓』のなかの“夢を活かす机”はアトリエづくりのときにかなり影響を受けています。ミシンの台の隣に本が並んでいたりとか椅子があって囲んで話せたりとか。ここに暮らしが詰まっているんですよね。

※中原淳一=少女雑誌「少女の友」の人気画家として一世を風靡。
戦後1年目の1946年、独自の女性誌「それいゆ」を創刊、
続いて「ひまわり」「ジュニアそれいゆ」などを発刊。

これからこのアトリエはどんな風に変わっていくと思いますか?
「アトリエ」といいつつも、どんどん、お店になっていくイメージです。今はまだ自分の服しか販売できないけど、自分が台湾に行った時におみやげみたいに現地で商品を買い付けたり、花瓶を作っている方と一緒に販売したり、とか、誰かと一緒にという形を含めて、お洋服以外も「暮らし」として衣食住で発信していきたいですね。あと、オンラインもあるものの、お洋服含め、直接見て頂けるし、お客さまのなかにはコミュニケーションをとって、より仲良くみて決めたい方もいらっしゃるだろうなっていうのと、シーズンの受注会ではなくて、今ほしい方もいるだろうし、試着して買いたい!って方もいらっしゃるだろうな、とも思っていて、そういう方に空間と合わせて「ritsuko karita」を見せていけたられたらな、とも思っています。





本当は、余裕があったら、どういう風に出来るかわからないけれど、お茶やお菓子とかを、喫茶店みたいに出来たらな…とも思っていて。生活の延長として、自分が全てを楽しむのでは無く、ほかの人にもきていただいて時間を一緒に共有して、すこしでも気に入るものがあったら、持ち帰るみたいな場所にはしていきたいです。でも、やっぱり自分はずっと服を手掛けてきたので、そこはぶれずに服をつくることは続けていきたいです。


誰もがアトリエに来ることのできる日はもう決まっているんですか?
最初の“プレーン”展示会は4月13日を予定しています。伊勢丹新宿店での「梨凛花」のラストコレクションのPOPUPと「ritsuko karita」の初展示が4月1日〜7日なので、そのすぐ後ですね。
そのあとのお店としてのオープンは、その都度SNSで何日にやります!と発表する形を考えていて、金土日とかでやりたいなとは思っているものの、毎月できるわけではないとも思っています。できるときは回数も増やしていったりはしたいですね。



もっと遠く、いつの日にかアトリエで生まれそうなものや最近気になっていることとかもあったりしますか?
ユニセックスの服やメンズも挑戦したいなあ、とか。
「梨凛花」では、おんなのこに縛っていたけれど、私自身おとこのこに憧れがあるのを感じるときもあるし、プライベートでもメンズライクなお洋服、たとえば、私は身長が高いほうで、かっこいいパンツをジャケットに合わせるのは、着ていてもすごく私らしく居られてすきだなと思うんですよね。
でも、おとこのこだと、体型や身体の大きさも違うし、シンプルなディテールにもこだわっているすでに世の中に出ているメンズ服にリスペクトがとてもあるので、自分がつくらなくてもいいのかな、と思い、今はまだおんなのこですかね。何よりデザインを描いているとおんなのこの服を作りたくなっちゃうんですよ!
といいつつも、もう少し勉強をして、おとこのひとでも着られるものを、今までつくってきた自分の中のかわいいとか、自分の中のロマンティックとか、そういうポイントを核として大事にしながら派生させていきたいですね。
梨凛花を始めた時は、絶対におんなのこの服しか作らないぞ!と少女性のある服にこだわりをもっていたけれど、年齢や環境でつくるお洋服、つくりたいお洋服も変わっていくんだなと思いましたね。
自分の名前で活動する「ritsuko karita」というブランドだからこそ、自分らしさを出していけたらなとも思っています。



▼編集後記 / TOKYO解放区 ちばひなこ
『梨凛花』として、TOKYO解放区でずっとご紹介してきた苅田さんのものづくり。『梨凛花』のころから、苅田さんの展示会にくるお客さまと苅田さんの距離感や関係性をとても素敵だな、と思っていました。そして、『梨凛花』のお洋服をオーダーしたときに一緒に届いた葉書に綴られていた苅田さんからの手書きのメッセージに、彼女の穏やかだけど芯があって、優しくて丁寧な愛を感じていました。そして、これからこのアトリエから始まる『ritsuko karita』では、そんな苅田さんによるより等身大な表現やものづくりが生まれるんだと思うと、わくわくしてしまいますね。
インタビューを通して、苅田さんの人柄、考え方や想い方、彼女の伝えたいことを少しでも感じていただけたらうれしいです。



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ヒトが変わるときと環境が変わるときは、物理的にも非常に大きな変化の時です。『ritsuko karita』はアトリエを構えるこのタイミングでブランドとしても変わろうとしています。そんな門出を祝い、4月1日〜7日、伊勢丹新宿店本館2FTOKYOクローゼット内にて、karita ritsukoとしての初展示と梨凛花のラストコレクションの販売を行います。ラストコレクションのほか、アトリエの中に並ぶ本や苅田さん自身が大事にしている事について私物の展示も行います。

?梨凛花ラストコレクション+ritsuko karita
参加ブランド:梨凛花・ritsuko karita
会期:4月1日〜7日
場所:伊勢丹新宿店本館2FTOKYOクローゼット内
企画:TOKYO解放区(https://www.instagram.com/isetan_tokyo_kaihoku/)
詳細:https://www.instagram.com/p/B9dIU9pBATC/?utm_source=ig_web_copy_link

?梨凛花 プレーンライン 展示会
4月13日〜19日(現在予定)
※詳しくはSNSにてお知らせいたします。
場所:ritsuko karita アトリエ内(鶴川から徒歩10分)