日本で少子化のスピードが加速…7年連続で出生数が過去最小を継続する異常事態

日本で少子化のスピードが加速…7年連続で出生数が過去最小を継続する異常事態

日本の少子化スピードに危惧


(写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ)

 2022年上半期の出生数は38万4942人と前年同期に比べ2万人減少した(厚生労働省人口動態統計)。

 このままいけば年間出生数は初めて80万人割れとなり、7年連続で過去最少を継続することになる。

■結婚・出産に対する若者の意識変化

 政府の予測では80万人割れは2033年としているが、少子化のスピードはその予想より10年前倒しで進んでいることになる。少子化が進む背景にあるのが、出産・結婚に対する若者たちの意識変化だ。 

 国立社会保障・人口問題研究所が9月9日に公表した、独身者と夫婦を対象に行った「第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」の結果は少子化が進む背景を明確に語っている(本来5年に1度行われる調査だが、新型コロナウイルスの拡大で1年延期して実施)。

 調査結果に「かなり厳しい結果が出ています」というのが、人口減少対策総合研究所の河合雅司理事長だ。

「『結婚の意思』の調査では男女とも8割以上が『いずれ結婚する』と答えていますが、その一方で『一生結婚するつもりはない』という未婚者は男女とも増えている。特に女性が前回の8%から14.6%に急増したことに驚かされました。(男性17.3%、前回12%)」

 さらに、結婚の意思のある未婚男女に、希望する子供の数を訪ねた回答では──。

「結婚したら子供を2人は欲しいという女性がこれまでは一般的でした。それが今回初めて2人を下回り1.79人となっています。前回調査からの6年間で女性の結婚・出産に対する意識が、大きく変わってきたことが分かります」(河合氏)

 夫婦が理想とする平均子供数も2000年に入り低下し、今回の調査でも前回の2.32人から2.25人に低下している。また、夫婦が子供を持つ理由について「自然なこと」とする回答が、前回の48.7%から今回調査では33.8%と大きく減少したこと。そして夫婦が「理想の数の子供を持たない理由」として最も多かったのが「子育てや教育にお金がかかりすぎる」というものだった。

■ゼロ歳児が30歳の7割しかいない現実

 女性が理想とするライフコースは、結婚して子供を持つが仕事も続けるという育児と仕事の両立が32.3%から34%に増え今回初めて最多となった。働き方改革など人事労務問題に詳しい東レ経営研究所の宮原淳二部長が言う。

「コロナ禍でこの3年間ボーナスが出ない会社も多く、経済的基盤の不安から結婚、出産に踏み切れない人が多かったことが少子化をさらに加速させた要因です。また若い女性が地方から大学、就職で東京に上京したまま、地縁のない都会で結婚するケースが増え、仕事と子育ての両立が難しくなっていることも要因です。実際、首都圏ではこの四半世紀で乳児数は半減しています」

 米テスラのイーロン・マスクCEOがツイッターで「出生率が死亡率を上回る変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなる──」と警告したが、聞き流すことはできまい。先の河合氏がこう述べる。

「昨年の総務省の年齢別人口でゼロ歳児と30歳の大人の人口を比較すると、ゼロ歳児は30歳の7割しかいない。これは30年後には30歳の大人は今より3割少ないということ。かなりの企業で人材採用のできない社会が来るということです」

 来年4月に新設されるこども家庭庁には日本の未来がかかっている。

(ジャーナリスト・木野活明)

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