サービサー法改正で…公共料金の滞納を“回収のプロ”が取り立てにくる時代に

サービサー法改正で…公共料金の滞納を“回収のプロ”が取り立てにくる時代に

公共料金の滞納をプロが回収する時代?

【プロはこう見る 経済ニュースの核心】

 今国会で成立するのか――。金融関係者が固唾をのんで見守っている法案がある。議員立法で提出されたサービサー(債権回収会社)法の改正案である。改正案では従来の主対象であった銀行が抱える不良債権等に加え、電気・ガスといった公共料金、保険料、奨学金まで回収の対象が広がることになる。

 法案が成立すれば電気料を滞納した場合、電力会社に代わってサービサーの担当者が回収に自宅を訪ねてくることも珍しくなくなるわけだ。当然、回収のプロの取り立ては厳しくなることが予想される。消費者にとっても見過ごせない事態だ。

 サービサー法は、銀行の不良債権が社会問題化した1998年に制定された法律で、「銀行の不良債権処理のスピードを上げるために、債権を買い取り、回収する特別な会社が必要との判断から制定された。法律成立を受け銀行はこぞって系列のサービサーを設立し、不良債権処理に奔走した」(メガバンク幹部)という。

 2000年には自主規制組織として全国サービサー協会も設立され、現在75社が加盟している。また、超党派の事業再生・サービサー振興議員連盟(会長・山本幸三衆議院議員)も立ち上がっている。

 しかし、不良債権問題も峠を越し、経済も回復するにつれ、サービサーが対象とする不良債権も減少、業務も縮小の一途をたどっている。この危機を打開するために4〜5年前から議員連盟が中心になって準備されてきたのが今回の改正法案にほかならない。

 1月20日に都内で開催された全国サービサー協会主催の新年賀詞交歓会には、国会議員24人を含む関係者約270人が一堂に会し、改正サービサー法の今国会での成立を訴えた。議員連盟の山本会長は「20年前にサービサー法を作り上げたが、協会のみなさんの尽力で日本の不良債権処理に大きな足跡を残した。今後は事業承継や公共サービスなど新しい分野に臨んでもらいたい」と挨拶した。

 改正サービサー法が縮小するサービサーの延命装置になるのではなく、社会に不可欠な事業として定着するかは、適切な運用にかかっている。

(小林佳樹/金融ジャーナリスト)

関連記事(外部サイト)